校長室より

2025年5月の記事一覧

無限大の情熱を見た!(体育祭)

 本日5月29日(木)本校第2グラウンドにて恒例の体育祭を開催しました。昨日実施した予行では大方の予想を覆して強い日差しが照り付ける中での実施となり、暑さに加えて生徒の熱気で熱中症が心配されましたが、本日は気温も高すぎず晴天の中での開催となり、年に1度のスポーツの祭典に相応しい最高の舞台が整いました。

 本日に先立って、昨日は「予行」として団体種目の予選と本番前最後の練習が実施されました。実施した種目は「綱引き」「玉入れ」「大縄跳び」の3種目でした。

 「玉入れ」と「大縄跳び」は、本日の本番を想定した予行演習で、クラスの団結力が最も重視される種目であることから、本番では、それぞれ入った玉の数、跳んだ回数が団の得点として加算される規定となっています。どちらもクラスごとに作戦を立てて臨み、明日の本番に向けてブラッシュアップを図っていました。

 「綱引き」の予選は、本日の決勝に予選リーグを勝ち抜いた3団しか出場することができないため、どの団も全員で円陣を組んで気合の入ったパフォーマンスを見せてくれました。応援も素晴らしく、まさに「南の風」を感じられるひと時となりました。

 そして迎えた本日の本番では、朝からグラウンドに出てくる生徒たちの顔つきが昨日以上にキラキラしており、最高のパフォーマンスを見せてくれる予感がしました。

 開閉会式などの式典は体育委員が、進行は放送部が、その他の運営は各運動部の生徒たちが分担して主体的に動き、スムーズに進行していきました。

 午前中の実施種目は男女100m走、障害物競走、スウェーデンリレー、みんなでハリケーン、クラス対抗リレー、綱引き決勝でした。

 学校ナンバーワンのスピードスターを決める男女100m走は、学年ごとにタイムレース形式で行われ、男子は1年生が、女子は3年生が本校ナンバーワンの称号を手にしました。障害物競走は、トラック半周125mの間に設置された障害(ネットくぐり、ハードル跳び、ハードルくぐり、煎餅喰い、ふくろ跳び)をすべてクリアしなければなりません。勢いよくスタートしても途中の障害物で順位が入れ替わる波乱のレースの連続で、観ている方も楽しめる競技となりました。

 スウェーデンリレーは第1走者から徐々に走行距離を伸ばしていく特殊なリレーで、スピード重視か持久力重視かを綿密に考えたオーダーでスタートしましたが、ルールの周知が十分にできていなかったことから混乱が生じてレースが成立せず、すべてのチームの得点加算をなくすアクシデントが発生してしまいました。素晴らしいレースを見せてくれた生徒たちには大変申し訳なく感じています。

 みんなでハリケーンは「台風の目」などの名称で小学校時代から経験してきたメジャー種目ですが、高校生のそれは小中学生とはスピードと迫力が全く異なり、回転場面では、棒につかまった女子が遠心力について行けない場面も散見され、ダイナミックで迫力あるレースとなりました。

 クラス対抗リレーでは、男女各5人の選手が半周ずつ走るリレーですが、代表となった生徒をクラスメイト全員が情熱的に応援する一体感の高い種目となりました。

 綱引きは、前日の予行(予選)を勝ち上がった3団による決勝リーグが行われました。この種目は各団が2チームを構成し、それぞれが1戦ずつ戦って勝敗を決める種目で、全力で綱を引く出場者の真横に大応援団が陣取り、声援や熱意がダイレクトに感じられる最も盛り上がった種目となりました。力対力のシンプルな戦いにチーム全員で熱狂する日本人らしい種目で、惜しくも決勝進出を逃したクラスの生徒も含め、全員がとても楽しんでいたのが印象的でした。

 昼休みを挟んで、午後は部活動対抗リレーから始まりました。部活動加入率93%が示すとおり、本校はほぼすべての生徒が文武両道に情熱を注いでおり、生徒たちが部活動に掛ける想いには特別なものがあります。取り組んでいる競技や種目、趣味嗜好は違えども、それぞれがプライドをもって高みを目指しており、例え友達であろうとも勝負となれば常に真剣なのが本校生徒たちの特徴です。よって、多くの学校ではその名のとおりパフォーマンス披露が主体となる文化部においても、意地とプライドを賭けたバチバチの真剣勝負が繰り広げられました。まして、運動部部門では、どの部も打倒陸上部のためにギラギラとしており、各部の威信をかけた応援合戦も桁違いです。さながら埼玉スタジアムにでもいるのではないかと錯覚するような大迫力の雰囲気の中で女子は陸上部が、男子はサッカー部が頂点に立ちました。

 続いて行われた玉入れは、一転してほのぼのとした雰囲気の中で行われ、誰もが楽しめる種目となりました。約5mの高さに吊るされたカゴ目掛けて、上を向いた首が痛くなりながらも必死で玉を投げ上げていました。3団ずつ3レースを実施しましたが、全て1個差の決着となる白熱した戦いとなりました。

 クラスの団結力が最も試される大縄跳びでは、跳んだ回数がそのまま団の得点として加算される大サービスのレギュレーションとなっており、さすがに3年生が跳ぶスキル、縄を回すスキルに加え、心を一つにするスキルでも一日の長があり、上位は3年生が総なめの結果となりました。

 そして体育祭の締めを飾るのは1年生から3年生まですべての学年の生徒で構成する団対抗リレー。各クラスから選りすぐられた選手が各団のすべての生徒の想いを背負ってバトンを繋ぐリレーで、部活動対抗リレーとはまた違った盛り上がりを見せました。すべての生徒が一心に自団の勝利を願ってボルテージがMAXになる中、出場した走者たちは力の限りを尽くしたレースを展開してくれました。グラウンドではすべての生徒のパッションが最高潮に達し、大きな南の風が吹き荒れていました。

 閉会式では、結果発表と表彰を行い、団ごとに座った生徒たちが、競技の結果に一喜一憂しながら、今日1日を名残惜しそうに振り返っていました。勝者となった生徒も敗者となった生徒も、一様に全力を出し切ったという達成感や、仲間とともに一つになれた一体感、そして純粋にスポーツを楽しめたという充実感に満ち溢れていたように感じました。

 本日生徒の皆さんが見せてくれたとおり、皆さんには既に一体感をもって目標に向かう力は十分に備わっています。そうした力が「南の風」の正体であり、皆さんの誇りとすべき他校に負けない越南ISMなのだと言えます。これからもこうした素晴らしいスピリットに対して自信とプライドを持ち、何事に対しても、更なる高みへと向かって邁進続けてほしいと願います。

 本日は、平日にもかかわらず全校生徒の半分以上のご家庭から525名の保護者の皆さまにご来校いただきますとともに、生徒たちの奮闘に熱い声援をいただき、心より感謝申し上げます。おかげさまで、生徒たちは、最高のパフォーマンスを見せることができ、仲間たちとの一体感や全力を尽くした達成感を全身で感じることができました。また、同時に保護者の皆さまの生徒たちに対する愛情の深さを改めて感じることができる大変有意義な機会ともなりました。今後とも、変らぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!

