Oliveカラーの誇り(衣替えの儀:夏)
今年は6月1日が日曜日であったため、昨日6月2日(月)が生徒たちにとって6月最初の登校日となりました。本校では、近年の気候変動を考慮して制服移行期間1ヵ月を含むものの、基本的には5月31日をもって夏服への衣替えとなり、6月1日からはそれまで着用した紺色の冬服を脱ぎ、越南伝統のOlive カラーの制服を身に纏って登校してきます。
衣替えは、四季折々の季節によって気候が大きく変化する我が国の特徴的な文化で、古くは平安時代の宮中行事から始まったとされています。当時の衣替えの時期は旧暦の4月1日と10月1日とされていましたが、明治時代に政府が役人などの制服を定め、夏服を6月1日から9月30日まで着用することと制定したことから、以降広く一般的に6月1日と10月1日が衣替えの時期とされ、制服を導入した現在の教育現場でも運用されています。
学校教育においては、衣替えに関わらず、日本古来の季節行事や衣食住など、四季折々の歴史や文化を身近に感じる教育活動はとても重要であり、日本人の持つ心の豊かさもこうした教育活動によるところが大きいと感じています。
一方で近年、地球温暖化が進み、夏は体温を超える酷暑の日々が、冬は氷点下の極寒の日々が多くなるとともに、豪雨や突風、竜巻や自然火災などが多発するなど、我が国固有の四季がなくなって真夏と真冬しかないような異常な気象状況が年々拡大しています。私が高校生の頃と比べると単純に5度以上平均気温が上昇しており、現在の生徒たちが親となり私たちの年齢を迎える時代には、どのような生活が強いられるのか本当に心配でなりません。
そうした中、本校生徒たちも衣替えの時期を迎え、6月2日(月)よりOliveカラーの夏服にチェンジした姿で登校してきました。本校の制服は夏服・冬服ともに日本を代表するデザイナーである森英恵氏のデザインによるもので、特に夏服は純白とOliveカラーを採用していることで、良くも悪くも一目で本校の生徒と分かる特徴ある制服となっています。
生徒からすると、このOliveカラーの制服には賛否両論があるようですが、確かに見た目のインパクトは大きいものの、全校生徒が着用しているのを日常的に見ていると、男子はとても爽やかに、女子は清潔感があってとてもキュートに見えることから、大人の感覚としては素敵な制服であると認識しています。
生徒たちも、初めてOliveカラーの制服に袖を通すときは戸惑いがあるようですが、みんなで着ているうちにだんだんと愛着がわくようで、女子生徒たちはセーラーの襟部分にあしらわれた格子柄を「メロンパン」などと称して楽しんでいるようです。
昨日6月2日(月)に行った表彰式では、全校生徒が体育館に集まったことで、会場はOliveカラー一色となり、紺色で落ち着いた風合いの冬服とは一味違ったとても爽やかな雰囲気が会場全体に広がっていました。
生徒たちには、制服をはじめ校歌やマスコットキャラクター、部活動のエンブレムなど、本校を象徴する様々なアイテムには愛着と誇りを持って親しんでほしいと願います。Jリーグをはじめとしたプロスポーツチームやアーティストのファンクラブなど、同じ志向を持った者たちは、こうしたアイテムを上手に利用して帰属意識と一体感を高め、自己を肯定しながら高みへと向かっていくのです。
本校生徒たちには、堂々とOliveカラーの制服を着こなし、「南の風」の一員であることを誇りとするとともに、「南の風」の旗のもと、他校の追随を許さない最高の高校生活を送ってほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、Oliveたち!