校長室より
遥かなる道「甲子園」(野球部夏の全国大会予選)
一昨日の7月13日(日)、越谷市民球場にて第107回全国高等学校野球選手権埼玉大会の1回戦が行われ、本校野球部が夏の甲子園に挑戦する闘いが始まりました。
この大会は、夏の風物詩ともいえる全国高校野球夏の甲子園大会の県予選であり、県の頂点を極めたチームのみに全国の高校球児たちの聖地、阪神甲子園球場で行われる全国大会に出場する権利が与えられるレギュレーションとなっています。
本校1回戦の対戦相手は、同じ越谷市に所在する越ケ谷高校となりました。越ケ谷高校は、歴史や伝統の部分では本校の2倍に当たる100年の年月を積み重ねてきた越谷市を代表する伝統校ですが、それぞれが独自の特色を前面に打ち出しながら、地元の高校生たちの青春を支える学校として切磋琢磨してきたライバル校でもあります。
試合は、ギラギラと太陽が照り付け額から汗が噴き出すような猛暑の中、球場内に鳴り響くサイレンの音とともにプレーボールとなり、相手校の先攻で始まりました。本校は先発の3年生投手がセットポジションから力強く投げ込み、先頭打者をショートゴロに仕留めて幸先よくスタートしたかに見えましが、続く2番打者にセンター前にはじき返されるとエラーで先制を許し、四球とライト前タイムリーで初回から2点を先制される苦しい展開となりました。
2回表からは投手が交代となり、ヒットを許す苦しい展開は続くものの野手の踏ん張りもあり4回まで無失点に抑えることができました。
迎えた3回裏、本校の攻撃は下位打線から始まり、2者連続三振で相手のリズムを崩せないまま意気消沈しかけていたところで、2巡目となった1番打者が見事にセンター前にはじき返し、2アウトながら反撃の狼煙を上げます。これに動揺した相手投手は、続く2番打者に死球を与え、本校は2アウト1,2塁とこの日初めてのチャンスを迎えました。このチャンスに3番打者が見事なセンター返しでタイムリーを放ち、待望の1点を返しました。勢いに乗るベンチに加えてスタンドも一気に盛り上がり、押せ押せの雰囲気となりましたが、続く4番打者の当たりはバットの芯を捉えたものの、無情にもセンターフライに倒れ、同点の好機を生かすことはできませんでした。
4回はともに凡退し、迎えた5回表、相手校の攻撃では、先頭打者に四球を与えると、すかさず2盗(2塁へ盗塁)を許し、手堅く送りバントで1アウト3塁の場面となり、センターへの犠牲フライにより追加点を奪われてしまいました。 更に、6回表には、センター前、ライト前に連続安打を許すと、送りバントと2回のスクイズで2点を失い、1対5と4点のビハインドとなりました。
迎えた6回裏、本校に再びチャンスが訪れます。相手投手が突如制球を乱し、1本のヒットと4つの四球で2点を返し、再び2点差と詰め寄ります。
しかし、続く7回表、相手の攻撃で、本校投手も制球が整わず、先頭打者に四球を与えると、続く打者にはストライクを取りにいった甘い球を左中間に運ばれ1点を失いました。続く打者にもセンターへの犠牲フライを打たれこの回2失点、その後2四球と1死球で満塁のピンチを迎えたところで投手交代。4番手投手が続く打者をセカンドゴロに抑えて何とか切り抜けました。
更に8回と9回にはともに四球で走者を出し、バックホームに備えてやや前進気味の外野手の頭上を越えるタイムリーを浴びて1点ずつ失い点差を広げられました。
対する本校は、何とか反撃の糸口をつかんで再び狼煙を上げるべく、円陣を組んで気合を入れ直して攻撃に臨みます。スタンドの応援も、グラウンドで戦う選手の背中を押すべく、吹奏楽部の迫力ある音楽に乗せ、チアダンス部のキュートな踊りと応援担当野球部員たちの声援でスタンド内は最高潮となり、選手と応援団がまさに一体となった最高の雰囲気で、闘う野球部員たちを勇気付けました。
しかし、恵まれた体格から威力ある速球を投じる相手リリーフ投手の前に、7回以降打撃が沈黙し、7回は凡退、8回、9回はともに3者連続三振と相手に脅威を与えることができずに、無念のゲームセットとなりました。
