ついにこの日が。「Last Olive」に秘めた想い(衣替えの儀)
「春夏秋冬」という四季の訪れと、それぞれの季節の風物詩が我が国の大きな魅力ですが、近年の地球温暖化の加速に伴い、我が国でも年々春と秋が短くなり、その分夏と冬が長期化しています。特に近年の夏の暑さは尋常ではなく、春であったはずの5月頃には気温が30度を超え、夏季には40度に迫る酷暑、10月になっても猛暑が続く灼熱の気候が当たり前となりつつあります。
本校では、こうした気候変動を考慮して、衣替えの時期については移行期間1ヵ月を含めたもの(5月から10月までは軽装可)としていますが、基本的には9月30日をもって衣替えとなり、本日からほとんどの生徒たちが夏場に着用した越南伝統のオリーブカラーの制服を脱ぎ、男子は黒色、女子は紺色を基調とした冬服を身に纏って登校してきました。冬服での登校初日となった本日は、朝からあいにくの雨模様で気温もさほど高くなかったため、上着を着用して登校する生徒の姿が目立ちました。
教育の現場では、衣替えに限らず、日本古来の伝統やしきたり、四季折々の歴史や文化を身近に感じる教育活動は情操教育や日本人としてのアイデンティティーの育成にとても重要な役割を果たしており、日本人の持つ心の豊かさもこうした教育活動によるところが大きいと感じています。
一方で近年、地球温暖化が加速度的に進み、夏は気温40度に迫る酷暑の日々が、冬は氷点下の極寒の日々が連日続くとともに、豪雨や雷、突風、竜巻や自然火災などが多発するなど、異常とも言える気象状況が年々拡大しています。私が今の生徒と同年代の頃と比べると単純に5度以上気温が上昇しており、現在の若者たちが親となり老後を迎える時代には、どのような生活が強いられるのか本当に心配でなりません。
そうした中、本校生徒たちも恒例の衣替えの時期を迎え、本日より紺色の冬服を纏って学校生活を送りはじめました。本校の制服は夏服・冬服ともに日本を代表するデザイナーである森英恵氏のデザインによるもので、特に夏服は純白とオリーブカラーの配色を採用していることで、良くも悪くも一目瞭然で本校の生徒と分かる独自性の強い制服となっています。
生徒からすると、他校には見られない独特の配色であることから、このオリーブカラーの制服には賛否両論があるようですが、確かに見た目のインパクトは大きいものの、着用している生徒たちの姿を見ていると、男子はとても爽やかに、女子はとてもキュートに見えることから、大人の感覚としてはとても素敵な制服であると認識しています。
生徒たちも、初めてオリーブカラーの制服に袖を通すときは戸惑いがあるようですが、みんなで着ているうちに徐々に愛着が強くなるようで、女子用セーラーの襟部分にあしらわれたオリーブカラーの格子柄を「メロンパン」と称して楽しんでいるようです。
そんな生徒たちの中でも3年生にとっては、この衣替えで3年間愛着を持って着用したオリーブカラーのセーラー服を着ることができなくなることから、切ない想いを持っている生徒がいるようです。3年生女子界隈では「Last Olive」というワードが囁かれ、オリーブカラーの制服を着ることが最後となったことに対して寂しい気持ちを表現していました。
制服に限らず校章や校歌など、生徒たちが母校の様々なアイテムに誇りや愛着を持つことはとても重要な意味を持っており、そうした姿はすなわち自分自身の学校生活に対してポジティブな想いを持つことができている証であるとも言えます。
はじめて着るときには戸惑いのあったオリーブカラーも、日を重ねるごとにやがて当たり前となり、そして最上級生となった今、失うことへの寂しさを感じる。まさに制服を含めた自分の3年間の歩みを肯定できた結果であると言えます。そうした意味では、本校での教育活動が皆さんにとって有意義なものであったということでもあり、皆さんに寄り添ってきた我々教職員にとっては、何より嬉しいことでもあります。
3年生にとっては、もうオリーブカラーの制服を纏って登校することはなくなりますが、皆さんには、まだ卒業まであと半年間の高校生活が残っています。冬服に着替えて生活するこれからの日々は、「自己実現」という人生最大の挑戦の時期に突入することになります。「なりたい自分」を手にするための最終章を迎え、楽しいことよりも苦しいことの方が多い時期であるとは思いますが、そうした中でも、ともに過ごし、友情を育んできた仲間たちとの関係を大切にし、卒業してからも本校での高校生活を「大切な記憶」と思えるよう、カウントダウンが始まった本校での高校生活を、日々噛みしめながら大切に過ごしてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、3年生!