校長室より

ありがとう、レニ!(外国人留学生とのお別れ)

 本日6月2日(月)第3限に本校体育館において行われた表彰式に続いて、昨年9月から受け入れている外国人留学生のレニが6月20日(金)をもって本校での留学期間を終えて帰国するため、全校生徒の前でお別れのスピーチを行いました。

 レニはドイツから来た女子生徒で、J-POPをきっかけに日本文化に興味を持ち、独学で日本語をマスターした上で、日本文化を学び友人を作ることを目標に来日しました。レニは社交的で礼儀正しく日本人よりも日本人らしい一面を持ったとても素敵な生徒で、何より日本が大好きで、毎日が楽しくて仕方がないという想いが身体全体から伝わってくる生徒でした。15歳で親元を離れて遠い異国の地で暮らすのはとても勇気のいることだと思いますが、彼女はそれすらも楽しんでいるようにも思えました。そうした気さくな生徒ですから、本校生徒に与えた影響も大きく、毎日多くの生徒に囲まれ、互いに母国の文化や風習などについて理解を深めることができました。国際理解教育を推進する本校にとってレニの存在は、本校の生徒たちが異国文化を肌で感じ、グローバルな感性を身に付ける上で、とても重要な役割を果たしてくれていました。

 本日は、あと3週間余りで日本を離れるレニから、10か月を過ごした本校での高校生活について想いが語られました。留学当初は憧れの国での初めての海外生活に緊張の連続で、登校初日の前日は眠れなかったこと、緊張する自分をクラスメイトが優しく迎え入れてくれたこと。そして、いつしか学校で友人と話すことやお昼ご飯を食べること、部活動(写真部)に勤しむことなどが日常となり、毎日が楽しくて仕方がなかったことなどを話してくれました。当初の目的であった友人作りだけでなく、たくさんの思い出を作ることができ、ドイツに帰国したら写真を見て思い出したいとも語っていました。そして、あと3週間しかない留学期間に対して現在は寂しい思いに包まれており、できることなら昨年の9月に戻って、もう一度本校での留学期間を始めたいと涙ながらに語っていました。彼女が涙を流すほどの想いを持ってくれていたということは、本校への留学が彼女にとってとてもポジティブであったことは疑う余地のないことだと感じました。

 本校では、国際理解教育の一環として毎年外国人留学生を受け入れたり、本校生徒の海外留学を支援したりしていますが、彼女にとっては今回の留学が掛け替えのない大切な経験となったのだと感じました。また、そうなったのは、レニ自身のパーソナリティであることは言うまでもありませんが、一方で本校にやってきた外国人留学生に対して友好的に接し、有意義な環境を提供し続けた本校生徒たちの優しい対応であったことも大きな要因であったのだと思います。校長としては、そうした本校生徒の姿に大きな喜びを感じるとともに、本校生徒たちの素晴らしい一面を改めて感じさせてくれる場面となりました。

 レニには、ドイツに帰国しても末永く本校生徒たちとのつながりを持って友情を育んでほしいと願います。また、機会があれば、本校を第2の母校だと思って再び来日し、学校を訪れてほしいと思います。残り3週間、本校での生活を思い切り楽しんで帰国の途についてください。

 頑張れ、越南生!ありがとう、レニ!