本校野球部の部員たちは、いつ見ても礼儀正しく爽やかで、私たち大人を見つけると必ず立ち止まって正対し、目を合わせて挨拶してくれる校内で最も気持ちのいい集団です。グラウンドに目を向ければ、自主的に朝練習に取り組むとともに、地道な反復練習にもコツコツと取り組み続ける根気強さも目を見張るものがあります。
特に感じるのは、レギュラーか否かとか、先輩か後輩かなどのスキルや立場に関係なく、すべての部員たちが同じベクトルを持って刺激し合い、高め合いながら目標に向かっている一体感を強く感じます。
スポーツは勝負の世界であるという側面から見れば、どうしても勝敗ばかりに目が行きがちですが、勝負という厳しい現実に向き合いながらも、仲間とともに高みを目指すというプロセスを大切にすることにより、人格を磨き、掛け替えのない財産を身に付けているのだと感じます。
この日の球場は立見席が出るほどの超満員で、スタンド中央の最前列に陣取り華やかな踊りで盛り上げたチアダンス部員たちや額に汗しながら迫力ある音楽で選手を勇気付けた吹奏楽部員たち、貴重な青春の1ページを切り取ろうとファインダー越しに見える景色から声援を送る写真部員たちはもとより、たくさんの保護者の皆さまやOB、OG、現役の本校生徒たちに加えて、日頃から本校を応援していただいている高校野球ファンの皆さまなど、野球部員と心を共にして戦ってくださった皆さまでスタジアムは溢れんばかりでした。
そうした多くの皆さまの想いを背負って決戦に臨んだものの、心とは裏腹に思うようなプレーができずに大会を終える結果となった野球部員たちは、本当に悔しい思いをしているに違いありません。敗戦が決まった瞬間、かつて自分が高校生だったころ、高校最後の大会で敗れたその時を思い出し、きっと同じような気持ちを味わっているのだろうと、大きく心を揺さぶられました。
勝負事には勝者があれば敗者もあり、まして集団競技や相手のある競技では、思いどおりに展開しないことの方が圧倒的に多いのであり、勝利できなかったことは、決して皆さんの積み重ねが劣っていたということではありません。むしろ、勝敗に関わらず、ここに至るまでのプロセスが必ず皆さんを成長させ、大人へと導いてくれたはずです。
大切なのは、そうした思いどおりにならない場面で、どのように自分をコントロールし、次なるスタートを切るのかということなのであり、この敗戦の悔しさを飛躍のための活力に変えられるか否かということなのです。そうした意味では、ひとしきり悔しさを味わった先では、新たな目標に向かってしっかりとスタートを切ってほしいと願います。
また、皆さんがグラウンドから見上げた先のスタンドを埋め尽くしたたくさんの方々が、君たち野球部員を応援するために集まってくれたことを忘れてはなりません。皆さんがこれまで地道に粘り強く努力を重ねてきたことを知っているからこそ、これだけたくさんの方々が動いたのは紛れもない事実であり、こうして応援していただけるということこそが、皆さんにとって最も価値ある財産なのだと思います。多くの人たちに見守られ、認められ、応援していただけていることにしっかりと感謝するとともに、自分自身を肯定し、自信を持って次なる挑戦に向かってほしいと願います。
この度は、ご多忙の中、また猛暑にもかかわらず、本当にたくさんの保護者の皆さま、OB・OGの皆さま、野球ファンの皆さまにご来場いただくとともに、本校生徒に熱い声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら試合に勝利することは叶いませんでしたが、部員たちは1年間積み重ねてきた想いをぶつけて、思い切りプレーすることはできたのだと思います。これも偏に、皆さまのあたたかな後押しのおかげであると感じており、重ねて感謝申し上げます。
一つの世代の終わりを迎えましたが、同時に新たな世代のスタートであるとも言えます。本校生徒たちが部活動を通じた自己実現に情熱を持って取り組めるよう、今後とも変らぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、野球部!
