校長室より

校長室より

【校長室】1枚のキャンバスに賭けた青春(埼玉県高等学校美術展:美術部)

 本日11月30日(土)さいたま市浦和区(北浦和)の県立近代美術館において開催されている第67回埼玉県高等学校美術展に行ってきました。

 この美術展は、年齢などの制限がなく県内すべての美術家の作品が出展される県展と違い、来夏に香川県において行われる全国高等学校総合文化祭に出展する作品の選考会を兼ねるため、出展資格が高校美術部に所属する2年生以下の生徒とされており、高校生世代の展覧会としては最も格式高い展覧会とされています。

 本展覧会では、第1部の平面作品(絵画、版画、デザイン、工芸、彫刻)、立体作品(彫刻、デザイン、工芸)、映像メディアの各部門に出展された作品の中から埼玉県知事賞、埼玉県教育委員会教育長賞、埼玉県芸術文化祭実行委員会会長賞と来夏の全国高等学校総合文化祭出展作品となる優秀賞(平面作品9点、立体作品5点)及び本展覧会における優秀賞(約40点)が審査員の投票により選出される規定となっています。また、併せて第2部には授業作品やポスター作品が出展され、ポスター作品の中から数点の優秀賞が選出される規定となっています。

 また、芸術関連学科を設置する学校以外は各校における出展数が7点までと規定されており、各校の代表作品として2年生部員の作品が出展されることが多いのが特徴であるとも言えます。

 本校からは、美術部員の中から選ばれた2年生の部員7名(長内杏樹さん、前亜沙美さん、小島あさひさん、大塚友結さん、金井結麻さん、藤野美裕さん、島村心結さん)が個々に題材や構図を決め、長い時間をかけてキャンバスに向かい、想いの丈のすべてを詰め込んだ渾身の作品を出展しました。7名の作品はともに規定される大きさの中で最も大きなサイズで、愛猫や幼い子ども、ネイルした手や夜桜、チーズバーガーなどどれも個性的なテーマで、それぞれ細かな部分まで丁寧に描かれており、今にも額から飛び出してきそうな迫力を感じる作品に仕上がっていました。

 それぞれの作品には、制作者である生徒の想いが詰まっており、題材に対する愛情や「好き」という思い入れが強く感じられ、観る人に大きなインパクトを与える素晴らしい作品となっていましたが、他校の生徒の作品もそれぞれに特徴があり見応え十分な作品ばかりで、本校生徒の作品は惜しくも入賞を果たすことは叶いませんでした。

 5月に行われた県展で高校生世代の最優秀作品となる高校生奨励賞を受賞した豊島礼芽さん(3年)の作品「桜」(現在埼玉県庁の教育委員会室に展示)もそうでしたが、今回の展覧会で上位入賞を果たした作品は、総じて大きなキャンバスをミリ単位の細かさで繊細に描かれており、素人目に見ても描く技術はもとより制作にかけた時間と労力が伝わる大作となっていました。

 本校美術部の生徒たちは、活動している様子をたまに見に行くと、日頃から黙々とキャンバスに向かい、一筆一筆丁寧に描いている姿が印象的です。また一方で、キャンバスに向かっているときの真剣な表情とは別に、校長室に案内を持ってきてくれた際など、高校生らしい素敵な笑顔で明るく話してくれる姿が目に焼き付いています。今回は残念ながら入賞を逃す事となりましたが、みなさんの描いた作品が、観る人の心にしっかりと届いていることに自身を持って、今後もそれぞれの感性を磨き、さらなるスキルの向上を目指して精進してほしいと願います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、美術部!

 
 

【校長室】書道部2年連続で全国へ(埼玉県高等学校書道展)

 本日11月23日(土)さいたま市浦和区(北浦和)の県立近代美術館で開催されている第63回埼玉県高等学校書道展に行ってきました。

 この展覧会は、県内の高等学校に在籍する高校生書道家たちが、日頃の活動の成果を発表する最大の展覧会で、来夏に香川県で行われる全国高等学校総合文化祭(文化部のインターハイ)に出展される作品を決める選考会を兼ねており、高校生にとってはまさに高校部活動の集大成ともいうべき権威ある展覧会となっています。