いざ、関東へ(男子ハンドボール部壮行会)

 本日5月27日(火)本校体育館において全校生徒が見守る中で表彰式及び壮行会を実施しました。今回の表彰式と壮行会は、関東大会に出場する部活動を対象としており、過日行われた県大会で4位入賞を果たし2年ぶり3度目の関東大会出場権を獲得した男子ハンドボール部の部員たちが壇上に登壇しました。

 男子ハンドボール部は、昨年の関東大会予選のベスト8決めの試合で惜敗し、2年連続3度目の関東大会出場を逃す悔しい思いをしていましたが、その悔しさを糧に1年間鍛錬を重ね、本年度の大会ではベスト4入りを果たすとともに見事に1年越しのリベンジを達成していました。

 ハンドボールの関東大会は5月31日(土)に群馬県富岡市周辺にて1回戦が行われます。本校は富岡高校会場で9時30分開始予定の第1試合に臨みます。対戦相手は強豪ひしめく千葉県第2代表の二松学舎大学附属柏高等学校となっています。

 本日登壇した部員たちを代表して、部長から大会に臨む意気込みが力強く語られましたが、部員たちは総じてキリッとした瞳の奥に闘志を漲らせ、既に心は戦闘モードに突入しているようでした。

 今週は体育祭もありますが、ケガに対するケアやコンディショニング、戦術や戦略の確認などの最後の調整にしっかりと向き合って、ベストコンディションで大会に臨んでほしいと思います。

 当日は残念ながらアベック出場を逃した女子部員たちも現地に駆けつけて、コート上の選手を勇気付けるべく情熱を持って応援する予定です。そうした女子部員たちの想いも背負って「南の風」を吹き荒らし、大暴れしてきてほしいと願います。この1年間、悔しさと対峙しながら成長を積み重ねてきた皆さんなら、必ずや素晴らしいパフォーマンスを発揮できるはずです。皆さんの活躍を信じています。

 頑張れ、越南生!頑張れ、男子ハンドボール部!

「南の風」を感じ合った大切なひと時(各学年の遠足)

 昨日5月23日(金)、前日まで行われた今年度初めての定期考査を無事に終了して生徒の心が解放感に満たされる中、本校では春の恒例行事である遠足をすべての学年で一斉に実施しました。GW明けから真夏を思わせるように一気に気温が上がり、前日まで続いた蒸し暑い日々から一転、比較的過ごしやすい気候の中、1年生はクラスの親睦を深め、新たな人間関係を構築するために茨城県へのバス旅行で共同作業(カレー作り)、2年生は修学旅行を意識した班別行動による都内散策、3年生は過酷な受験に向かう前の思い出づくりとしてTDL(東京ディズニーランド)班別行動を実施しました。

 1年生は、朝から学校に集合してクラスごとにバスに乗り込み一路茨城県へ向かいました。入学して1か月半が経過し、新たな友達もできて、だいぶ高校生活に慣れるとともに初めての考査も経験し、高校生としての自覚が芽生えてきたところで経験する入学後初めてのお楽しみ行事で、共同作業を通じたクラスの親睦と人間関係の深化が最大の目的となっています。高速道路に乗るまでは朝の交通渋滞に巻き込まれながらも、そうした時間ですら楽しい思い出に変えてくれるクラス全員でのバス旅行。予定どおりに目的地である「こもれび森のイバライド」に到着しました。

 「こもれび森のイバライド」は茨城県稲敷市に所在する都市型農業公園で、1999年に江戸崎農業公園ポティロンの森として開業し、2016年に現在の名称としてリニューアルオープンした農業にフォーカスしたテーマパークで、BBQや飯盒炊爨などの昼食づくりに全天候型で対応してくれる高1遠足の定番施設です。

 生徒は6人から8人程度の班を作り、到着直後からカレー作りに挑戦しました。料理はおろか包丁を持ったことがない男子生徒も、ここぞとばかりに果敢にチャレンジしたり、女子生徒たちは傍若無人に振る舞う男子生徒を上手にリードしつつ手際よく調理する姿が見られ、どのグループもほのぼのとした雰囲気の中で、少しずつ互いの距離感を縮めていきました。出来上がりは、不揃いな野菜や水気量もバラバラで個性的なビジュアルなもののありましたが、みんなで一緒に作ったカレーライスの味はお店では味わえない特別なものとなりました。

 2年生は、12月に控える長崎県への修学旅行の予行を兼ね、羽田空港の出発ロビーに班ごとに集合したのち、あらかじめ計画した目的地を巡り、仲間との親睦を深めました。それぞれの班が訪問する目的地には「学び」を求め、楽しむことだけではなく、知識や経験として今後の自己実現の一助となる学習活動にも取り組みました。

 人気スポットは品川のアクアパークや浅草寺界隈、お台場や築地場外市場などで、横浜まで足を延ばしたグループも散見されました。中には日本科学未来館に赴き、最先端の科学に触れたグループもあり、どの班も楽しみながらもしっかりと「学び」を得られていたようでした。広範囲での散策となったため、時間的にはじっくりと腰を据えた楽しみ方はできませんでしたが、上野公園内での点呼にはすべての班が帰着し、無事に現地解散しました。

 3年生は、これからすべての行事が高校生活最後の経験となる中、苦しい受験が本格化する前の束の間の思い出づくりに、3学年恒例のTDLに行きました。家族や仲良しのメンバーで行くことはあっても、日常生活を共にするクラスメイトと一緒に過ごすTDLはまた違った楽しみがあります。舞浜駅に降り立った生徒たちは、入場ゲート前に陣取った先生方のもとに集合し、注意事項や日程を確認した後、チケットを手にあらかじめ計画したアトラクションに向かって一目散に消えていきました。平日とはいえ一年中激混みのTDLですが、特にこの時期は遠足の目的地とする学校が大挙して訪れるのが慣例で、県内の高校もSeaとLandに分かれて多数の高校が来場しており、中学校の同級生に遭遇する生徒も多く見受けられました。

 パーク内では班ごとにアトラクションを巡ったり食事をしたり、おそろいのカチューシャや被り物でプチ仮装したりと、特別なシチュエーションの中で思い思いの時間を過ごして、クラスメイトとの大切な思い出を育んでいました。

 夕方の点呼時には両手いっぱいにお土産を買いこみ、最高の笑顔で担任のもとに現れ、楽しい時間を過ごせたのだと実感できる1日となりました。中には解散後に夢の続きを見るべく再入場していく生徒たちも散見され、高校生たちにとっての夢の世界の魅力を改めて感じることとなりました。

 総じて言えることは、3学年とも数名の遅刻者はいましたが、すべての行程の中で「南の風」の一員として求められるモラルを十分に認識し、節度ある楽しみ方を体現していたことです。そして、ただ楽しむのだけでなく、仲間を感じ、仲間を想い、仲間との友情を確認し合える大切なひと時となったようです。

 どの学年の生徒たちも、昨日の1日を過ごし、また一歩大人への階段を登ったように感じました。引率した教職員も一様にそうした手ごたえを感じ、学校では味わえない生徒との大切な時間を過ごすことができました。

 週明け以降は、また現実の学校生活が始まります。遠足で得られた学びや人間関係の深化を大切にしつつも、しっかりとけじめをつけて次なる目標に向かってほしいと願います。来週末の5月29日(金)には体育祭が予定されています。こちらも1年を通じて最大級のイベントです。皆さんの「絆」の深さを思い切り表現してほしいと思います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!