お詫びと御礼(彩の国進学フェア2025)
7月12日(土)及び13日(日)の2日間、さいたまスーパーアリーナにて彩の国進学フェア2025が開催されました。
この進学フェアは、埼玉県内の公立高校と県内外の私立高校が一堂に会し、中学生世代の受験生たちの進路選択を支援するために開催される個別相談型進学イベントで、現在はよみうり進学メディア様が主催する他県では類を見ない大型の高校進学イベントです。各校が対面型のブースを出展し、それぞれの学校の特色紹介や受験・進学相談等を行うものです。例年、夏休みの最初の週末に行われていましたが、本年度は1週前倒しでの開催となりました。
この週末はまだ梅雨明け前とはいえ、肌を刺すような強い日差しの中、また貴重な週末のお時間を割いて多数ご来場いただきましたことに、心より感謝申し上げます。
本校も、本校が目指す高いレベルでの文武両道と自己実現を図る本校教育活動の特色や、実際の取組、在校生たちの学校生活の様子などに関する皆さまからのご相談に、ご理解を深めていただけるよう丁寧に対応させていただきました。本校ブースを訪れていただいた皆さまには、限られたお時間の中で貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。2日間で昨年を80組余り上回る784組の皆さまに本校ブースを訪れていただきましたことに心より感謝申し上げます。
本校では、ご来場いただいた皆さまの貴重なお時間を無駄にしないとの考えのもと、昨年の反省を生かして時刻指定型の整理券を活用したご案内に加え、連日20名以上のスタッフを動員し、座席以外にも説明の場を拡大して最大10組同時展開の説明体制とするなど、可能な限り円滑に対応できるよう工夫いたしましたが、予想を上回る皆さまにお越しいただいたことで、効率良くたくさんの学校のブースを巡りたいと考えていた皆さまに多少お待ちいただく場面が発生してしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。
また、本校ブースにお越しいただいた皆さまには、可能な限り丁寧に対応させていただいたつもりではありますが、多くの皆さまにまんべんなく対応するべく対応時間の目安を設定させていただきましたため、皆さまのニーズにお応えする充分な相談時間の確保が難しい状況や、立ったままでのご対応となりました皆さまには重ねてお詫び申し上げます。
校長といたしましては、今回の相談対応を通じて、本校が目指している学校教育方針や実践している教育活動の概要については、ある程度ご理解いただけたものと認識しておりますが、可能であれば、今後校内にて実施いたします学校説明会や公開授業、文化祭などの機会を活用して、在校生たちの学校生活や実際の教育活動、部活動などの様子を、皆さまの目でご確認いただければ幸甚でございます。
また、本校ブースを訪れていただいたほとんどの方が、本校が教育活動の根幹として重視している高いレベルでの「文武両道」の実現を通じた豊かな人間形成に強い関心を持っていただいていることに、これまで以上に文武両面における質の高い学びの場を提供し続ける環境づくりの大切さを改めて確認させていただきました。
今後も、皆さまが志向し、高等学校教育に期待する文武両道を通じた自己実現と人間形成の更なるレベルアップに向け、教職員一同一丸となって生徒に向き合い、寄り添い、そして真摯に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
頑張れ、受検生!「南の風」が君の入学を待ってるぞ!