 会場には県内109の学校から、756点の作品が展示されており、オーソドックスな漢字のみの作品や仮名のみの作品、仮名混じりの作品に加え、皿や板に書かれた作品など、様々なスタイルの作品が並んでいました。作品は、同じテーマを選んで同じ文字を書いた作品でも、全く趣の異なる作品に仕上がっており、それぞれの生徒が一筆一筆に想いを込めて書いたもので、どの作品も迫力があり見応え十分な作品ばかりでした。

 審査は、県内書道界を代表する専門家の方々による投票での得票数により来夏の全国総文祭に出展する県代表作品が選ばれる規定となっており、多様な専門的観点を持つプロの審査員たちに認められた作品が全国への切符を手にすることになります。

 本校からは、2年生の書道部員12名が、それぞれ入学以来コツコツと磨いてきたスキルを全投入して書いた渾身の作品を出展し、その中から村田優月さん(2年)の作品「杜甫飲中八仙歌巻」(草書)が、全756点の作品の中から12点しか選ばれない最優秀作品に選ばれ、見事来夏に四国香川県で行われる全国高等学校総合文化祭(かがわ総文祭2025)に埼玉県代表作品として出展されることが決まりました。

 顧問の先生によれば、村田さんは、本校入学以来長時間の通学時間を苦にすることなく、直向きに、そして地道に腕を磨いてきたとのことで、自身の作品が県代表に選出されたことを知った瞬間、その瞳からは大粒の涙が溢れ出たとのことでした。それほどの強い想いを持って「自身のやりたいこと」に向き合い、その成果としてプロの目に留まるほどの作品を作り上げることができたのは、紛れもなく村田さん自身の「書」に対する情熱と不断の努力の賜物であり、文武両道の実現を目指す本校生徒たちの模範でもあります。

 本校書道部は、昨年度のこの展覧会において同様に全国出展作品に選ばれた横山璃乃さん(3年)の作品「臨 伊都内親王願文」に続き、2年連続で全国総文祭出展の切符を手にしたことで、部員たちが「書」に向き合うレベルの高さが伺える形となりました。

 また、今回残念ながら入選を逃した他の生徒の作品も、それぞれに想いが込められ、迫力を感じる素晴らしい作品となっていました。

 書道部の皆さんは、日頃から顧問の指導のもと、静かな書道室で地道に根気強く書に向き合い、一筆一筆に想いを込めながら、黙々とそして丁寧に鍛錬を重ねている姿がとても印象的です。イベントで見せてくれる笑顔溢れる書道パフォーマンス以外の活動は、決して派手さはありませんが、その真剣な眼差しと張り詰めた緊張感の積み重ねが、こうして全国への扉を開く力を確実に育んでいるのだと考えます。

 書道部の皆さんには、今後も基礎基本を大切にしながら、自身の心とその手に握った筆の描く書に向き合い、向上心を持ってスキルを磨いてほしいと願います。次は、あなたの作品が大きく輝く時を迎えるはずです。

 頑張れ、越南生!頑張れ書道部!

 

 

【校長室】激闘を制し男女ともに代表決定戦へ(男女ハンドボール部新人大会)

 本日11月23日(土)三郷市総合体育館において埼玉県高等学校ハンドボール大会新人大会の3位決定戦兼関東大会第2代表決定戦進出トーナメントが開催され、いずれも準決勝で惜敗し決勝進出を逃していた本校男女ハンドボール部が関東大会への第2代表決定戦進出を賭けて試合に臨みました。

 先に試合があったのは女子で、私が会場に着くと、ウォーミングアップ前の女子部員が集まってくれたので一言激励すると、私を見つめる部員たちの瞳は自信と闘志に満ちてギラギラとしており、良いゲームができそうな予感がしました。試合は10時開始で、今年3月まで本校の顧問として部員たちを指導していただいていた園部先生が率いる三郷北高校と対戦しました。園部先生は当然ながら本校部員の特徴や戦い方を熟知しており、周到に対応策を打ってくることが予想されましたが、試合が始まってみれば、昨年からレギュラーの座を確保していたエースフローターとサイドの攻撃が開始直後から次々と決まり、幸先よく5点のリードを奪うことができました。

