新たなスタートラインへの旅立ち(卒業式)
本日3月12日(水)本校体育館に於いて令和6年度第49回卒業証書授与式を挙行し、普通科304名、外国語科34名、総計339名が無事に卒業証書を手にし、本校から新たなステージへと巣立っていきました。
あいにく朝から小雨まじりの天候にも関わらず、PTA会長様をはじめ6名の御来賓の御臨席と多数の保護者の皆さまの御列席を賜り、700名を超える在校生と500席の保護者席を埋め尽くした関係の皆さまが見守る中、吹奏楽部の奏でるファンファーレとともに、1組から担任を先頭にして卒業生が入場し、厳格な雰囲気の中、卒業式が始まりました。
式のメインとなる卒業証書授与では、担任の呼名に生徒たちが大きな声で返事をし、保護者の皆さまにもお子様の様子が感じられたのではないかと思います。証書授与では、どのクラスの代表も堂々と、そして凛とした振る舞いであり、証書を読み上げて授与する私にもこの日を迎える生徒たちの想いが伝わってきました。
無事に339名すべての生徒の卒業を認定したのちに行った校長式辞では、AIの出現により物事の真偽すら判断が困難となった先行き不透明な未来を生きる卒業生たちに向け、「学ぶ」ことの意義を説きながら、一生涯学び続けることによって、困難な場面においても接する情報に対して科学的視点を持って分析し、論理的に思考して、正しい判断と決断を導き出すことができる人間であれ。とお話ししました。
また、利他の精神を持って「学び」で得た判断力や決断力を活用し、他者の役に立つことを目指すことが他者から必要とされる人材となりうる道なのであり、そうした生き方こそが自分の価値や評価を高め、自身の幸福感や達成感を得ることにつながるのだということをお話しました。
PTA会長様よりいただいた祝辞では、PTA全国大会の講演会で聴いた甲子園優勝を成し遂げた高校野球部監督の言葉を引用し、「頑張って取り組んでも結果が出ない、ダメだった、失敗したということには経験と学びがある」「努力すれば結果が出ることは望ましいですが、ひょっとすると成功するより失敗した方が大切な何かを学べるかもしれない」とのお話をいただきました。子供には失敗してほしくないと願う私たち親世代も、自身の子育ての在り方について考えさせられる内容でした。
その後、学業優秀で他の模範となる生徒に送られる埼玉県教育委員会児童生徒表彰、スポーツ分野で優れた功績を残し他の模範となる生徒に送られる埼玉県スポーツ協会体育優良生徒表彰、文化的活動の分野で優れた功績を残し他の模範となる生徒に送られる埼玉県高等学校文化連盟賞の表彰を行い、併せて3年間欠席、遅刻、早退なく高校生活を全うした生徒に送られる皆勤者の表彰を行いました。どの表彰も、本校に在籍した3年間を自身の目的や目標に向かって努力を怠らず、一歩ずつ歩みを重ねてきた成果が大きく花開いたものであり、まさに本校生徒の模範となる高校生活を体現してくれた生徒たちでした。
送辞では、現生徒会長が、自分たちに寄り添い導いてくれた先輩である卒業生に対して感謝の気持ちを伝え、答辞では、元生徒会長が、3年間の高校生活で得たものや、感じたこと、そして大切にしてきた高校生活が本日をもって終わることへの想いを素直に表現するとともに、保護者の方々や友人たちなど、自分の成長を支えてくれた方々への感謝の気持ちを語りました。その話があまりにも秀逸で、壇上で対面して聞いていた私の心にグラグラと音を立てるほどに強く刺さる内容で、高校生活最後の日を迎えた卒業生全員の想いを代弁する答辞となりました。
また、卒業生から学校に送られる卒業記念品として、司会用演台と学校行事などで利用するテント3張が目録として贈呈されました。
クライマックスとなった校歌や式歌の斉唱では、卒業生はもとより会場にいた者すべてが、それぞれの思いを胸に秘めながら大きな歌声を披露し、最後の退場シーンではクラス全員による最後のタスクとして、全員が揃って「パパ、ママ、ありがとう!」などと叫び、在校生や保護者の皆さまが大きな拍手とともに見送る中、会場の外へと去っていきました。
クラスごとに生徒たちが考えた退場場面での一言が、すべてのクラスで保護者の方への感謝を示すものであったことは、生徒たちが普段口にはしていなくても、その心の中には、しっかりと保護者の皆さまに対する強い感謝の想いを持っており、良好な親子関係が感じられる心温まる時間となりました。
卒業式を挙行するにあたり、私自身も1年の節目として大切な人たちとの別れと新たな出会いの時期を迎えたことを実感しつつ、巣立ってゆく卒業生の未来が明るいものであることを願って止まない気持ちで臨みましたが、それ以上に改めて感じたのは、どんな時も生徒の味方となって寄り添ってくれた保護者の皆さまの存在が、高校生たちにとって何よりも大きな存在であり、保護者の皆さまの御理解や御協力、御支援無くして学校運営は成り立たないことを再確認させていただいた貴重な時間となりました。
本日は平日にも関わらず、またお足元の悪い中、多数の保護者の皆さまに御列席を賜り、無事卒業式を挙行できましたこと、心より深く感謝申し上げます。皆さまが御来校される様子を拝見し、御夫婦揃ってお越しいただいた御家庭の多さに、御家庭での子育てに対する関心の高さを拝察することができました。
1年の節目を迎え、4月からは本校も、そして生徒や卒業生たちも新たなスタートを切ることとなりますが、今後とも変わらぬ御理解、御協力そして御支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ、49期生!