若者よ、世界に目を向けよ(外国語科講演会)
昨日7月9日(水)の放課後、本校外国語科棟LL3教室において1年生から3年生まですべての外国語科生徒が集まって外国語科講演会を開催しました。
この講演会は、生徒の国際的な感覚を伸長し、進路選択の視野を広げるとともに、外国語学習の意欲を向上することを目的として毎年開催しており、本年度はJICA(国際協力機構)の派遣により青年海外協力隊として海外での活動経験のある小泉勝氏をお招きして、海外での生活の様子や語学力の必要性などについて、自身のご経験に基づいたお話をしていただきました。
小泉氏は、現在新潟県議会議員としてご活躍されていますが、かつてワーキングホリデーを活用してアメリカやカナダで生活したことや、JICAにより青年海外協力隊としてイエメンとシリアに派遣され、現地で柔道を通じた日本文化伝承に取り組んだこと、帰国後も海外で出会った友人たちとの交流を継続しており、そうした出会いが自分の人生に大きな影響を与えていることなどをお話しされていました。
小泉氏は、海外に飛び出すことをとてもポジティブに捉えていて、日本では経験できないような苦労をしながらも、勇気をもって海外に飛び出したことによって人間として豊かになれたと語っていたことが印象的で、生徒たちもそれぞれに感じるものがあったようでした。
現代は、円安の影響もあってインバウンドが急激に拡大し、多くの外国人が日本を訪れています。その中で、日本で働き、日本で暮らすことや日本人とのつながりを拡大したいと望む外国人たちが急激に増加しています。恐らくそんなに遠くない未来では、どのような職業に就こうとも、外国の方々と関わらずに仕事をすることが難しい時代がやってくると想像することができます。つまり、自分の意志に関わらず、今後外国人との交流は必須となるのだということです。
本日の講演会などで、こうしたグローバル活動の先人たちの経験を、生の言葉で聴かせていただくことによって、海外に目を向けることに対するハードルが自然と下がるとともに、自分も海外に挑戦したいという想いに少しでもつながれば良いと考えています。
外国語科の生徒たちだけに限りませんが、これからの若者たちには、自分たちの思想や文化と異なる外国の思想や文化にたくさん触れ、臆さずに異国に飛び出し、グローバルな社会での活躍を目指してほしいと願っています。
今はまだ不安があっても、皆さんの未来には無限大の可能性が広がっています。本日の講演会を契機に、海外に対する視点を広げてみてほしいと願います。その先には、きっと素晴らしい経験が、皆さんを待っているはずです。
頑張れ、越南生!頑張れ、外国語科!
1枚の静止画に込めたメッセージ(埼玉県高等学校写真展)
令和7年7月1日(火)から7月6日(日)まで、北浦和にある埼玉県立近代美術館において第44回埼玉県高等学校写真連盟写真展6月展が開催され、本校写真部の生徒たちの作品が展示されました。
この写真展は、県高等学校写真連盟が6月と11月の年2回開催する展覧会で、県内の高等学校に在籍する高校生写真家たちが、それぞれの想いをギュっと詰め込んだ渾身の1枚を出展して日頃の成果を競い合うもので、高校生写真家たちにとっては、1年で最も権威のある展覧会であるとされています。
高校写真展では、6月と11月の2回の展覧会で優秀と認められた作品のうち1,2年生の作品が次年度の夏に行われる全国高等学校総合文化祭に、3年生の作品が当年度2月に行われる関東高等学校写真展にそれぞれ出展される規定となっており、昨年度は本校生徒の作品が埼玉県の代表として全国総文祭岐阜大会2024や関東高等学校写真展千葉大会への出展を果たしました。