 しかし、相手も流石にベスト4に進んできた強豪チームだけあってやられっぱなしで進むはずもなく、本校エースフローターにマンマークを付けて攻撃のリズムを寸断するとともに、相手エースの強烈なシュートからあっという間に2点を返され、一気に緊張感のある試合展開となりました。以降は一進一退の展開が続きましたが、自軍のミスから与えたPS(ペナルティスロー)を本校GK(ゴールキーパー)が見事にセーブしたことを契機に試合の流れが一気に本校に傾き、終始リードを保ちながら前半を17‐7の大差で折り返しました。ハーフタイムには監督・コーチの指示に加え、キャプテンを中心に声を掛け合って戦術を確認し、気を引き締め直して後半に臨みました。

 後半は開始直後から一気にペースを掴み、堅実なディフェンスから相手のミスを誘ってボールを奪い、速攻から得点を重ねて一方的な展開となり、残り10分余りとなった頃には30‐9と大量リードを奪って試合を決定づけました。

 何とかリズムを変えたい相手がタイムアウトを取ったタイミングで、本校は明日の代表決定戦に備えてレギュラーメンバーを温存し、セカンドチームをコートに送り出しました。代わって出たセカンドチームのメンバーは重要な公式戦であるという緊張感からか、声を掛け合い必死にプレーするもののコンビが上手く合わず、リズムを掴めない中で5連続失点を喫しましたが、最後は正面から豪快にシュートを決め、良い形でタイムアップのブザーを聞くことになりました。終わってみれば31‐14の完勝で、危なげなく明日の代表決定戦への進出を決めました。

 女子の試合に続いて11時30分から始まった男子の試合は、私立の強豪埼玉栄高校との対戦となりました。女子の勝利で応援席も一体感を増し、更に女子部員たちの気持ちのこもった大声援で盛り上がりを見せる本校は、開始直後から相手を攻め立て、10分余りの間に7‐2と大きなリードを奪いました。このまま一方的な試合展開になりそうなタイミングで相手監督が堪らずタイムアウトを要求し、立て直しの檄を飛ばすと、相手も徐々に実力を発揮し始め、その後は一進一退の攻防となりました。前半14分が経過した頃、11‐5とリードした場面で、相手の巧みなパスワークからのシュートシーンに対応した本校選手に反則があり2分間のペナルティが課せられ、1人少ない状況で耐える時間が続きました。

 このタイミングで、相手は本校のエースにマンマークを付け、エース封じの策に打って出たことで、本校も攻撃のリズムを失い、一進一退のまま試合が続きました。

 苦しい展開の中、2分間のペナルティが解けたタイミングでコートインしようとした本校選手が、まさかの不正入場のジャッジを受け、更に2分間のペナルティが課され、1人少ない状況での対応を強いられたこの4分間で徐々に相手に流れが傾いて行きましたが、本校はGKを中心に粘り強く守り、4点のリードを保ったまま前半を折り返しました。

 ハーフタイムには、女子の試合と同様に監督の指示を受け、選手同士で入念な戦術の確認をして後半に臨むと、開始直後に相手がペナルティにより1名少ない状況となり、一気に試合を決めに行きましたが、本校にもミスが連発し、逆に点差を詰められることとなりました。エースがマンマークされリズムを失っていた本校は効果的な攻撃が封じられたことで、やむなくエースフローターを下げ、それまでサイドだった1年生をフローターに据えました。これが見事に功を奏し、一時は2点差まで迫られた苦しい状況で、代わった1年生フローターが、しなやかな身のこなしから絶妙なシュートを次々と決め、失いかけていたリズムを引き戻し、その後は5点以上の差を保って試合を進めました。

 最後は残り2分余りとなったところで犯した自軍のファールにより1人少ない苦しい展開となる中、鬼気迫る迫力で追いすがる相手を冷静にいなし、終わってみれば39‐34とセーフティリードを保ったまま試合終了のブザーを聞きました。

 試合後に集まってくれた男子部員たちにねぎらいと激励の言葉をかけると、その眼には本日のゲームでの失敗に対する悔しさを感じると同時に、明日の試合に向けて挑戦する決意と自信に満ちたエネルギーを感じました。

 男女の試合を通じて感じたのは、エース封じに特化した相手の戦術に苦しむ中で、次なるエースが台頭しヒーロー、ヒロインとなってチームを救ったこと。そして、男女ともディフェンスが安定し、相手のストロングポイントを発揮させなかったことが勝利に繋がりました。その中でも、男女ともにGKのスーパーセーブが特に素晴らしく、自軍の大ピンチを幾度となく防いで、試合の流れを相手に渡しませんでした。専門外ながら私の主観では本日のMVPは男女ともにGKではないかと感じました。