本校受検を検討している皆さんへ(東部進学フェア出展)

 5月31日(土)、6月1日(日)に草加アコスホール(アコス南館7階)にて開催される埼玉県東部進学フェア高校説明会2025に本校ブースを出展いたします。

 本進学フェアは、特定非営利活動法人ゆめネット様が主催する県内で最も早く行われる進学相談会で、例年5月末から6月上旬の週末に個別相談対応型相談会として行われているものです。

 本年度は、県東南部を中心に県立高校26校、国立高校1校に加えて県内外の私立高校46校がブースを出展し、高校受験を控えた中学3年生とその保護者の皆さまからのご相談に対応するものです。

 本校は、例年「落ち着いた環境でしっかりと説明し、疑問や不安にはじっくりと丁寧に対応したい」との観点から、これまで夏にスーパーアリーナで行われる彩の国進学フェアを除いては、校内で開催する学校説明会に重点を置いて個別相談を行ってまいりました。こうしたプレーヤーズファーストの考え方に今後も変更はありませんが、これに加えて、多くの在校生の地元とも呼べる草加市内で行われる本イベントに、本年度から新たに参加させていただくことといたしました。 

 本進学フェアには、例年多くの来場者が詰め掛けるため、会場内は大変混雑することが予想されますが、本校への進学をお考えの皆さまには、可能な限り丁寧にご対応させていただく所存でございます。

 一方で、限られたスペース及び時間の中でのご対応となるため、すべてのニーズにお応えすることが難しい場面も想定されます。つきましては、夏季休業期間中に本校を会場にして実施いたします学校説明会への参加についても併せてご検討いただきますようお願いいたします。

 なお、東部進学フェアにおける当日の入場は完全予約制となっており、既に予約登録期間は終了しております。また、主催者によって時間ごとの入場規制が設定されており、ご入場いただく時間帯も指定されております。そうした時間的制約のある環境の中ではありますが、可能な限り多くの皆さまにご対応させていただきたいと考えておりますので、ご理解とご配慮を賜りますようお願い申し上げます。日程などの詳細につきましては、特定非営利活動法人ゆめネット様のホームページ(下記参照)をご参照ください。

 また、本校にて開催いたします学校説明会の詳細につきましては、本校ホームページの「中学生の皆さんへ」をご参照いただきますようお願い申し上げます。

 未来の越南生の皆さんにお会いできることを楽しみにしております。

 

特定非営利活動法人ゆめネット様ホームページ

 https://www.yume-net.biz/

本校ホームページ

 https://koshigayaminami-h.spec.ed.jp/

関東大会出場を目指して(男女テニス部関東大会予選)

 5月17日(土)と18日(日)の2日間、川越総合運動公園テニスコートにて、令和7年度関東高等学校テニス大会埼玉県予選会の男女団体戦が行われ、本校男女テニス部が出場しました。

 この大会には男子72校、女子64校が出場し、男女ともシングルス2人、ダブルス1組が各校代表として出場する3ポイント対抗トーナメント形式で、全試合1タイブレークセットマッチで行われ、男女とも上位4校に関東大会への出場権が与えられるレギュレーションとなっています。

 男子の1回戦は北部地区の熊谷西高校と対戦し、3-0で幸先よく初戦を飾ることができました。2回戦では私立の強豪埼玉栄高校と対戦し、こちらも2-0で勝利してベスト16進出を決めました。

 続く3回戦はベスト8進出を賭けて第5シードの昌平高校との対戦となりました。1回戦からどの試合も負けることなく勝ち上がって波に乗る本校は、ここでも相手を寄せ付けず2-0の完勝を収め、無傷のまま県ベスト8進出を決めて、目標としていた関東大会出場権を賭けて第4シードの強豪川越東高校と対戦することとなりました。

 シード校の昌平高校を撃破して勢いに乗る本校でしたが、流石にトップ4シードとの対戦では思うようにプレーさせてもらうことができず、第1試合で今大会初めての黒星を喫すると、続く第2試合も力負けし、ポイント0-2で押し切られて、目標としていたベスト4進出と関東大会への出場権をあと一歩のところで逃す悔しい結果となりました。

 一方女子は、1回戦で同じ東部地区の越谷北高校との対戦となりました。越谷北高校には、この春まで本校テニス部を率いていた教諭が異動したため因縁の対決となりましたが、本校選手たちは、逞しく成長した姿を見せつけ2-0で勝利しました。続く2回戦では開智中高一貫校との対戦となり、1回戦を勝利して波に乗る本校が2-1の僅差の試合を制してベスト16進出を決めました。

 男子とともにアベックでベスト8進出を狙う本校は、3回戦で第7シードの叡明高校との対戦となりました。同じ越谷レイクタウンという地に建ち、様々な意味でライバル関係にある叡明高校との試合は、第1試合から両者譲らぬ白熱した展開となる中、これまでの実績で上回る叡明高校の前にあと一歩及ばず1-2で敗れ、ベスト8進出は叶いませんでした。

 今大会の最終結果は、男子がベスト8、女子がベスト16で、目標としていた関東大会出場にわずかに届かぬ悔しい結果となりました。そうした中でも、男女とも出場した選手も応援に回った部員たちも心を一つにして全力で闘い、大きな「南の風」を吹かしてくれました。ただ一歩目標に及ばなかったことは真摯に受け止め、これまでの努力の積み重ねを振り返るとともに、更なる高みを目指してほしいと願います。毎日、早朝からの朝練に励み、地道に技能の向上に取り組んでいる皆さんなら、次こそきっと目標に到達することができると信じています。

 また、男子はベスト8に進出したことでインターハイ予選のシード権を獲得することができましたが、女子は残念ながら今大会をもって3年生が引退することとなってしまいました。3年生女子部員の皆さんはこれまで2年間お疲れさまでした。今後は進路という自己実現に気持ちを切り替えて頑張ってほしいと願います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、テニス部!