今回の6月展では、県内各校から合計1404点の作品が出展され、専門家の皆さまによる厳正なる審査の結果、このうち120点が入賞作品(最優秀2、優秀8、優良40、奨励70)として選ばれるとともに、惜しくも入賞は逃したものの審査員の皆さまからの評価が高く、推薦を受けた作品を合わせた200点余りの作品が近代美術館の展示室に展示されました。
私も本日7月5日(土)に近代美術館に足を運び、実際に展示された作品を鑑賞してきましたが、最優秀賞に選ばれた2点の作品は、素人の私でさえも見た瞬間に強烈なインパクトを感じる素晴らしい作品に仕上がっており、今にも画面から飛び出してきそうな臨場感があり、無数に並べられた作品の中で一際輝いて見えるような強いメッセージが感じられるものでした。展覧会を運営する写真部顧問の方々も「企業のCMやポスターにしても遜色がない」と唸っていました。
その最優秀作品は、残念ながら本年度は本校生徒のものではありませんでしたが、本校からはすべての写真部員となる33名が、これまで撮り溜めた未発表の作品の中から自身の渾身の1枚を選び、写真の大きさや額装などにそれぞれの思いを込めた作品を出展し、このうち優良賞1点(「TRÄUMELAND」2年浜田琉海)、奨励賞1点(「明暗な一足」3年矢島史悠)が見事に入賞を果たすとともに、入賞作品2点を含む3年生10名と2年生4名の作品合計14点が推薦作品として選考され会場に展示されました。
写真部員たちは、普段物静かで真面目な雰囲気の生徒が多く、見るからにエネルギッシュで賑やかに活動する運動部に比べて派手さはないものの、その分堅実且つ緻密な計画と計算のもと、地道に自分の感性を磨き続け、心を動かすような一瞬のシーンを求めて、ファインダー越しの日常を切り取りながら作品を撮り溜めています。
近年は機材のデジタル化が進み、ほとんどの記録媒体が電子データとなったため、奇跡の一瞬を逃さないよう高速連射で撮影したり、構図やアングルなどの失敗を気にせずに、たくさんの写真を撮ることができるようになりました。また、エフェクトをはじめとした様々な加工も手軽に施せるようになり、1枚の写真から多様なメッセージを発することができるようにもなりました。
これまで部員たちが撮り溜めた数多ある作品の中には、自身の想いを載せきれなかった作品も多くありますが、そうした作品の中には、心に刺さるメッセージが感じられ、皆さんに作者として感じた感動を伝えたいと思えるような作品も多数ストックできるほどに感性や撮影スキルが向上しています。今回はその中から、自身が最も自信をもって発表できる渾身の1枚を写真展に出展しました。
2名の作品の入賞と14名の作品の推薦展示(展示された作品の7%が本校生徒の作品)という素晴らしい成果を成し遂げられたのは、日頃から写真部員たちが地道に感性や撮影スキルを磨くとともに、目の前で起こる様々なシーンの一瞬を逃さず、四角いファインダーから見える景色を切り取り続けた成果であると言えます。そうした地道な作業の継続には、知識や経験だけでなく根気や熱意が必要であり、生徒たちは見事にそうした活動を全うしている証であると言えます。
デジタル技術が飛躍的に進化し、AIの台頭などにより、真偽不明な動画さえも当然のようにネット上に拡散されるこのご時世だからこそ、写真部の皆さんには、真実を記録して表現し続けてほしいと願うとともに、ストレートにメッセージが伝わる静止画の魅力と価値を大切にし、これからも観る人の心に刺さる1枚を撮り続けてほしいと願います。そしていつか、皆さんが1枚の作品に込めたメッセージが、観る人の心を動かすことを願っています。
頑張れ、越南生!頑張れ、写真部!
