【校長室】越南サウンド継承の儀式(吹奏楽部サンクスコンサート)
本日9月23日(月)越谷サンシティホール大ホールにて本校吹奏楽部による第38回サンクスコンサート~青春の1ページ~が開催されました。
このサンクスコンサートは、本校吹奏楽部員たちにとって特別な意味を持っています。何故なら3年間ともに過ごし切磋琢磨しながら越南サウンドを磨いてきた3年生たちが3年間の活動の集大成として演奏するラストステージであり、3年生にとっては一般的な高校生が謳歌するであろう様々な楽しみを犠牲にして、聴く人の心に響く美しい音楽を追求し続けるために高校生活の大半を費やし、自分たちにとって最も居心地の良い居場所であった部活動から引退することを意味します。
同時に下級生にとっては、高校生活を吹奏楽に捧げる覚悟と美しいハーモニーを追求し続ける姿を背中で示し、尊敬し追い続けてきた偉大な先輩から伝統の越南サウンドを引き継ぐ大切なセレモニーであるからです。
コンサートは本日の主役である3年生の進行で幕を開け、第1部はこれまで数々のコンクールで演奏してきた勝負曲などを次々と演奏してくれました。
中には今夏の西関東大会で演奏した課題曲「メルヘン」や自由曲「幻想交響曲より V.サバトの夜の夢」などの今年のチームにとって渾身の勝負曲の他、32人の3年生全員が心を一つにして奏でた「さくらのうた」など多彩なアレンジで、会場を埋め尽くした観客の心をしっかりと掴みました。
第2部は、打って変わって明るく賑やかなポップスステージで、入学当初に1年生全員で初めて演奏した思い出の曲「100%勇気」など会場の誰もが1度は耳にしたことがある曲をメドレーで披露しました。
中でも圧巻だったのは、演奏される曲に合わせて仮装した3年生が次々と舞台中央に登場して、キュートな踊りと笑顔で会場を盛り上げてくれたステージで、普段慣れ親しんだ楽器を持たずに全身で音楽を表現し、楽しそうに踊る姿にくぎ付けになりました。
およそ2時間半に及ぶステージもアッという間にエンディングを迎え、部員を代表して柴田部長がマイクを握ると、仲間とともに3年間音楽に向き合い続けた想いといつもあたたかく支えてくださったご家族の皆さまや関係の方々への感謝の気持ちを伝えました。
その姿は、まさに118人の部員を束ねるリーダーに相応しく、春の定期演奏会の時と同様にメモも見ずに流暢な言葉で、今その瞬間に心の中で感じていることを素直に話しているようで、彼ら彼女たちが奏でる数々の楽曲とともに、私をはじめ会場を埋め尽くした観客の心をグラつかせ涙腺が緩むほど心に響き、高校生が同じ目標に向かって同じ価値観を持ち、同じ時をともに重ねることで一歩一歩着実に成長していくことの素晴らしさ、そして本校が高いレベルでの文武両道の実現を生徒たちに求め続ける意義を改めて実感しました。
ステージのフィナーレは越南吹奏楽部十八番の「宝島」をパートごとにカラフルな衣装を纏った118人の部員全員が笑顔で踊りながら演奏し、部員たちとともに会場が一体となって盛り上がったところで幕を閉じました。
本日をもって引退する3年生たちには、これまで大切にしてきた「目標に向かってやり切る姿勢」に自信と誇りを持って残りの高校生活を自己実現のために全力で取り組み、なりたい自分の実現に一歩でも近づいてほしいと願います。
また、願わくば卒業後も何らかの形で音楽に関わり、青春の日々を回顧しながら、またいつか、どこかで誰かの心に響く音楽を奏でてほしいと願います。
本日はたくさんの保護者の皆さま、ご家族の皆さま、OBOGの皆さま、そして本校吹奏楽部を応援してくださる皆さまにご来場いただき心より深く御礼申し上げます。また、これまで3年生をはじめとした部員たちの活動をあたたかく見守りながら格別のご支援をいただき、重ねて感謝申し上げます。
3年生の部員たちが誇りを持って守り続けた越南サウンドは、今日から下級生たちが覚悟と決意を持って継承してまいります。今後とも、本校吹奏楽部に変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!