全力を尽くした4日間(陸上部関東大会県予選)

 5月12日(月)から5月15日(金)までの4日間にわたり、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場において令和7年度学校総合体育大会埼玉県大会が開催され、4月中旬にしらこばと運動公園陸上競技場にて行われた東部地区予選を勝ち抜いた本校陸上部の部員たちが出場しました。

 この大会は、6月13日(金)から6月16日(月)にかけて栃木県のカンセキスタジアムで行われる関東高等学校陸上競技大会の県予選となっており、各種目の上位6名(種目によって差異あり)に関東大会への出場権が与えられるものです。

 また、陸上競技の場合、関東大会は同じ日程・会場で北関東大会(埼玉、群馬、栃木、茨城)と南関東大会(東京、神奈川、千葉、山梨)に分かれて開催され、それぞれの上位入賞者に夏のインターハイへの出場権が与えられるレギュレーションとなっており、関東大会とは別にインターハイ予選が行われる他の競技とは異なる大会形式となっています。

 本校からは、シード選手及び東部地区予選を勝ち抜いた10人(12種目)と女子4×100mリレー、女子4×400mリレーに出場しました。

 大会初日には、女子1500m予選(4組)が行われ、予選第2組に若林さん(3年)が出場しましたが、実力を発揮することができず決勝にコマを進めることはできませんでした。午後に行われた女子4×100mリレー予選でも東部地区予選の記録を上回ることができず、準決勝進出を逃すこととなりました。男子棒高跳びに出場する予定であった山木君(3年)と田口君(2年)は、ともに怪我等のため出場を見合わせました。

 大会2日目には昨年秋の関東大会に出場した長尾君(3年)が男子800m予選に出場し、タイム的にはベストに及ばないものの順当に準決勝への進出を決めました。女子800m予選に出場した若林さん(3年)と前島さん(2年)、女子3000m予選に出場した前島さん(2年)は、それぞれハイペースのレースについて行くことができず予選敗退となりました。

 大会3日目には前日の予選を通過した長尾君が男子800m準決勝(3組、2着+2名)第3組に登場しました。直前に行われた第2組の上位4名が1分54秒台という超ハイペースであったため、長尾君は上位2着または1分54秒88を上回る記録が必要となる中、東部地区予選を上回る記録を叩き出しましたが、着順3位の1分56秒台となり、惜しくも決勝進出を逃す結果となりました。男子走り高跳び決勝に出場した原君(2年)は1m75cmをクリアできず4本目の試技に進むことができませんでした。女子走り幅跳び決勝に出場した渡辺心音さん(3年)、渡辺優さん(2年)、久保内さん(2年)は奮闘したものの4本目に進むことができませんでした。

 大会最終日には、男子三段跳びに金森君(2年)が出場しましたが、13m13cmの記録に終わり4本目に進むことができませんでした。タイムレースで行われた女子4×400mリレー予選では、東部地区大会の記録を上回ることができずに残念ながら決勝に進むことができませんでした。

 4日間を闘い抜いた本校陸上部員たちは、ベストを尽くしたものの残念ながら北関東大会への出場権を獲得することができませんでした。しかし、これまで積み重ねてきた日々の努力が皆さんを人間的にもアスリートとしても成長させてくれたことは疑いがありません。胸に「南風」の文字が刻まれたオレンジ色のTシャツを纏いながら、日々地道なトレーニングに打ち込む姿を多くの先生方や生徒たちが見てきました。陸上競技という競技の特性上、記録の更新や着順争いのみがクローズアップされますが、アスリートとして何より大切なのは、真摯に自分と向き合って向上を目指し続けることや仲間との切磋琢磨の中で挑戦し続ける人間性を磨くことであり、そうした意味では、充分に「南風」を体現してくれたと言えるでしょう。

 また、昨年度インターハイ5位入賞を果たした木戸君は、全国の舞台で大幅に記録を伸ばして栄光に輝きました。日々真剣に取り組んでいるとはいえ、スポーツの世界では技術や実力以上にメンタルの充実度が結果を大きく左右するものです。まして、高校生であれば、天候やその場の雰囲気、コンディション、バイオリズムなどにより大きく結果が変わる難しさもあります。そうしたことを含めて、今回の結果を精査して、次なる目標に向かってほしいと願います。皆さんなら、まだまだ高みを目指すことができると信じています。

 大会期間中は、平日開催そして遠方会場にもかかわらず、多くの保護者の皆さまにご声援を賜り、心より感謝申し上げます。選手たちにとっては納得の成果に繋げられなかった生徒もおりますが、次の舞台では必ずや悔しさを晴らす活躍を見せてくれるものと信じています。今後とも、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、陸上部!

生徒の活動を支える皆さまの存在(PTA・後援会総会)

 昨日5月10日(土)本校生徒ホール(食堂)にて、令和7年度PTA後援会総会が開催されました。

 お忙しい中、また朝から小雨の降る足元の悪い中、役員の皆さまをはじめ、多くの保護者の皆さまにご出席を賜り、心より感謝申し上げます。

 PTA後援会総会は、本校生徒の学びの質や環境の向上と保護者の皆さまの研修・親睦・情報共有・教育活動への参画などを目的として、全校生徒の保護者及び本校教職員から成るPTAと本校卒業生の保護者を中心とした後援会の皆さまが、前年度の取組を振り返るとともに、当年度の取組について協議し、会員となるすべての皆さまの総意によって本年度の活動について意思決定するものです。

 総会に先立って行われた本部会では、新旧の役員の皆さまによって総会の進行に係る役割分担と一つひとつの議事について入念な確認が行われ、午後2時から行われた総会に万全の準備で臨みました。

 総会は多くの保護者の皆さまが出席しやすい土曜日に設定されましたが、一言にすべての在校生徒の保護者と言っても、お仕事やご家庭の都合などにより出席が叶わない方も多く、そうした方々には、議事を総会の決定に委ねる委任状をご提出いただき、会員総数1,132名に対して参加者と委任状提出者の総数1,072名となり、会則で定める全体の3分の2の参加が認められ、無事に総会を開催することができました。

 本部会では、提案事項に対して多くの質問が出され、総会にご出席いただく皆さま対して、より適切で分かりやすい内容となるよう調整が行われました。そうした参加者目線に立った事前の準備により、総会ではすべての議案が円滑に審議され、本部や事務局の提案のとおり承認・可決されましたことをご報告いたします。

 ご都合により総会へのご出席が叶わなかった皆さまにおかれましては、学校ホームページの保護者ルームに掲載した議案書をご参照いただき、すべての議事が提案のとおり可決・承認されましたので、ご確認いただきたく存じます。また、議案書につきましては、このあと生徒を通じてすべてのご家庭に配布いたしますので、併せてご承知おきいただけますようお願いいたします。

 近年学校のPTA活動については、全国組織の役員による不祥事や役員の負担の大きさなどから全国・地域・県の組織からの脱退やPTA非加入者の増加など、各学校現場ではPTA組織の在り方について大きな転換点を迎えています。一方で、小中学校などの義務教育諸学校が加盟する日P連と高等学校が加盟する高P連では、母体となる組織が異なるだけでなく、各校におけるPTAの在り方や役員の皆さまの活動内容なども大きく異なるとともに、PTAと並行して組織される後援会を含めた財政的支援は、在籍生徒への充実した学びの環境を提供する上で、欠かせない組織であることも事実であります。

