【校長室】「金賞」とともに西関東の舞台へ!(吹奏楽部:埼玉県吹奏楽コンクール)
昨日8月9日(金)、さいたま市文化センターで埼玉県吹奏楽コンクール高等学校Aの部が開催され、本校吹奏楽部が出場しました。
吹奏楽コンクールは、演奏者の構成人数によりABCの部門がありAの部は最も大人数の最大55人で構成される吹奏楽の世界では王道とされる部門です。
埼玉県吹奏楽コンクールは、西関東吹奏楽コンクール、全日本吹奏楽コンクールへとつながる最も権威ある大会で、全国の吹奏楽部員たちがこの大会のために活動していると言っても過言ではない、まさに各校の集大成を競い合う大会となっています。
埼玉県の吹奏楽部は西関東地区(埼玉、群馬、山梨、新潟)では非常にレベルが高く、西関東大会Aの部への出場枠21校の中で埼玉県が8校の枠を与えられており、更に西関東大会の上位3校が出場権を与えられる全国大会の切符は平成25年以後埼玉県代表の特定の3校が連続して獲得しています。それ故に県大会では、各校がその3校に挑みつつ、上位8校にしか与えられない金賞の栄誉を獲得することが目標となっています。
本校は、これまでも継続的に西関東大会出場を果たしており、今回も金賞(西関東大会出場権獲得)受賞を確実に果たすため、120名の部員が心をひとつにして大会に臨みました。
会場には、地区大会を勝ち抜いた学校とシード校(本校はシード校)の22校が集まるとともに、それぞれの保護者たちが大勢詰め掛け、ブロックごとに観覧者を入れ替えながら緊張感のある雰囲気の中で行われました。
出場した各校の演奏を見ると、全体の人数や楽器配置の微妙な違いだけでなく各パートや楽器を担当する生徒の人数にも違いがあり、個々の演奏スキルや協調したいパート、全体の音の調和など、各校が演奏曲の特徴を踏まえ、全体のバランスを考慮しながら独自のカラーを打ち出している様子を強く感じました。
全国大会常連校を含め、さすがに県大会出場校だけあって、どの学校も美しく重厚で迫力のある演奏を見せる中、本校は全体の16番目に登場しました。顧問で指揮者の岡田教諭が会場に向かって一礼するとともに部員たちの表情が一気に引き締まり、全員の視線が指揮者に集中する中で演奏が始まりました。
本校は課題曲に多くの学校が演奏した「メルヘン」を選択しました。他校の演奏を聴いていて耳に残っていた曲調でしたが、指揮者のタクトに合わせて始まった演奏は、第一音から澄んだ美しい音色で始まり、音の強弱、リズム、ハーモニーともに他校の演奏以上に洗練された美しいものでした。続いて演奏された自由曲『「幻想交響曲」よりVサバトの夜の夢』では、課題曲以上に音の重厚感があり、2階席で鑑賞していた私に向かって音の波が幾重にもなって押し寄せてくるような迫力を感じる素晴らしい演奏となりました。
22校すべての演奏終了後に行われた結果発表と表彰式は、出場校の生徒と顧問のみで行われたため、帰路につきつつ公式ホームページ上での発表を待つことにしました。本校の演奏が終了した時点で金賞受賞を確信してはいましたが、その後に演奏された強豪各校の演奏もとても素晴らしく、祈る思いで開いた画面には、すべての出場校の審査結果が掲載されており、本校の出場順16の後には「金・代表:県立越谷南高等学校」の文字が記されていました。
無事、埼玉県代表の8校に選ばれるとともに西関東大会への出場権を獲得した吹奏楽部員たちの演奏は、定期演奏会や学校行事でも頻繁に聞く機会があり、そのサウンドの美しさにいつも心を動かされる思いをしていましたが、今回の大会では、同じように吹奏楽に情熱を注ぎ、高校生活の全てを賭ける強豪校たちとの演奏の中で、改めて越南サウンドの特色である「一体感」を根拠とした美しさに感動を覚えました。日々個人の演奏スキルを磨くとともに、同じ時間、同じ空間を共に過ごし、長い時間をかけて心を一つにして作り上げた演奏に込められた想いが音の波となって次々に押し寄せてくるのを素人ながらに身体全体でしっかりと感じることができました。こうして部活動に情熱を持ち、仲間と協力して部全体の飛躍に向けた努力に邁進する姿は、高いレベルでの「文武両道」の実現を目指す本校生徒たちの模範でもあります。吹奏楽部員の皆さんには、自分たちの取組に自信をもって更なる飛躍を目指してほしいと願います。
また、会場には多数の保護者の皆さまにも鑑賞並びに応援にお越しいただき、心より感謝申し上げます。日頃から長い時間をかけて部員同士が一体感を深め、作品を作り上げる活動は、他の部活動以上に保護者の皆さまやご家族の方々のご理解とご協力がなければ実現が困難なものであり、本大会で生徒たちが手にした「金賞」と「埼玉県代表」の称号は、生徒たちの努力や鍛錬はもちろんのことですが、そうしたご家族の皆さまのご支援の賜物であると感じています。日頃から生徒の活動を温かく見守り、優しく背中を押していただいていることに重ねて感謝申し上げます。
西関東大会は9月8日(日)に新潟県新潟市民芸術文化会館にて行われます。文化祭の翌日となりますが、吹奏楽部の皆さんは西関東大会に全力を傾け、大会までの約1か月で更に一体感に磨きをかけて、全国大会への切符獲得を目指して、新潟の地で「南の風」を吹かしてきてほしいと願います。
頑張れ越南生!頑張れ吹奏楽部!