 本日の勝利で、男女揃って3位が確定するとともに、明日関東大会出場を賭けて開智高等学校で行われる第2代表決定戦に臨むこととなりました。対戦相手は男女とも本日行われた決勝戦で敗れた名門浦和実業高等学校となりました。相手は全国大会常連の強豪校で、厳しい試合となることが予想されますが、チャレンジ精神を持って、最後まで諦めることなく全力で戦ってほしいと願います。自分たちの力を信じて自信を持って挑んだ先に「勝利」が待っているのだと思います。気負わず、焦らず、闘志を持って闘うことを願います。

 また、本日はたくさんの保護者の皆さまにご来場いただくとともに、選手の背中を押す熱いご声援をいただき、心より感謝申し上げます。本日の勝利は、ご家族の皆さまの日頃からのご支援と、熱いご声援の賜物であると考えております。残念ながら明日は無観客での試合となり、部員たちの勇姿を見ることは叶いませんが、必ずやベストを尽くし、関東大会への出場権を獲得してくれると信じ、皆さまとともに吉報を待ちたいと存じます。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ男女ハンドボール部!

 

 

 

【校長室】お詫びと御礼(第7回学校説明会)

 昨日11月16日(土)本校外国語科棟及び生徒ホール食堂にて第7回学校説明会を開催しました。

 この時期、多くの高校で盛んに学校説明会が行われる中、本校の説明会に200組400名を超える中学生及び保護者の皆さまにご参加いただき、誠にありがとうございました。

 当初の予定では、外国語科棟において2部制で実施する予定でございましたが、受付開始後に多数の皆さまからのお申し込みがあり、短期間で定員に達する状況がございました。 

 中学3年生にとっては、この時期は志望校を決定する上で最も重要な時期でもあり、10月末に発表された各校の志願倍率などを参考にしながら、候補となる学校を絞り込んでいく最終段階となる時期でもあります。こうした状況を踏まえ、本校への受検をご検討いただいているすべての受検生に参加していただけるよう、急遽会場を増やし、3部制での実施といたしました。これに伴い、生徒ホール(食堂)での実施となり、快適な環境を十分にご提供することができない状況がございましたことを心よりお詫び申し上げます。

 一方で、高校入学後にお弁当ではなく食堂で昼食を摂らせたいとお考えの保護者の皆さまには、食堂の提供メニューや金額などもご確認いただけたのではないかと考えております。他校では、業者の撤退等により食堂の営業がない学校が増加している中、本校の食堂は、本校卒業生である経営者が母校の生徒たちに対する熱い想いを持って営業していただいており、定期考査期間を除いて毎日営業し、ボリューム満点で美味しいメニューが提供されており、食欲旺盛な成長期の生徒たちの胃袋を満足させています。私をはじめ、多くの教職員も毎日利用しています。

 本日参加された皆さまには、冒頭のご挨拶の中で、受検生自身やご家族が納得できる志望校選びをしていただきたいとお話しさせていただきました。高等学校は義務教育と違い、学習指導要領に則った教育内容を担保しつつ、各校が特色ある教育活動に取り組むことが求められており、同じ普通科の学校でも、提供されている教育方針や教育内容は全く異なるものであり、その学校の教育方針や教育内容に納得して入学することが、生徒にとって有意義で満足できる3年間を送ることにつながると考えており、受検される皆さんには、どの高校に入学するにせよ、入学後に有意義な高校生活を送ってほしいと願っているからです。そうした意味では、納得できる学校が本校ではないと考える方がいても、本校としては残念ではありますが、それはやむを得ないことであるとも考えています。

 本校は、「文武両道」を校訓に掲げ、自己実現に向けた勉学に励みつつ、部活動に青春を賭け、自主自立を促しながら人間的な成長を強く求める教育活動に取り組んでいます。高校3年間、勉強も部活動も決して諦めない高い志と日々の地道な努力の積み重ねが生徒を大人へと成長させ、やがては心に描く自己実現を達成することにつながると信じて、ほとんどの生徒が「自走」しながら勉学にも部活動にも熱心に取り組んでいます。

