校長室より

【校長室】世界に挑むためのアイテム(外国語科英語スピーチコンテスト)

 本日9月26日(木)午後2コマの授業を使って外国語科恒例の英語スピーチコンテストが開催されました。

 今年度は外部施設ではなく外国語科棟3階のLL3教室に1年生から3年生まですべての外国語科の生徒が集まり、120名余りの生徒や教職員の前で各学年の代表者合計13名によるスピーチが行われました。

 1年生は6つの課題文の中から自分で選んだ英文を暗唱するレシテーション部門に挑み、5名の代表者がそれぞれ選択した文章の内容や場面、文章に込められた想いなどを汲み取り、自分なりの表現で発表しました。

 同じ文章を選んだスピーチも話す人によって雰囲気や表現に違いがあると同時に、正しい英文をよりネイティブに近い発音で表現しようと一生懸命挑戦する姿に感心しました。

 また、2年生からは5名、3年生からは3名の代表者がスピーチ部門に出場しました。2,3年生は、日常生活で感じている様々な経験からスピーチするテーマを決め、選んだテーマに対する想いをどのような英語で表現するのかなど発表のすべてを自分で考え作り上げるとともに、それぞれが流暢なスピーチと豊かな表情、身体全体を使ったアクションで自身の考えや想いを伝えました。そのスピーチには、それぞれの発表者が聴く人に訴えかけるメッセージ性が強く、高校生らしい視点から感じているのであろうトピックに対する意識や想いがしっかりと込められていました。

 総じて感じたのは、100名を超える聴衆の前に立っても、どの生徒も堂々とした姿でスピーチに臨んでいたことで、苦手意識があると羞恥心も相まってどうしても消極的になりがちな若者たちの殻を破って、勇気と自信を持って自分自身をオープンに表現する姿に感銘を受けました。

 中には、目を閉じるともはやネイティブじゃないかと思うほど流暢な英語でスピーチする生徒もみられ、スピーチした皆さんの英語力の高さと現代の若者たちの持つエネルギーに感心するとともに、聴いていたこちらが勇気と感動をもらった気がしました。

 今回のスピーチコンテストでは、レシテーション部門、スピーチ部門それぞれ皆さんの優秀なパフォーマンスを讃えて表彰を行いました。その中でスピーチ部門に出場し、最も優秀なパフォーマンスを見せた2年生の伊藤笑理菜さんが最優秀賞を獲得し、11月に行われる埼玉県高等学校英語スピーチコンテストに出場することとなりました。伊藤さんには、本校の代表として自信を持ってコンテストに臨み「南の風」を吹かしてきてほしいと思います。

 近年は人生100年時代と言われます。高校生の皆さんからすると、この先80年以上の人生が待っていることになります。皆さんが大人になり社会に出ていくこれからの世の中では、AIの台頭で様々な職業がテクノロジーに奪われ、やがては人間にしかできない限られた職業に世界中の人々が自身の身の置き場を求めることになります。そうした社会ではOnly Japaneseの狭小な考えでは満足する生活を維持することが難しくなる未来が必ずやってきます。グローバル化が加速度的に進む未来においては、日本国内にとどまらず外国の方々と外国語で対等なコミュニケーションを取り、意思疎通を図りながら協働する力が必ず求められることになります。

 私は学生時代から英語が得意ではなく、上手く話せない羞恥心もあって英会話の熟達を疎かにしてきました。日本で教師を職としていくには大きな支障はないだろうと高を括っていましたが、実際に社会人となり大人になってから外国の方々と接する機会が思いのほかたくさんあり、そのたびに英語が喋れないことに大きなコンプレックスと不便さを感じています。そんな思いから、本日は私も勇気を出して英語でのあいさつや表彰に挑戦してみましたが、やはり本日素晴らしいスピーチをした皆さんのように上手くはいかず、「英語が喋れるカッコいい校長」は演じられなかったとともに、改めて修業が必要だと強く感じました。

 皆さんには、せっかく本校に入学し、外国語科の生徒になったのだからこそ、学ぶ力の大きい学生のうちに、臆せず気軽に英語に触れ、親しみ、グローバルな視点を持って世界中に見聞を広め、勇気をもって外国の方々と積極的に交流しながら、Only Japaneseの世界では味わえない未知なる体験に身を賭してほしいと願います。必死になって学んで身に付けた力は、どのような力やレベルであっても実際に活用しなければ身に付けていないことに等しく何の意味も生み出しません。失敗やうまくいかないことを恐れずに勇気をもって自分の力を試し、活用してみることで初めてその力に価値が宿るのだと思います。近い将来皆さんが世界に飛び出し様々な困難に直面した時には、皆さんが現在学んでいる語学力が皆さんを成功に導く大きなアドバンテージとなるはずです。そしてその先には、本日特別講師としてお越しいただいた本校外国語科42期生OGの石黒さんがおっしゃっていたように、世界の舞台で活躍するチャンスを手にできる可能性が高まるとともに、皆さんが求める「満足できる未来」が必ず待っているはずだと思います。

 大丈夫、皆さんなら、それが実現できると信じています。

 頑張れ、越南生!頑張れ、外国語科諸君!

【校内審査結果】

レシテーション部門(1年生) 1位:内館英里佳 2位:只野結菜 3位:持田那音

スピーチ部門(2,3年生) 1位:伊藤笑理菜 2位:高田真愛 3位:高橋琉奈

 レシテーション部門に挑戦した1年生

 スピーチ部門に出場した2年生

スピーチ部門に出場した3年生と企画を運営してくれた3年生