チーム力で手にした勝利(サッカー部新人大会)
本日1月18日(土)本校グラウンドにてサッカー部の東部支部新人大会1回戦が開催されました。
サッカーの新人大会は東西南北の各支部ごとに予選が行われ、各支部の上位校が本年度新人大会県大会及び令和7年度関東大会県予選の出場権を獲得するレギュレーションとなっています。東部支部では、上位2チームに新人大会県大会への、上位6チームに関東大会予選への出場権が与えられることとなっています。
我が国では、戦後の復興に伴う高度経済成長やテレビの普及により様々なスポーツの裾野が広がる中、昭和の時代のスポーツといえば野球1強で、ほとんどの子供がプロ野球選手に憧れて野球に勤しんでいましたが、1993年にJリーグが開幕してサッカーがプロ化すると徐々にサッカー人気が高まり、程なくして競技人口では野球を抜きサッカーが最も多くなりました。
世界の多くの国でサッカーが国民的スポーツとして位置付けられていることを考えれば、ボールひとつあればいつでもどこでも楽しめるサッカーの普及は自然なことであったのかもしれません。
ただ、どのスポーツにおいても真の意味での普及のためにはトップカテゴリーの「プロ化」が最大の要因であり、将来的にスポーツを生業として人生を設計できる希望こそが、子供たちに「夢」を与え、競技人口の裾野を拡大することにつながることは必須の条件であると言えます。近年ではサッカーのプロ化を手本として、バスケットボールやバレーボール、ラグビー、卓球などがプロ化したことで爆発的な人気となっているのがその好事例であると言えます。
一方で、加速度的に進む少子化と幼少期世代のスポーツ離れに加え、人工芝などのプレー環境やリーグ戦導入に伴うレベルカテゴリーの分断、公式戦へのシードの優遇などにより、高校年代では国内どの地域においても各校の部員数が二極化していることが大きな影となっていることも事実です。
その結果、財力や柔軟な入試制度により部活動に力を入れる私立高校に部員が集中して公立高校では部員が集まりにくい状況が顕著となり、競技人口が最も多いサッカーにおいても部員不足により他校との合同チームを構成して出場せざるを得ない学校が急激に増加している現状があります。他の競技においては更に顕著な傾向が強く、どの競技においても大会への参加校数は年々減少の一途を辿っており、スポーツに情熱を持って「夢」を追いかける中高生世代が希望を持って挑戦できる「活躍の場」が減少している実情があります。そうした厳しい環境の中で、本校はサッカー部に限らずほとんどの部活動で情熱を持った生徒たちが多く集い、「夢」を追いかける生徒たちの「活躍の場」が確保されているのが「文武両道」を高いレベルで実現している本校の強みです。
本校入学までのカテゴリーでサッカーと出会い、サッカーの魅力に夢中になっている本校サッカー部員たちの初戦は午前10時キックオフで吉川美南高校と松栄学園高校の合同チームとの対戦となりました。
相手は合同チームながらも個々のポテンシャルは十分に備えており、指導者の指示のもと熱いハートを持って真摯に戦う好チームでした。試合は本校のキックオフで始まり、開始直後から激しいボールの奪い合いとなりましたが、やや優勢にゲームを進めた本校が、前半5分に左サイドから展開してゴール前に折り返し、こぼれ球を押し込んで先制しました。その後は双方譲らない展開が続きましたが、前半35分に再び左サイドを突破して入れたクロスをバイタルエリアで繋ぎ、ゴール正面から豪快に蹴り込んで2点目を奪いました。
ハーフタイムには、監督やコーチからポジショニングや状況判断について細かく指示があり、気持ちを引き締め直して後半に臨みましたが、迎えた後半5分に不用意なミスからボールを失い30mのミドルシュートを豪快に決められて1点差に迫られました。
ここから相手が一気に勢い付く中で本校の選手たちの冷静さを欠いたミスも重なり、互角の展開となりましたが、走力や集中力に勝る本校が徐々に落ち着きを取り戻すと、サイドに展開しながら敵陣に攻め込む展開が増えてきました。
迎えた後半25分に左サイドからの折り返しをゴール正面から豪快に突き刺し3点目を奪うと、勢いそのままに、その直後にも左右に大きく展開する中でペナルティエリア内の混戦で体を張ってボールを拾い、最後はゴール正面からネットを揺らして4点目をゲットしました。
その後は、双方選手交代を重ねてフレッシュなメンバーを投入しながら局面の打開を目指しますが、落ち着いてポゼッションする場面が減少して大味な展開となり、両者決め手を欠いたままタイムアップの笛を聞きました。
結果的には4対1での勝利を掴みましたが、選手たちは日頃の成果を出し切れなかった悔しさが残った様子で、勝利の喜びを感じながらもゲームを振り返り反省を口にする姿がありました。
ピッチに立った選手としては十分な満足感は得られなかったのかもしれませんが、そもそも公式戦とはそう言うもので、相手も普段とは違った必死な気持ちで挑んでくるため、練習やトレーニングマッチでできたことのうち、公式戦でできることはほんの一部であることが当たり前なのです。公式戦で通用した技術や戦術が本物の実力なのであり、だからこそ普段から公式戦と同じような意識や強度でトレーニングすることが求められるのです。先日の全国高校サッカー選手権大会で決勝に進んだ流通経済大学付属柏高校の選手が「どんな試合より部内の紅白戦が一番激しい」とコメントしていましたが、常勝軍団となるためには、そうした日常の熾烈な切磋琢磨が重要であることは、今も昔も変わらない普遍的なセオリーであると言えます。
反省点はありつつも、1回戦を無事に勝利した本校イレブンは、明日1月19日(日)東部地区ベスト8を賭けて2回戦に臨みます。24時間後にはピッチに立つことを意識し、リカバリーとコンディショニングに努めて心身ともにリフレッシュして明日のゲームに臨んでほしいと願います。
明日の試合は八潮南高校の会場で本日と同じ10時キックオフとなります。対戦相手は本日行われている八潮南高校と合同③(白岡、幸手桜、蓮田松韻)の勝者となります。
また、本日は多くの保護者の皆さまにご来校いただくとともに、選手たちに熱いご声援を賜り、誠にありがとうございました。皆さまの後押しのお陰で無事勝利を収め、明日の試合に臨むことができました。重ねて感謝申し上げますとともに、明日以降も、ぜひ会場にてご声援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!