 本校においても、多くの生徒が青春を賭して謳歌する部活動への支援や教育環境の整備などのうち、公費で賄いきれない部分を強力にご支援いただいており、本校生徒たちが、日々充実した学びに向かえるのも、PTA後援会の皆さまの存在のおかげであり、心より感謝を申し上げる次第でございます。

 学校といたしましては、保護者の皆さまの諸活動に対する負担を可能な限り削減するとともに、保護者の皆さま同士のつながりや教職員との情報交換、そして大切なお子様の学校生活を身近に感じていただく場として、無理のない範囲で上手にご活用いただければと考えております。

 今後とも、生徒の学びの環境の充実と自己実現のために、格別のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

雨中の激闘に散る(サッカー部インターハイ地区代表決定戦)

 本日5月6日(火)三郷市のセナリオハウスフィールドにて全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)埼玉県東部支部代表決定戦が開催され、本校サッカー部が出場しました。

 この大会はインターハ予選の県大会に出場する支部代表を決定する大会で、東部支部からは5チームが県大会の切符を手にするレギュレーションとなっています。

 本日は1月に行われた東部支部新人戦3位決定戦で同じく雨の中死闘を演じ3位を分け合った宿敵三郷北高校との再戦となりました。

 三郷北高校は、地元三郷市近辺を拠点とする複数の強豪クラブチームとの連携が深く、過去には県3位入賞という輝かしい実績を持つチームで、毎年ポテンシャルの高い選手が多数在籍する東部地区有数のテクニカルなチームです。

 本日は、天気予報どおり朝から冷たい雨が降り、底冷えするようなあいにくの気候となりましたが、本日の会場は、地盤の固さが気になるものの奇麗な人工芝が敷き詰められたピッチで、雨によるスリッピーな点を除けば全く問題なくプレーできる環境でした。近年は、こうして人工芝ピッチが普及し、多くの公式戦が芝のピッチで戦えるようになり、Jリーグ百年構想のとおり、技術の進歩とサッカーの普及を強く感じられる時代となりました。

 試合は予定どおり午前10時ちょうどに本校のキックオフで始まりました。実際に試合が始まってみると、相手選手たちの技術スキルはかなり高く、ワンタッチのコントロールや次のプレーを意識したボディーアングル、ボールインパクトの強さなどに加え、ボディーサイズも一回り大きくフィジカルな面でも相手が数段上回っており、専門的な目線で客観的に見れば大きな差を感じざるを得ない状況でした。

 対して本校は、フィジカルやボールコントロールでは及ばないものの、高い集中力と献身的なチームカラー、泥臭く闘う粘り強さやチームの一体感では相手を大きく上回っており、こうしたスポーツに最も重要な本質の部分ではどのチームにも負けない素晴らしいスキルを持っているのが本校最大の強みとなっています。大きく点が動くスポーツではないサッカーにおいては、柔道の「柔よく剛を制す」のとおり、往々にして技術の差を凌駕してメンタルの充実したチームが勝利を手にすることがあることも事実です。

 試合は、開始直後からボールを支配されて劣勢が続く中、前半5分にはボールを繋がれ左45度から強烈なミドルシュートを浴びましたが、ボールはゴール右ポストをかすめて事なきを得ます。

 本校も徐々に相手のスピードやタッチに慣れてきてボールを跳ね返すことができ始め、前半9分には右サイドでワンツーから抜け出しクロスを入れるビッグチャンスを作ります。直後の10分にはバイタルエリア中央でボールを拾った本校選手が右足を一閃、目の覚めるようなミドルを放ちますが相手GKのスーパーセーブでゴールネットを揺らすことができません。

 これを機に徐々に本校がリズムを握り、前半15分には再びビッグチャンスが訪れます。左サイドでボールを受けた本校ストライカーが中央に走り込んだゲームメーカーに見事なパスを通し、ゴール正面から強烈なシュートを放つも枠を捉えきれません。

 前半20分には左スローインから2本の横パスを繋いで角度のないところからループシュートを放つも僅かにクロスバーを越えてしまいました。

 とどめは右ミドルゾーンで得たフリーキックを右サイドに展開し、奇麗な弧を描くクロスボールにストライカーがヘディングで飛び込むも、無情にもボールはクロスバーの上を超えてしまいました。約20分にわたり本校が怒涛の波状攻撃を仕掛け、完全にゲームを掌握しながら幾度となくビッグチャンスを迎えましたが、あと一歩のところで得点に結びつけられない展開が続きます。

 すると前半残り10分を切ったところで試合の流れが変わります。相手は縦へのフィードパスを受けた選手が前を向き、本校センターバックとサイドバックの間に走り込むトップの選手に絶妙なスルーパスを送ります。本校GKが果敢に飛び出しセーブするも、そこに飛び込んできた相手選手と交錯し顔面を強打します。倒れ込んだGKに会場内は騒然としましたが、本校GKは気力で立ち上がり、プレーを続けます。

 続く35分にはミドルゾーンで本校が与えた左フリーキックがクロス気味にゴール前にボールが入りピンチを迎えますが、本校GKが勇気を持ったパンチングで凌ぎます。更に前半アディショナルタイム(40+1)には右サイドを突破されてゴール前に入れられたセンタリングを本校GKがはじいたところを詰められて強烈なシュートを打たれますが、本校守備陣が体を張ってCK(コーナーキック)に逃れます。

 立て続けにピンチを迎えたタイミングで与えたセットプレー、そしてアディショナルタイムも僅か。前半ラストプレーになるであろうCKに胸騒ぎがしましたが、案の定左CKがGKの頭上を越えてフォーポストまで深く入り、ポスト際に飛び込んだ相手選手にヘディングで押し込まれ、痛恨の先制点を許してしまいました。前半の多くの時間をゲームプランどおり優位に進めていた本校にとって、まさに一瞬の悪夢で、悔やまれる失点となりました。その後キックオフとともに前半が終了し、なんとももったいない展開となりました。

 ベンチに引き上げてきた選手たちは一様に悔しさを見せていましたが、全く心は折れていませんでした。むしろ追いかける立場となったことで、前半以上にアドレナリンが出ているようで、監督からの分析と指示を冷静にインプットしたのち、気合十分でピッチに飛び出していきました。

 後半開始とともに前線を1人替えた本校は、開始直後から相手に襲い掛かります。前線や中盤の選手が激しいプレスをかけボールを奪いますが、相手のプレッシャーも厳しくスペースへの展開には至りません。そうした中、後半10分に左CKを得ますがゴール正面で合わせたヘディングは枠の外へはずれます。

 相手は後半17分、本校ゴール前でディフェンダーがクリアをもたついている間に2人でプレスをかけ、こぼれ球から強烈なシュートを打たれます。誰もが完全にやられたと思いましたが、幸運にもボールはクロスバーを越えて事なきを得ました。

