悔しさのその先には必ず…(男女ハンドボール部関東大会県予選)
本日5月3日(土)三郷市総合体育館にて関東高等学校ハンドボール大会県予選が最終日を迎え、本校の男女ハンドボール部が揃って3位決定戦に臨みました。
この大会は、5月30日(金)から6月2日(月)までの期間、群馬県の富岡市で行われる関東大会の埼玉県代表を決定する大会で、男子が上位4チーム、女子が上位3チームに出場権が与えられるレギュレーションとなっており、ともにベスト4進出を決めた本校は、男子が既に昨年のリベンジを果たして出場権を獲得し、女子が5年連続6回目の関東大会出場を目指して本日の試合に臨みました。
先に試合があったのは女子で、対戦相手はこれまで幾度となくチームを全国や関東の舞台に導いた実績を持つ敏腕指導者が率いる古豪川口北高校で、百戦錬磨の策士が本校相手にどんな戦術を繰り出すのかと想像すると、難しい試合になりそうな予感がしました。
試合は10時ちょうどにブザーが鳴りスローオフしましたが、直後に相手チームのスタートメンバーの再確認のために試合を止める笛が鳴り、出鼻をくじかれた感じがしました。数分後に確認が終わり、そのままのメンバーでゲームが再開しましたが、スタートから気持ちの切り替えが難しい雰囲気でした。
相手は、本校よりも平均身長が高く、特に中央の3枚は力のある選手が揃っていました。また、集中力も高くチームとしての戦い方に自信をもって試合に臨んでいる感じがしました。
試合前の想像どおり、相手は本校のエースフローターを徹底的に封じ込めるべく中央の3枚を中心に執拗なマークとブロックを敷いてきたため、本校はアウトサイドではボールを回せるものの7mライン付近での攻撃のスイッチを入れることができませんでした。
両チームがそれぞれ素晴らしい守備を見せて点が動かない中、先制したのは相手チームでした。本校もすぐさま反撃し、サイドから飛び込んで1点をもぎ取り、直後に立て続けに2点目を決めて逆転に成功しました。
その後は互いに有効な攻撃がなかなかできず、両軍得点は重ねるもののロースコアのまま試合が進み、5-5となった前半中盤に本校の右フローターがコート中央でシュート態勢に入ったところで相手と顔面同士がぶつかり、顎をカットするアクシデントに見舞われてしまいました。
出血した本校選手は急遽一時退場してテープで止血をしましたが、治療の間にメンバーチェンジしたことを契機に、本校は準備してきたセットプレーに挑戦して勝負を仕掛けました。しかし、これがはまらずにミスからボールを失いシュートまで行けない場面が連続し、これでリズムを崩した本校は、ここぞとばかりに攻撃のギアをあげた相手に翻弄され、一気に4連続失点を喫し、ロースコアのゲームで4点のビハインドとなりました。
本校は、堪らずタイムアウトを取って流れを切ろうとしますが、一度失った流れはなかなか取り戻せません。エースが完全に抑えられて攻め手を失った本校は、相手の猛攻に耐えつつ僅かな隙をついて反撃の糸口を探します。そうした中、途中出場した小柄な選手が、タイトな相手のマークをかいくぐり、股下からポストにパスする超絶ファインプレーを見せ、1点を返したところで前半終了のブザーが鳴り、6-9の3点ビハインドで後半を迎えることとなりました。
ハーフタイムには、ハードワークした身体をしっかりと休めながら監督の指示を確認し、反撃の狼煙を上げるために選手同士が声を掛け合い、気持ちを引き締め直してコートに飛び出していきました。
迎えた後半も苦しい展開は変わらず、開始直後から一進一退の攻防が続きました。本校エースフローターに対する徹底した守備は変わらず、なかなか攻撃の糸口が見いだせない中、中央突破ではなくサイドが飛び込んでシュートする場面もありましたが、前半から本校の攻撃の前に壁のように立ちはだかって、ことごとくシュートをブロックしてきた相手GK(ゴールキーパー)の神がかり的なセーブにあい、思うように得点することができません。
8-13と5点差となったところでタイムアウトを取り、再度攻撃の戦術を確認して、昨年はエースフローターだったポストプレーヤーをフローターに据えたことで相手のマークが甘くなり、新旧エースフローターの強引な突破から4連続得点を挙げて12-14の2点差に追い上げ、一気に流れを引き寄せて会場はこの日一番の盛り上がりを見せました。
しかし相手監督も経験豊かなだけあって、本校ペースになりかけたタイミングでタイムアウトを取って試合の流れを分断し、浮足立った相手選手たちを落ち着かせます。
すると、息を吹き返した相手は、前に出てプレッシャーを強め、本校のミスを誘ってボールを奪ってカウンターから3連続失点を喫してしまいました。
後のない本校は、カウントダウンを始めるタイマーを横目にオールコートプレスでボールを奪いに行きますが、最後は相手に逃げ切られ、試合終了のブザーを聴きました。
歓喜に湧く相手とは対照的に大粒の涙を瞳に溜め、歯を食いしばる本校の選手たち。天と地ほどの差の中で、言いようのない悔しさと手に掴みかけた関東大会の切符を逃したショックはスタンドで見ていた私たち以上に選手たちが感じているはずです。
