校長ブログ

「真の挑戦」とは…(第2学期終業式)

 本日12月24日(水)、期待されたホワイトクリスマスとはならず、朝から生憎の冷たい雨が降る寒い1日となりました。イオンレイクタウン界隈をはじめ巷では色鮮やかなイルミネーションが街を彩り、見るものすべてがクリスマスムード一色に包まれる中、本校では第2学期最終日を迎え、体育館に全校生徒を集めて終業式を実施しました。

 学校社会では、2学期は期間が最も長く1年間の中心的な学期であり、本校においても文化祭や修学旅行などの大きな学校行事に加え、各部活動の新人大会などの大会が盛んに行われ、それぞれが情熱を注ぐ舞台で成果を上げ、笑顔とともに輝く生徒たちの姿をたくさん見ることができました。

 本校の生徒たちを見ていると、本当に真面目で素直な生徒が多いと感じます。例えば、廊下ですれ違ったり、授業を見に行くと私が教室に入った途端すぐに明るく爽やかな笑顔で挨拶してくれる姿がありますが、ひとたび授業が始まれば一気に教室の雰囲気が変わり、真剣な眼差しで教師を見つめ「話を目で聴く」生徒たちの姿があります。この「人の話を目で聴く」ことは、物事に対する集中力、執着力の表れであり、学びの質の高さをはかるには欠かせないバロメーターで、本校生徒たちの学びに対する姿勢の質の高さを感じます。これはどの学校の生徒にもできることではないことであり、越南生の持つ特に素晴らしい資質の一つであると強く感じます。

 一方で放課後になれば、校内の至るところで賑やかな声とともに活発に部活動に勤しむ姿があります。本校生徒の部活動加入率は93%であり、これも他校ではなかなか実現できない驚異的な姿であると言えます。しかも、その取組は学習活動以上に熱を帯び、生徒一人一人が見せるその姿は常に真剣そのものであるのも大きな特徴です。

 ことさら感じるのは、生徒たちの多くは指導者である顧問を信頼し、指導者から受ける様々な助言を素直な気持ちで受け入れ、純粋な思考で目標の実現にトライしていることです。部活動に関わらずどのような場面でも、「他者の言うことを素直に受け入れる力」は、他者に認められ、成長や成功に近づくために最も重要なスキルであると言えます。

 とりわけ高校生年代ともなると、ある程度身についた知識や技術、積み重ねてきた経験と自負、心身の発達に伴う精神的自立などから自我が強くなり、指導者の助言を素直に受け入れられなかったり、時には反発したりする姿が見られるものですが、本校生徒たちからは、そのような姿を見ることはほとんどありません。こうした素直で実直な姿勢が生徒たちの成長を加速させ、効率よく高みへと導いているのだと強く感じます。こうした「素直さ」や「実直さ」「謙虚さ」は多くの越南生が持つ共通のスキルであり、「南の風」を支える生徒の重要なマインドであると強く感じます。

 こうした生徒たちの姿勢を見ると、これまで如何に保護者の皆さまが真摯にお子様に向き合い、厳しくも愛情豊かな教育をされてこられたのかを感じずにはいられません。本校の教育諸活動の安定と躍進は、保護者の皆さまに支えられていると改めて痛感するとともに、心より感謝と敬意を申し上げる次第でございます。

 そんな生徒たちに向けて、終業式の講話では「真の挑戦とは」というテーマで、学生時代をアメリカで過ごし、現在日本で少年スポーツチームを運営しているある指導者の体験談を通じて、全力で挑戦するための考え方や挑戦することに対するリスクマネジメントの在り方について一緒に考えてみました。

 アメリカの学生スポーツ界では、そもそも「文武両道」という言葉も考え方も存在せず、学習面で十分な成果を上げることができて初めてスポーツをすることができるという考え方が定着しており、夢の実現に向かって思い切って挑戦するために、挑戦が失敗に終わることを想定に入れた上で、例え失敗したとしても自分を守れるだけのスキルを身に付けることを優先して力を注ぐという考え方が多くのアスリートたちに定着しているという内容です。

 これは、自分のキャリアを形成する上で、リスクマネジメントを担保することで、本来挑戦したいと考えている取組に対して、不安なく全力で挑戦することができる環境を手に入れるための必要条件であるという考え方です。

 本校には、高いレベルでの文武両道の実現を目指す生徒たちにとって心の拠り所となる「自走」と「南の風」という2つの合言葉があります。この言葉は、本校生徒たちが必死になって夢の実現に挑戦する姿を現す端的でとても素晴らしい考え方であり言葉であると感じています。そしてまた、多くの生徒たちが「自走」と「南の風」を実直に体現し、着実に自身の夢に近づいているとも感じています。

 しかし、一方で生徒個々に目を向けてみると「文」と「武」のバランスが崩れ、どちらかに軸足が大きく傾き、これによって全力で不安なく夢に挑戦することが難しくなっている生徒が散見されるようにも感じています。これは、生徒自身にとっても学校にとっても大きな損失であり、「文武両道」で高みを目指す本校生徒たちにとっては、初心に帰って目を向けるべき課題の一つではないかと感じています。

 だからこそ、年末年始を迎え、今年1年を振り返り、新たな目標や決意を固めるのに当たり、全力で夢の実現に挑むために、多くの生徒たちにとって共通した不安材料である「失敗しても自分を守れる手段」、すなわち「勉学」に対しても、得手・不得手や好き・嫌いの隔てなく、「自分の人生を守る術」であると肝に銘じて、目を逸らすことなく一層のスキルアップを目指すとともに、愚直に「自走」し、将来に不安のない「揺るぎない自分」を手に入れることが本来目指すべき「真の挑戦」の姿なのだと伝えました。

 3学期の始業式の朝、元気に登校する生徒たちの顔が、晴れやかな笑顔とともに新たな決意に満ち溢れていることを願って2026年を迎えたいと思います。

 筆末となりますが、保護者の皆さまにおかれましては、日ごろから本校の教育諸活動に対しまして格別のご理解、ご協力、そしてご支援を賜り、心より深く感謝申し上げます。生徒たちが本校での高校生活を謳歌し、様々な場面で成果を上げたり素敵な笑顔が見られるのも、偏に保護者やご家族の皆さまが、生徒たちにあたたかく寄り添うとともに、本校の教育活動を力強く後押ししていただいているお陰であると強く感じています。

 今年1年の皆さまのご厚情に改めて感謝申し上げますとともに、来年も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 皆さまにとって2026年が良い年となりますことを心よりご祈念申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!