 対する本校は後半18分にスローインからショートパスを2本繋いで中央からシュートを放ちますが相手ディフェンダーに当たってしまいます。

 残り15分を切ったところで本校はフレッシュなメンバーを2人投入し、ゲームの活性化を図ります。直後には更に2人のメンバーを交代し、スペースを狙った戦術を徹底します。しかし、残り時間を意識して逃げ切りを意識し始めた相手はシンプルなプレーに徹し、リスクを冒しません。後半38分にはメンバーチェンジで時間を稼ぎ、時計を進めます。

 本校は、前線へのフィードを狙いますが、相手も縦への展開を警戒したポジショニングで跳ね返し、ボールが運べません。ついにアディショナルタイムを迎え、運営本部から2分がコールされました。

 本校選手たちは、一矢を報いるべく最後までバイタルエリアにボールを送ろうと試みますが、最後まで相手の牙城を崩し切れず、0-1で無念のホイッスルを聴くこととなりました。

 新人戦に続いて雨の中死闘を演じた両チームのイレブンたち。残念ながら今回は相手に押し切られる形での敗戦となりましたが、テクニックやボディーサイズでは劣るものの、集中力や組織力、闘志や献身性などの点でははるかに本校選手の方が勝っていました。だからこそ拮抗した試合展開に持ち込めたのであり、スポーツの本質として最も大切な部分をしっかりと体現してくれました。特に今大会では新人戦の頃に比べ、空中戦での勝率や全体のスプリント数、セカンドボールの回収率などは格段に良くなっていました。走力に加え、ボールを見る力、展開を読む力がついてきた証であると感じました。

 残念ながら、本校のインターハイは終わりを告げましたが、9月には高校生最大の大会である選手権大会があります。また、それまでの期間には1部昇格を目指すリーグ戦もあります。部員たちには、今大会で得られた課題や反省に目を向けつつも、気持ちを切り替えて更なる高みを目指してほしいと願います。

 また、夏に向けてチームは一旦リセットされることになります。今回ピッチに立つことができなかった選手たちも、ベンチや応援に甘んじることなく、公式戦のピッチに立つことを目指して切磋琢磨してほしいと願います。そうしたし烈なポジション争いがチームの成長を加速していくのです。選手権ではチーム全員でリベンジを果たして必ずや2次予選の切符を手にしましょう。

 本日は、雨の中、しかも連休最終日にもかかわらず大勢の保護者の皆さまにご来場いただきますとともに、ピッチサイドから熱いご声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら勝利を手にすることはできませんでしたが、ご覧いただきましたとおり、選手たちは全力を出し切って戦うことができました。今後は、個々人のスキルアップと更なるチーム戦術の熟成を目指して鍛錬を積んでくれることだと思います。そして、9月には皆さまとともに喜びを分かち合える日が来ることを楽しみにしたいと思います。今後とも、変らぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!

進化した越南サウンド(吹奏楽部定期演奏会)

 本日5月5日(月)越谷サンシティホールにて本校吹奏楽部による第39回定期演奏会が開催されました。

 この定期演奏会は、部員たちのご家族の皆さまや様々な形で本校をご支援いただいている皆さまに対して感謝の意を込めて日頃の鍛錬の成果を披露する演奏会で、ご来場いただく皆さまに存分に楽しんでいただけるよう、12月に開催したウィンターコンサート以降、大会の合間を縫って実行委員長を中心に企画の熟考を重ねてきたものです。

 また、越南サウンドに憧れて新たに入部した37名の1年生を加え、3学年総勢118名が揃って開催する初めての演奏会で、夏の吹奏楽コンクールに向けてのスタートとなる大切な節目でもあります。

 更に、今年度からの新たな取組として、地域の子どもたちに気軽に音楽に触れて楽しんでいただくために、通常の定期演奏会とは別に、これまでリハーサルに当てていた午前中の時間を活用して未就学児や小学生でも聴いて踊って楽しめる音楽を中心としたファミリーコンサートを併催しました。多くのお子様連れの方々にご来場いただき、賑やかにお楽しみいただくとともに、部員たちもチビッコたちからたくさんの笑顔とエネルギーを受けて、改めて音楽の楽しさを実感したようでした。

 午後から開催された定期演奏会では、1,600名の座席数を誇る同ホールがご家族の皆さまやご支援いただいている関係の方々、本校生徒を含む多くの中高生たちにご来場いただいたおかげで2階席まで満席となり、これ以上ない最高の舞台が整いました。

 今回の演奏会は3部構成となっており、第1部が2,3年生全員による本年度のコンクール課題曲を含むクラシックステージ、第2部は同様に本年度コンクール課題曲を含むクラシックに1年生のデビューステージやゲーム音楽を混じえたリズミカルで楽しめるステージ、そして第3部が会場を一つにして盛り上がるポップスステージとなっています。

 定刻の午後2時30分にトランペットとトロンボーンのファンファーレとともに第1部のクラシックステージが開演し、最初の楽曲「アルセナール」が演奏されました。僅か3分という短い楽曲ですが、会場の雰囲気を一変させ、聴く者の耳を一気にひきつけるプロローグでした。 

 続く2曲目では、本年度夏のコンクールの課題曲の一つ「祝い酒と踊り唄による幻想曲」で、本年度着任した副顧問が指揮を振り、祭りの賑やかさを想像させる「和」テイストの楽曲を披露しました。

 3曲目は誰もが知る交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」を別の副顧問の指揮により演奏しました。映画で良く耳にするサウンドだけでなく、組曲として幽艷なサウンドから壮大な空間を思わせるスケールの大きい楽曲で、様々な楽器が力強くハーモニーを奏でる没入感の強い演奏となりました。

 第1部最後の楽曲は再び主顧問がタクトを振り、J.バーンズ作曲の「交響曲第3番より第三章、第四章」を演奏しました。この曲は、4部構成となっており、その内の後半2章16分間のロングステージで、鉄琴を弦でひいたり複数のソロパートが見られたり、かと思えば力強く迫力満点の場面があったりと変化の激しい聴きどころ満載の楽曲となりました。

 15分間の休憩を挟んで始まった第2部は、ニューフェイスの1年生37名がオレンジ色の揃いのTシャツを着てステージに上りました。司会の2年生がインタビューをすると緊張感MAXで上手く言葉が出てこないシーンもあり、初々しさを感じました。1年生のデビューステージに用意された楽曲は、越南吹部最初の登竜門「100%勇気」です。ステージに立った1年生の中には、高校生になって初めて楽器を持った部員も複数いましたが、僅か1ヶ月の間の猛特訓の成果が実を結び、素人がいるとは全く感じられない4分間の立派なステージとなりました。

 2曲目は本年度のコンクール課題曲Ⅲ、マーチ「メモリーズ・リフレイン」で、行進曲の名のとおり、リズミカルで明るいサウンドから始まり、トランペットやトロンボーンが際立つ場面もあるなど、軽快で聴き心地の良い演奏となりました。

