校長室より

【校長室】異なる立場の助言は教育改善の宝(学校評議員会、学校評価懇話会)

 本校では、6月21日(金)の午後、本年度第1回目の「学校評議員会」及び「学校評価懇話会」を実施しました。

 「学校評議員会」は、平成12年以降学校に義務付けられた学校教育活動に対する第三者評価組織であり、地域の見識者など教職員以外の方の視点で学校の取組を見た場合に感じる魅力や改善点などについて意見を頂戴し、学校運営の改善を図るものです。本校では、学校医1名、学識経験者4名(大学教授2、中学校長1、小学校長1)の合計5名の皆さまに委員を委嘱し、年2回の評議員会を開催して忌憚のないご助言をいただいています。

 学校評議員会では、本校の教育活動の取組について以下の様なご意見を頂戴しました。

 (1)「文武両道」の校訓のもと、部活動は、熱心に取り組むとともに成果が上がっており、とても良い状況である。

 (2)学習面では、部活動をしている時期(1,2年時)の学習習慣に乏しいことが懸念される。学習活動に興味を持てば生徒は成長することから、生徒の興味を引き出す工夫に取り組んでほしい。

 (3)主体的、対話的で深い学びの実現のため、アクティブラーニングや探究活動にどのように取り組んでいるのか。

 (4)一般受験と推薦型受験の割合はどのような状況か。推薦型受験者に対する指導はどのように行われているのか。

 (5)学校ホームページや学校公開などを通じて積極的に情報発信していることは評価できる。

 学校評議員会終了後の6限には、並行して保護者を対象に実施した学校公開の様子と実際に行われている授業の様子を見学していただきました。委員の皆さまからは、どの授業でも生徒たちがしっかりと学びに向き合い、積極的な姿が見られたとお褒めの言葉を頂戴しました。

 放課後には、学校評価懇話会を開催しました。学校評価懇話会は、学校評議員に保護者の代表者と生徒の代表者、主要な教職員を加えて、校長の示す「目指す学校像」や「教育目標」「教育計画」「学校自己評価システム」などについて意見交換して学校経営の改善と学校教育力の向上を目指すとともに、その内容を公表することにより保護者や地域の皆さまに本校の取組を理解していただくものです。懇話会でいただいたご意見等は以下のとおりです。

 (1)ICT環境が整い有効活用が進んでいる。今後はチャットGPTなどAIを活用した教育実践など先進的な取組の推進について検討が必要である。

 (2)PISAタイムの課題を生徒自身が考えられるようになると、より効果的な学びができるのではないか。(生徒からは、自分の考えを文字化する過程で文章作成能力が向上している、他者の考えと自分の考えを比べられるので思考力が向上しているとの意見がありました)

 (3)スタディサプリの活用率を上げるために、教科の評価に加えるなど生徒にアプリを活用する必然性を持たせる工夫が必要ではないか。(生徒からは、授業で分からなかった内容の復習などに活用しているとの回答がありました)

 (4)自動採点システムや出席・成績管理システムなど学習管理システムの導入によりICT機器を活用した学習の効率化、教職員の負担軽減を推進する必要がある。

 (5)PISAタイムなどの取組は、現在求められる「答えのない問い」に対して論理的に思考し表現する力の育成に大きく役立っている。

 (6)小学校や中学校など異校種との連携を推進し、小中学生に高校生が部活動を教えるなどの取組を検討してほしい。

 (7)生徒が自主学習で「わからない」に直面した時に、気軽に聞ける環境が大切ではないか。(生徒からは、授業前後や放課後などに担当の先生に聞いているとの回答がありました)

 (8)海外の学生とのオンラインでの交流活動などに取り組んではどうだろうか。また、外国語科の英語劇を小中学生に公開できないだろうか。

 上記のとおり、学校評議員会、学校評価懇話会ともに活発なご意見やご助言を頂戴し、校長としては、今後取り組まなければならないことが山積だと感じたところです。重要度や優先度が高い事案から一つひとつ丁寧に検討し、改善、実現していきたいと思います。

 委員の皆さまには、公務ご多忙の中お時間を割いていただくとともに、様々なご意見ご助言を賜り、心より感謝申し上げます。今後とも、本校の発展と教育活動の充実のため、お力添えをいただければ幸甚に存じます。