しかし、勝負事には勝者がいれば敗者もいるのです。ここまで順当に、そしてどの試合も大差で勝ち上がってきた本校に対して、厳しい試合を苦しみながら勝ち上がってきた相手の方が勝負に徹した良いゲームをしたということです。
本校の選手たちは、決して技術的に劣っていたわけではないと感じましたが、本日の試合では相手の対策の前にストロングポイントを出し切ることができませんでした。そうした対戦相手に対する対策を徹底した相手が本校の強みを消し、少ないチャンスを確実に得点に結びつけたことで試合を制したということです。また、本校もこれまで幾度となくGKのスーパープレーに救われてきましたが、相手GKのビッグセーブの連続が相手チームを勇気付け、試合の流れを引き寄せたのだと感じました。本日のMVPは間違いなく相手GKだと言っていいでしょう。
残念ながら、本日の試合には敗れましたが、そこには敗戦した理由が必ずあるはずです。本校選手たちには、次なる戦いの場であるインターハイ予選でリベンジするためにも、その理由から目をそらさずに糧として更なる成長を目指してほしいと願います。
続いて行われた男子の試合は、強豪埼玉栄との対戦となりました。両チームとも既に関東大会出場権を獲得しており、どちらが3位を獲得するかというプライドを賭けた試合となりました。
本校のスローオフで始まった試合は序盤から本校が流れを掴み、2枚看板の本校エースフローターを中心のスローなボール回しから一気にギアをあげてスイッチを入れる攻撃パターンがはまり、一気に5-1とリードを広げました。
しかし、相手は全く動揺することなくパワフルなポストプレーや小気味よいステップからの中央突破などアジリティー(俊敏性)とパワーにものを言わせた豪快な攻撃で反撃に出ます。受け身に回った本校は一気にギアを上げた相手について行くことができずに失点を重ね、前半中盤には5連続失点を含み10-13とリードを許す苦しい展開となりました。
追いかける本校はサイド攻撃に活路を見出しますが、これがことごとくゴールポストに跳ね返されて得点できません。そうした中、12-17と5点のビハインドとなったところでポストプレーやアウトサイドからのロングシュートが決まり、5連続得点で1点差に迫ります。しかし相手もパワフル且つスピーディーな攻撃で応戦します。前半残り2分を切ったところで相手が悪質なファールで2分間の退場となり、本校は1人多いパワープレーを仕掛けますが、執拗なマークに相手を振り切れずそのまま前半終了のブザーを聴きました。
仕切り直して始まった後半は、開始直後から相手が一気にギアを上げて猛攻を仕掛け、勝負を決めにきました。その勢いに押され、本校は必死に喰らいつこうとするも突破され、8連続失点を喫してしまいました。その後1点返すも更に3失点し19-31と大量リードを許す厳しい試合運びとなりました。後半中盤からは相手の勢いも下がり、一進一退の攻防となりましたが、時計だけは無情にもどんどん進んでいきます。
残り5分となったところで本校はオールコートプレスに切り替え、積極的にボールを奪いに前に出ます。しかし、相手も冷静な対応で、大きく空いた背後のスペースに走り込まれ、次々とGKとの1対1に持ち込まれます。
試合の行方が決まった27分過ぎには、両軍がメンバーチェンジをしてサブメンバー中心の戦いとなり、それぞれが得点を重ねたところで試合終了のブザーとなりました。結果としては、女子の敗戦に続き、男子も29-41の大差で敗れ、男女ともにこの大会を4位で幕を閉じることとなりました。
本日は大敗を喫しましたが、男子選手たちには関東大会の出場権が与えられています。本県第4代表とはなりますが、県の代表であることに変わりはありません。胸を張って1年越しにリベンジを果たした関東の舞台に向かってほしいと願います。
本日は、残念ながら三郷市界隈では「南の風」を感じることができず、男女とも勝利を収めることができませんでした。しかし、順当に準決勝までコマを進めるとともに、本気モードの厳しい試合を経験し、自分たちの現在位置を確認することができたはずです。そして、更なる精進を重ねなければ、自分たちが描いている目標に到達することができないこともその肌で感じたはずです。負けた試合には負けた理由が必ずある。そうした自分たちに足りない部分に目を向け、これまで以上に地道な鍛錬を積み重ねることで、更なる成長を果たして、次なる戦いに挑んでほしいと願います。皆さんなら、必ず実現できるはずです。
本日は、GWの大切なお休みにもかかわらず、多数の保護者の皆さまにご来場いただくとともに、大声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら男女とも勝利を手にすることはできませんでしたが、必ずやこの悔しさを晴らす日が訪れると信じています。その日を皆さんとともに楽しみにしたいと思います。本日は、誠にありがとうございました。
頑張れ、越南生!頑張れ、男女ハンドボール部!