 また、本校の生徒は、学校のキャッチフレーズである「南の風」にプライドを持っています。「南の風」とは、主体的に勉学や部活動に取り組むとともに、共助の精神を持って、ともに高め合い、助け合い、誰一人欠けることなく全員で高いレベルのゴールを目指す精神を表したもので、本校の生徒と教職員の一体感を具現化した言葉です。どの部活動の生徒たちも、この「南の風」を吹かせるべく、強い一体感を意識しながら活動しているのが本校の大きな特徴の一つです。

 本校では、「勉強だけ」とか「部活動だけ」でなく、どちらも諦めずにチャレンジすることを強く生徒に求めており、こうした校風に共感できる生徒の皆さんの入学を期待しています。

 本日の説明会に参加し、本校の校風や教育活動への理解を深めていただいたことで、今後、様々な学校の特色と比較検討しつつ、最終的には、本校の校風にご納得いただき、皆さんが大切な高校3年間を「南の風」の一員として過ごすために本校を志望校に選んでいただくことにつながれば、本校としてはこの上ないことであると考えています。

 なお、本日の説明会は1時間程度の短時間でのご対応となりましたため、理解を十分に深めていただくことができなかった方もいらっしゃると拝察いたします。ご不明な点等ございましたら、遠慮なく本校教頭あてにお問合せいただければ幸甚に存じます。

 本校では、教職員生徒一同、皆さまのご入学をお待ちしています。

 頑張れ、受検生!

【校長室】県大会準優勝、外国語科の輝き!(埼玉県高等学校英語スピーチコンテスト)

 昨日11月11日(木)さいたま市立浦和高等学校において第75回埼玉県高等学校英語スピーチコンテストが開催され、過日行われた校内予選を勝ち抜いた伊藤笑理菜さん(2年:外国語科)が本校代表として出場しました。

 この大会は、高校生の英語力向上と県内高等学校の英語教育の充実を目指すとともに、生徒のグローバルな活躍を期待するもので、本年度は県内の公立高校及び私立高校34校から代表者1名、計34名が参加しました。

 午前9時からコンテストが始まり、発表者は段上に設置された演台の前に立って審査員の視線を一斉に浴び、強烈な緊張感に包まれながら順にスピーチに臨みました。

 スピーチのテーマや内容は、発表者自身が決定し、自身の経験や知識をもとに考察した自身の考えや想いを聴衆に発信し、その内容と英語力、情熱や伝達力などを基準として審査が行われました。

 伊藤さんは全体の28番目に登場し、校内選考時に発表した「How to Overcome Your Hidden Fear」を披露しました。スピーチの内容は中学校時代の自分から脱却し、自身の望む高校生活を送るために進学先となる高校を選び、周囲の反応に対する恐怖心を乗り越えて自己実現を果たしつつあるという本人の実体験を題材にした人生ストーリーで、これまでに直面した苦悩や決断などの場面で本人が感じた想いについて熱意を持って語りました。伊藤さんの渾身のスピーチに、会場からは大きな拍手が沸き上がるとともに、聞いていた審査員の心にも大きく響く内容となりました。

 全参加者の発表が終了後、審査結果が発表され、伊藤さんは審査員の皆さまからも高い評価をいただき、ネイティブスピーカーがたくさん出場する中で見事に準優勝に輝きました。

 県大会で準優勝という快挙は、本校史上最も優れた成績であり、伊藤さんの高いスピーチスキルと実体験に基づいた聴く人の心を動かす内容が認められたものと言えます。

 ネイティブスピーカーとして出場した伊藤さんは、優勝者が同じくネイティブスピーカーであったため、2名とされている関東大会への出場枠のうちネイティブスピーカー枠の推薦者は1名とするという大会規定により、残念ながら関東大会への出場を逃すこととなりました。伊藤さんにとっては、準優勝という評価をポジティブに受け入れつつも、同時に悔しさも感じていることと思いますが、他の外国語科設置校をはじめ強豪校がひしめく中で手にした準優勝は十分称賛に値するものであり、胸を張って良いものだと感じています。

 我が国では、今後少子化が急激に進むとともにインバウンドによる外国人訪日者や定住者が拡大し、必然的に外国の方々と接する機会が拡大していくことになります。そうした社会を生きる皆さんには、外国の方々と議論できる程度に英語力を向上し、外国の方々と接することにコンプレックスや恐怖心を持たずに、グローバルな視点で物事を考え対処できるような生徒が増えることを願います。

 頑張れ、越南生!