校長室より

【校長室】書道部2年連続で全国へ(埼玉県高等学校書道展)

 本日11月23日(土)さいたま市浦和区(北浦和)の県立近代美術館で開催されている第63回埼玉県高等学校書道展に行ってきました。

 この展覧会は、県内の高等学校に在籍する高校生書道家たちが、日頃の活動の成果を発表する最大の展覧会で、来夏に香川県で行われる全国高等学校総合文化祭(文化部のインターハイ)に出展される作品を決める選考会を兼ねており、高校生にとってはまさに高校部活動の集大成ともいうべき権威ある展覧会となっています。

 会場には県内109の学校から、756点の作品が展示されており、オーソドックスな漢字のみの作品や仮名のみの作品、仮名混じりの作品に加え、皿や板に書かれた作品など、様々なスタイルの作品が並んでいました。作品は、同じテーマを選んで同じ文字を書いた作品でも、全く趣の異なる作品に仕上がっており、それぞれの生徒が一筆一筆に想いを込めて書いたもので、どの作品も迫力があり見応え十分な作品ばかりでした。

 審査は、県内書道界を代表する専門家の方々による投票での得票数により来夏の全国総文祭に出展する県代表作品が選ばれる規定となっており、多様な専門的観点を持つプロの審査員たちに認められた作品が全国への切符を手にすることになります。

 本校からは、2年生の書道部員12名が、それぞれ入学以来コツコツと磨いてきたスキルを全投入して書いた渾身の作品を出展し、その中から村田優月さん(2年)の作品「杜甫飲中八仙歌巻」(草書)が、全756点の作品の中から12点しか選ばれない最優秀作品に選ばれ、見事来夏に四国香川県で行われる全国高等学校総合文化祭(かがわ総文祭2025)に埼玉県代表作品として出展されることが決まりました。

 顧問の先生によれば、村田さんは、本校入学以来長時間の通学時間を苦にすることなく、直向きに、そして地道に腕を磨いてきたとのことで、自身の作品が県代表に選出されたことを知った瞬間、その瞳からは大粒の涙が溢れ出たとのことでした。それほどの強い想いを持って「自身のやりたいこと」に向き合い、その成果としてプロの目に留まるほどの作品を作り上げることができたのは、紛れもなく村田さん自身の「書」に対する情熱と不断の努力の賜物であり、文武両道の実現を目指す本校生徒たちの模範でもあります。

 本校書道部は、昨年度のこの展覧会において同様に全国出展作品に選ばれた横山璃乃さん(3年)の作品「臨 伊都内親王願文」に続き、2年連続で全国総文祭出展の切符を手にしたことで、部員たちが「書」に向き合うレベルの高さが伺える形となりました。

 また、今回残念ながら入選を逃した他の生徒の作品も、それぞれに想いが込められ、迫力を感じる素晴らしい作品となっていました。

 書道部の皆さんは、日頃から顧問の指導のもと、静かな書道室で地道に根気強く書に向き合い、一筆一筆に想いを込めながら、黙々とそして丁寧に鍛錬を重ねている姿がとても印象的です。イベントで見せてくれる笑顔溢れる書道パフォーマンス以外の活動は、決して派手さはありませんが、その真剣な眼差しと張り詰めた緊張感の積み重ねが、こうして全国への扉を開く力を確実に育んでいるのだと考えます。

 書道部の皆さんには、今後も基礎基本を大切にしながら、自身の心とその手に握った筆の描く書に向き合い、向上心を持ってスキルを磨いてほしいと願います。次は、あなたの作品が大きく輝く時を迎えるはずです。

 頑張れ、越南生!頑張れ書道部!