決勝進出の壁に跳ね返され…(サッカー部新人大会準決勝)
本日2月1日(土)越谷市しらこばと運動公園陸上競技場にて、サッカーの東部支部新人大会準決勝が行われ、先週行われた準々決勝を4対2で勝利して準決勝にコマを進めていた本校サッカー部が出場しました。
しらこばと運動公園は、地元越谷市が管理する総合運動公園であり、近年サッカー専用スタジアムで使用されている常緑の洋芝と異なり、冬には枯れてしまうティフトン芝ではあるものの、天然芝の競技場でプレーできることは、サッカープレーヤーにとっては恵まれた環境であり、結果を積み重ねた者しか味わうことのできない貴重な1日となりました。
対戦相手は、東部地区有数の強豪校である越谷西高校となりました。越谷西高校は、昔から運動部活動に力を入れ、どの部活動も東部地区を代表する学校として名を馳せてきたスポーツ重視の学校であり、サッカー部も、ここ20年ほど東部地区の覇権を争う好成績を収めてきました。それ故に、自然と強豪クラブチームなどから公立志向の地元の優秀な選手が数多く集まり、個人スキルや戦術理解度が高い選手が多数在籍するチームとなっています。近年は、顧問の異動などにより勢力分布が変化し、私立高校の後塵を拝していますが、それでもなお強豪校であることに変わりはなく、本校にとっては挑戦者として試合に臨むこととなりました。
試合は午前10時に越谷西高校のキックオフで始まり、戦前の予想通り開始直後からボールを握られ、少ないタッチから大きな展開へと移る攻撃は見事で、完全にゲームを支配され、フロントコートにボールを運べない展開が続きました。
監督からは、試合前に開始10分の集中力と守備重視のゲームプランが示され、心構えはできていたものの、相手のポゼッションについていけず、押し込まれた場面ではCK(コーナーキック)に逃れるのがやっとの苦しい時間が続きました。それでも本校イレブンは、集中を切らさず、強固なブロックを形成して跳ね返し続け、効果的な攻撃には移れないまでも、だんだんと守備のリズムが構築されていきました。
それまで何度かあったピンチを凌いでゲームが膠着し始めた矢先で迎えた前半25分、ハーフライン左サイドのミドルゾーンでセカンドボールを拾われ、ディフェンスラインがアップしようとした一瞬の隙にゴール正面のバイタルエリアにアーリークロスを入れられ、1人残っていた相手FW(フォワード)にディフェンスラインの背後に抜けられてしまいました。本校はサイドバックとセンターバックがサンドする形で突破を阻もうと試みましたが、その真ん中を上手く抜けられて、ゴール正面から左上の隅にミドルシュートを叩き込まれ、痛恨の失点となりました。苦しいながらもリズムができつつあった時間であったため、選手たちが受けたダメージは大きく、掴みかけた流れが一気にふりだしとなってしまいました。
その後も相手の猛攻は波のように続き、苦しい展開は続きましたが、本校イレブンも粘り強くボールに喰らいつき、前半は1点ビハインドのまま終了しました。
ハーフタイムには、相手がピッチサイドで休んでいるのに対して、本校は一旦ロッカールームに引き上げて、心と身体のリセットを図りました。勝てば夢の県大会出場という舞台に過度な硬さが見られた前半でしたが、闘志は決して失ってない本校イレブン。前節の鷲宮戦で今大会初めて先制点を奪われた後、後半怒涛の攻撃で4点をもぎ取り勝利したことが思い出され、監督やコーチからの指示をしっかりと頭に叩き込んで、気合十分で後半のピッチに飛び出していきました。
すると、後半開始から運動量に勝る本校に流れが傾き、敵陣での攻防の時間が徐々に増えてきました。前に出てセカンドボールを拾い、相手を執拗に追いかけてボールを奪うなど、相手を苦しめる場面が増えましたが、肝心のフィニッシュシーンまでは持ち込むことができず、相手ディフェンスに跳ね返される展開が続きました。
決め手を欠く本校イレブンに対して、相手は奪ったボールを丁寧にポゼッションし、徐々にリズムを取り戻され、残り時間が刻一刻と少なくなっていく中、本校は1点を返すために前がかりとなり、その隙を突かれて相手に大きなサイドチェンジから背後へのスルーパスを幾度となく通され、あわや失点という大ピンチが何度かありましたが、最終ラインとゴールキーパーの体を張ったプレーで凌ぎ続けました。
本校は、なんとか同点弾をゲットすべく、フレッシュな選手を同時に2人投入し、更なる攻撃の活性化を図りますが、百戦錬磨の相手は冷静に本校の攻撃を跳ね返し続け、前半に失った1点が重くのしかかるまま、最後まで相手ゴールのネットを揺らすことが叶いませんでした。
試合終了を告げる無念のホイッスルを聞いたイレブンは、全力を尽くしたものの、心は不完全燃焼のまま、強烈な悔しさで一杯となったのだと思います。ただ、客観的に見れば、メンタルの成熟度では本校の方が勝っていたものの、やはり技術や戦術の面では相手に一日の長があったことは否めません。そうした「差」を体感し、素直に受け止めることも、今後の成長のためには重要なスキルのひとつであると言えます。
試合後、応援に駆けつけてくださった保護者の皆さまに対して挨拶する際に、キャプテンが「全力を尽くしたが勝つことができなかった。でも明日は絶対に勝って、必ず賞状を持ち帰る」と力強く語っていたことが印象に残りました。
勝負事には勝者もあれば、敗者もあります。たとえ敗者となったとしてもタダで起き上がるのではなく、敗れたことから何かを掴んで成長につなげ、次こそは自分たちが勝者となるんだと強く心に誓うことができれば、必ず道は拓けるものです。サッカーは思い通りにいかないからこそ面白いスポーツなのです。本校イレブンには、強豪校ばかりがひしめく春の関東大会予選に向かうためにも、明日の3位決定戦でこの悔しい想いをリベンジし、笑顔で大会を終えてほしいと願います。
本日も、ご多用の中、多くの保護者の皆さまにスタンドにてご声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら、本日は勝利でお応えすることができませんでしたが、皆さまのご声援が生徒たちを力強く後押ししていただけているものと感じております。生徒たちは、明日今大会最後の試合となる3位決定戦に臨みます。今後とも、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!