 3曲目は、子どもから大人まで誰もが知っているゲームのテーマ曲、ドラゴンクエストⅢの組曲で、おなじみのサウンドから始まり、リズムや雰囲気の異なる7つの曲を組み合わせた25分間の超大作となりました。曲が進むにつれて荘厳さや疾走感が高まり、最後は広大な大地を旅しているかのような壮大な空間を思い浮かべる重みと深みのあるサウンドで、最初に感じたゲーム音楽の楽しさから自然と奥深い世界観に引き込まれてしまいました。

 再び15分間の休憩を挟んで、いよいよお楽しみの第3部ポップスステージの始まりです。今年のポップスステージは、これまで以上に様々な工夫と見どころが散りばめられていました。生徒指揮者がタクトを振り、気が付くと主顧問が生徒に混じって最後列に陣取りトランペットパートに加わって演奏していました。驚きとともに始まったステージのテーマは越南吹部伝統のキャラクターであるシンフォニー戦隊ビートファイターの誕生秘話で、AI技術の進化が加速して音楽が存在しない1,000年後の未来から偶然2025年の現代にタイムスリップしてやってきた4人の幼馴染が、音楽によって幸せになることを嫌う女王様とその一味によって大切な音楽を消されそうになる越南吹部のピンチに出くわし、女王様一味を倒すために正義の味方シンフォニー戦隊ビートファイターとなって闘うというストーリーで、キャストたちの言動とともに様々な音楽が演奏されたり、音楽に乗ってキャストが踊ったりと、さながらミュージカルを見ているかのように錯覚してしまいそうでした。

 登場するキャストたちもそれぞれ個性的で、アイドルソングとともに登場した3人組は、まるでアイドルコンサートのようにフリフリ衣装を纏ってキュートな笑顔と踊りで会場を盛り上げました。中でも「音消し」の術で越南吹部の活動を邪魔する女王様と子分の演技と掛け合いは秀逸で、悪役になりきってピンチを演出し、その大ピンチからビートファイターが誕生して越南吹部と音楽を救うというハッピーエンドのストーリーも、よく考えられた作品だと本当に感心しました。

 エンディングでは、118人の部員を代表して部長の挨拶があり、ご家族やご支援をいただく関係の皆さまに対する感謝の意と自分たちが目指す「最高の音楽」に対する熱い思いを語りました。

 その後、部員全員が自分の体の一部である楽器を置いて美しい声によりハーモニーを奏でる大合唱、そしてラストは十八番の「宝島」でステージと会場が一体となって盛り上がったところでフィナーレを迎えました。

 今の御時世、限られた活動時間の中で、演奏の練習だけでも精一杯のはずなのに、毎日のインスタ配信に加えて、こうした台本や演出を企画し、小道具や衣装を準備したり、ましてたくさんの踊りを覚えて合わせたりと、いつやっているのだろうかと考えてしまうほど大変だったに違いありません。時には、上手くいかなくてストレスを抱えたこともあるはずです。

 しかし、吹奏楽部の皆さんは、素晴らしいホスピタリティを発揮し、いつも最終的にそうした壁を乗り越えて最高の音楽とともに最高のステージにしてしまうのだから、その順応性と情熱は本当に素晴らしいものだと感じます。

 そんな吹奏楽部のみなさんだからこそ、幾多の困難を乗り越えて吹奏楽強豪校として君臨し、「全国」というワードに本気で口にし、そしてチャレンジできるのだと思います。

 これから夏のコンクールに向けて吹奏楽部の皆さんにとって1年間の集大成となる大切な時期を迎えます。普段から音楽に没頭し音楽に青春を捧げている皆さんなら、少し先に見え隠れする「全国」の舞台に今年こそ立てるはずだと信じています。焦らず地道に、そして着実に前進し、真夏のステージに向かってほしいと願います。皆さんなら必ずできると信じています。

 本日は、たくさんの保護者の皆さま、ご家族の皆さま、そしてご支援をいただいいている関係各所の皆さまにご来場を賜り、心より感謝申し上げます。部員たちは、皆さまの温かなご支援のお陰で大好きな音楽に没頭し、夢の実現に向かうことができています。今年の夏は、必ずや皆さまとともに夢を実現する部員たちの姿が見られることを楽しみにしたいと思います。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!

チームの成長に裏付けられた勝利(サッカー部インターハイ地区予選)

 本日5月4日(日)宮代高校にて全国高等学校総合体育大会埼玉県東部支部予選の2回戦が開催され、本校サッカー部が出場しました。

 この大会は、7月26日(土)から1週間にわたり福島県のJヴィレッジほかで行われる全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)の埼玉県代表を決める大会の支部予選で、東部地区からは5チームが県大会の切符を手にし、県大会を制したチームにインターハイの出場権が与えられるレギュレーションとなっています。

 本校は1月に行われた東部支部の新人戦で見事3位となりましたが、抽選により、その試合で死闘を演じ、同点引き分けで両校3位となった三郷北高校と同じブロックとなりました。

 本日の対戦相手は蓮田松韻高校との1回戦を7-0の大差で勝ち上がってきた宮代高校で、相手はプレーし慣れた自校で戦えるアドバンテージがある中、相手校のホームに乗り込んでの戦いとなりました。宮代高校は東部地区北部の田畑の多い地域に立地していますが、駅からわずか徒歩8分のアクセスの良さから代々部活動が盛んな学校で、毎年ポテンシャルの高い選手が数人在籍する侮れないチームです。

 試合は予定どおり午前10時ちょうどに相手のキックオフで始まりました。開始早々から、相手はトップギアでボールに対して直線的なアプローチを仕掛け、ファーストコントロールでボールを落ち着かせられない本校選手との間で球際の激しい攻防が繰り広げられました。また、相手はポゼッションするよりワンタッチで縦に大きく蹴りだし、キック&ラッシュの戦術を優先するため、繋ごうとする本校の僅かなミスも容赦なく蹴り出され、なかなか敵陣深く攻め込むことができない状況が続きました。

 試合前に監督から中央突破で直線的にゴールに向かうのではなく、相手をいなしてサイドを有効に使うよう指示が出ていた中、前半14分にビッグチャンスが訪れます。ミドルゾーン中央から左サイドに展開した本校は、1年生アタッカーが縦に仕掛け、早めのタイミングでクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだエースストライカーがドンピシャでヘディングを合わせ、待望の先制点を奪いました。

 このストライカーは、決してテクニックに秀でたプレーが多いわけではありませんが、攻守にわたりスプリントを繰り返す献身的な姿勢と身体を張った泥臭いプレー、そしてチームを鼓舞する強烈なキャプテンシーが身上で、どんな試合でも計算以上の活躍が期待できる堅実性が持ち味であり、かつての日本代表岡崎慎司選手を彷彿させるチームで最も頼れる唯一無二のストライカーです。

