校長室より

更なる高みを目指す授業改善(高等学校体育地区研究協議会)

 昨日10月29日(水)の午後、本校を会場として令和7年度高等学校体育地区研究協議会が開催され、県教育局保健体育課から2名の学校体育担当指導主事にご臨席を賜るとともに東部地区第1班各校代表の保健体育科教諭13名(他地区1名含む)にご出席いただき、無事終了することができました。

 この研究協議会は、高等学校の保健体育教育に特化して教師の指導力と授業の質の向上を図ることを目的としたもので、県教育局保健体育課の発案によって昭和の時代から続く権威ある研究協議会(研修の機会)であり、すべての県立高等学校を東西南北で合計13地区にエリア分けし、各地区ごとに担当校を決めて持ち回りで開催するものです。

 本校が所属する東部地区第1班には越谷市南部、草加市、三郷市、八潮市、吉川市の13校が所属しており、本校は平成25年度以来12年ぶりに会場校を担当することとなりました。

 13時から始まった開会行事では、会場校校長として挨拶したのちに、研究協議会全体の指導・助言を賜る県保健体育課の指導主事お二人にご挨拶をいただきました。その後、第5時限目に行われた授業をご覧いただき、第6時限目以降にご覧いただいた授業に関する研究協議と、保健体育課からの指導講評及び保健体育教育に関する国や県の動向や最新情報などの情報共有が行われました。

 公開した授業は1年生女子の授業で、単元は、経験のない生徒にとってはやや難しい競技である硬式テニスとなりました。本校では、テニスコートが6面確保できるなど施設設備に恵まれるとともに部活動でも硬式テニス部を設置していることから、世界共通のネット型スポーツである硬式テニスを教材としており、生徒たちは卒業までに経験する複数の球技種目の一つとして、最後はゲームで競い合い楽しむことを目標に取り組んでいます。

 授業では、フォアとバックのストロークの技能を高め、ラリーを継続することでテニス本来の楽しさを味わうことを目標として、ボールの落下点の見極めと正しいフォームの修得のためにICT機器を活用して各々のフォームを撮影し、理想のフォーム動画と比較しながら、生徒たち同士で修正すべき点を考察し、相互に助言し合いながら上達を目指すというスポーツ科学の視点を取り入れた授業に挑戦しました。

 生徒たちは、思いどおりに飛んでいかないボールにジレンマを味わいつつも、見本となる動画と自身のフォームを見比べて違いを理解しつつ、お互いに指摘し合いながらフォームの修正に取り組んでいました。

 授業後に行われた研究協議会では、授業者であった飯島教諭から、授業のねらいや工夫、反省などについて説明がなされるとともに、ご出席いただいた各校の先生方から様々な質問や意見が寄せられました。

 そうした中で、多くの先生方から一様に聞かれたのは、本校生徒たちの授業に臨む姿勢に関することでした。どの先生方からも、集合や挨拶、準備運動や補強運動などのルーティンはもとより、実際の活動においても教師の指示をしっかりと聞き、目標やねらいを理解した上で、体育委員を中心に生徒たち同士で協力し合いながら活動している姿に、「とても素晴らしい」とのお褒めの言葉をいただきました。

 これは、生徒の皆さんが部活動とともに授業においても日常的に「より高いレベルの活動」を目指して取り組んでいる努力の成果であり、皆さんの力によって越南スタンダードとして受け継がれている本校の素晴らしい伝統なのだと感じています。本校の生徒たちにとっては当たり前なことでも、他校の生徒たちにとってはそうでないことが事実として存在するのであり、指導主事の方々や他校の先生方からいただいた多くのお褒めの言葉によって、越南生のレベルの高さを再確認することができました。

 研究協議会の後半には、指導主事のお二人から、現在行われている次期学習指導要領改訂に向けた検討の中での変更点や課題など、国や県の方針について説明があり、今後各校が目指すべき保健体育教育の方向性について情報の共有を図ることができました。

 こうした教科ごとの研究協議会はすべての教科で行われているわけではなく、開催の頻度や規模などは教科ごとに大きく異なります。保健体育に関しては、古くから県教育局保健体育課によって制度化され、毎年定期的に実施されており、各校の授業力向上や教師の指導力向上の観点で大きな役割を果たしていると言えます。

 本校におきましても、会議の席上にていただいた様々なご指導やご助言などを活かし、更なる高みへと向かうべく改善を図ってまいりたいと思います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、南の風たち!