 このゴールで一気に「南の風」を掴んだ本校は、縦に急ぐ相手に苦しみながらも手を緩めることなく敵陣に攻め込み、前半20分に再びビッグチャンスを迎えます。ミドルゾーン右からゴール前に放り込んだ縦パスをペナルティエリア中央で相手ディフェンダーとヘディングで競り合うと、こぼれたセカンドボールの落下点に待っていたのは、またしても本校エースストライカー。これを再びヘディングでゴールに叩き込み、追加点を奪取しました。

 ここから更に本校が攻勢を仕掛け、敵陣内でプレーする時間が長くなりました。両軍とも球際の攻防は激しいものの、縦に急ぎすぎるゲーム展開から大味なサッカーになる中、本校は少しずつスペースを意識したサイドアタックが見られ始め、迎えた前半35分にはアタッキングサードに入れた縦パスからボールを繋いで右サイドに展開し、ドリブルでゴールライン際まで深くえぐる理想的な攻撃から、最後はマイナス気味のセンタリングにヘディングで飛び込んだのは三度頼れるストライカー。ゴール正面から豪快にヘディングでたたき込み、前半だけでハットトリックを達成する快挙を成し遂げました。

 一発逆転のないサッカーでは、俗に3点差がセイフティリードと言われますが、3点のビハインドでも全く落ち込む様子もなく変らず全力でプレーする相手は、高校生らしく素晴らしいチームだと感じていましたが、続く前半39分には次なるチャンスが訪れます。ペナルティエリア内に放り込まれたボールをクリアしようと敵味方が混戦となる中、こぼれたボールを拾って右足を一閃したのは本校のトップ下に君臨するボールコントロールに秀でたゲームメーカー。振り抜いた足から放たれたシュートはゴール右に吸い込まれ、豪快にネットを揺らしました。直後に前半終了のホイッスルが吹かれ、4-0のリードを奪って折り返しを迎えることとなりました。

 ハーフタイムには、監督やコーチから称賛される場面もありましたが、高みを目指す本校は、点を重ねながらもビルドアップの点で克服できていない課題の指摘を受け、気を引き締め直して後半のピッチに飛び出していきました。

 試合開始直後から容赦なく太陽が照り付け、気温が上がる中、選手の消耗状況を勘案して、後半は飲水タイムが設けられることとなり、真夏の大会に向けたトーナメントにふさわしく消耗戦になる予感がしました。

 点差は4点ながら、相手守備網を崩し切って奪った得点は3点目の1点だけであったことに加え、相手は点差を気にせず愚直にプレーする好チーム。しかも攻撃陣のポテンシャルは決して低くなく、一瞬でも気を抜けば突破を許してしまうであろうリスクは試合開始直後と変わらない状況で後半がスタートしました。

 後半開始直後の50分、自陣左サイドでファールを受けた本校サイドバックが、クイックスタートでGK(ゴールキーパー)に横パスし、GKがコントロールをもたつく間に相手2人の攻撃陣に囲まれてゴール左30m付近でボールを失うと、こぼれ球を無人のゴールに向かってシュートされ、ボールは一直線に本校のゴールに。誰もが「やられた」と思ったその瞬間、僅かにゴールポスト右側にボールが反れ、幸運にも絶体絶命の大ピンチを切り抜けることができました。ここから一気に勢い付き攻勢を強める相手に対して、本校は受け身に回ったプレーが目立ち、相手に押し込まれる時間が長くなりました。

 更なる追加点を奪って試合を決定づけたい本校は、後半開始10分が経ったところで膠着状態を打破するための2枚替えに踏み切りました。

 フレッシュな2人を加えた本校は、前半の課題であったワンタッチの展開とサイドのスペースの活用を意識しますが、球際に厳しい相手のプレッシャーを上手くいなせない中、時間ばかりが過ぎ、アップダウンの激しい展開に徐々に消耗が激しくなってきました。

 後半も半分以上が過ぎたころ、本校は大活躍だったエースストライカーなど先発の2人に代えて更にフレッシュな2人を投入し、運動量を確保した局面の打開を図りますが、少しずつサイドアタックを意識した展開が増えるものの、ファーストコントロールが落ち着かずにボールを失う場面が連続し、効果的な攻撃に転じることができません。

 残り5分余りとなったところで、勝利を確信した本校は、チームの心臓ともいえるゲームメーカーをお役御免とし、更にフレッシュなメンバーを追加して、攻撃のギアを上げようと試みました。しかし単発のチャンスは作るものの、相手チームも全く集中力を切らさず、後半だけ見れば、どちらが勝っているチームかわからないような時間が過ぎていきました。

 後半途中でハイボールの競り合いの場面で相手選手が痛み、ゲームが止まったことから5分間のアディショナルタイム(追加時間)が設定されました。暑さに両軍とも激しい消耗の中、集中を切らさずに戦い続け、相互に何度かチャンスを迎えたものの、ゴールに結びつけることができずにタイムアップのホイッスルを聴きました。

 終わってみれば4-0の完勝ともいうべき結果ですが、後半は押し込まれる時間が長く、選手たちは勝った気がしない幕切れとなりました。それでも本校選手たちは、相手以上に集中力を高く保ち、苦しい展開が続く時間もチーム全体でボールにアプローチして無失点に抑えて勝利に繋げたことは高く評価できる収穫であったと思います。

 また、新戦力として1年生3人がスターティングメンバーに名を連ねたことや、エースストライカーが確実にチャンスを得点に繋げたこと、10番を背負うゲームメーカーは、ヘディングの際のジャンプのタイミングを掴んだようで、小柄ながらも高い打点で競り勝つ場面が多く見られたこと、ベンチ外となった部員たちの一体感のある素晴らしい応援など、少しずつ自信とともに成長が感じられ、多くの課題はあるものの、強豪チームへの階段を登り始めた兆しの感じられるゲームとなりました。特に羞恥心を乗り越えて、大きな声を張り上げて盛り上げる応援団もピッチと同じように戦っているようで、そのおかげで選手たちは力強い「南の風」を感じることができたのではないでしょうか。

 次戦は、県大会への切符を賭けて明後日5月6日(火)、三郷市のセナリオハウスフィールドで行われる地区代表決定戦に臨むこととなります。相手は本日の試合を5-0で完封勝利した因縁の三郷北高校となります。新人戦の3位決定戦の再戦となり、決着を付けるためにも敗けられない試合となります。

 本校部員たちには、本日素晴らしい応援を見せてくれた部員たちや、いつも献身的に選手をサポートしてくれているマネージャー、そして毎回応援に駆けつけてくださる保護者やOBの皆さまの想いを背負って、必ずや県大会の切符を手にしてほしいと願います。日頃から地道に努力を積み重ねている皆さんなら、必ず成し遂げられると信じています。

 本日も多数の保護者の皆さまにご来場いただき、ご声援を賜りましたことに、心から感謝申し上げます。こうしてご家族の皆さまにご声援をいただけることが、部活動として本物となっていく必須条件であると感じています。後半は難しい展開となりましたが、本日の勝利は、ご家庭でのご理解とご支援のおかげであると感じています。今後とも、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!