優秀賞「TRÄUMELAND」2年浜田琉海
奨励賞「明暗な一足」3年矢島史悠
「森のひととき」3年磯邊結
「静景」3年朴珍
「毅然」3年髙橋快
「少年心は砂にあり」3年猪瀬翔望
「森厳」3年パスマイカ
「On your voice」3年三瓶智大
「純潔」3年池田果穂
「沈鬱」3年日吉陸
「青春アミーゴ!!!」3年奥田那津
「海のアスリートたち」2年鵜川紗友姫
「晴天白日」2年白石悠太朗
「虚実皮膜」2年吹澤拓実
7.12スーパーアリーナ参戦(彩の国進学フェア2025)
時の過ぎゆくのは早いもので、昨日7月1日を迎え、2025年も下半期に突入しました。我が国では、暦上の1年と社会における1年のサイクルが異なり、社会全体の動きは4月1日に1年がスタートし3月31日に終了する「年度」で運用しています。学校社会においても1年のサイクルは同様であり、そうした意味では、7月1日は単なる通過点に過ぎないのですが、暦で見れば、6月末日を以て1年の半分が終わる区切りの時期ということになります。
高等学校では、下半期のスタートとなるこの7月から一気に業務が忙しくなります。期末考査や成績処理などの学期末用務に加えて、3年生の進学や就職に係る対応が本格化してきます。特に、総合型選抜や学校推薦型選抜を活用した自己実現を目指す生徒たちにとっては、この夏は正に「決戦の時」なのであり、先生方も生徒の自己実現のために全力で寄り添っていく時期となります。また、一般受験組の生徒たちも、この夏をどう過ごすかが合否の分かれ目といわれるとおり、我慢と忍耐を以て受験勉強に没頭する時期であり、そうした生徒を支援するための補習なども活発に行われます。
一方で、新入生を迎えるための生徒募集についても本格化する時期となります。昨今、生徒募集に係る説明会や授業見学会などの日程がどんどん早期化しており、既にそうしたイベントを行っている学校も散見されますが、本校では、この7月から学校説明会がスタートします。そうした意味では、中学生の皆さんにとっても、この夏は「決戦の時」なのかもしれません。中学生の皆さんには、様々な学校の情報を収集し、自分の青春を賭すにふさわしい高校をしっかりと見定めてほしいと願います。
昨年度は、夏季休業期間中に行った学校説明会に予想以上に多くの方々からお申し込みをいただきましたため、急遽実施回数を増やしたり、各回の定員を拡大するなどして対応いたしましたが、それでも、お申込みの叶わなかった方がいらっしゃったことから、本年度は募集定員を拡大して実施する予定となっております。
なお、7月28日(月)に実施予定の第1回の申込み受付を7月10日(木)に開始いたします。詳細は「中学生の皆さんへ」のページをご参照ください。
また、学校での説明会の実施に先立ちまして、7月12日(土)、13日(日)の2日間、さいたまスーパーアリーナにて開催される「彩の国進学フェア」に相談対応ブースを出展いたします。昨年度多くの皆さまに待ち時間が発生したことの反省を生かし、本年度は、6月に実施した東部進学フェアと同様に、整理券を活用して対応時刻の目安を指定することで、ご来場いただく皆さまに、限られた時間を少しでも有効にご活用いただけるよう配慮することといたします。
それでもなお、1組当たりのお時間は限られた中でのご対応となることが予想されますが、より多くの皆さまにご対応させていただきたいと考えておりますので、ご理解をいただければ幸甚でございます。
当日、本校ブースでの対応を希望される皆さまにおかれましては、ご来場後お早めに整理券を受け取り、ご自身のブース対応時刻の目安を決めていただくことで、スムーズな対応をさせていただきたく存じます。整理券は本校ブースにて配布いたします。本校のブース位置につきましては、下記PDFをご参照ください。
当日は猛暑厳しい天候の中で大変多くの皆さまがご来場されることが予想されます。くれぐれも熱中症等にご留意いただき、無理をなさらずご対応いただけますようお願い申し上げます。
万が一、当日十分な対応が叶わなかった場合につきましても、学校で行う説明会でしっかりとご対応させていただきますので、ご安心いただけますようお願い申し上げます。
当日、会場にて皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
頑張れ、受検生!
【本校ブースの位置】 本校ブース配置図.pdf
【彩の国進学フェアチラシ】 2025進学フェアチラシ.pdf
「繁栄の使者」再来(新たなツバメたちの飛来)
6月23日(月)のブログで、昨年9月から本校に留学していたドイツ人留学生レニの帰国とともに、4月中旬から本校職員玄関に巣をつくっていたツバメたちの旅立ちについてお知らせしましたが、実は、その日の午後、職員玄関軒下の別の場所である職員通用口の真上にツバメが新たな巣を作り始めていることが確認されました。
6月23日(月)の夕方は、まだ巣を作り始めたばかりで、壁面に付けられた土や枯草も水分を多く含んで黒褐色になっており、巣の土台となる下半分くらいしかできていませんでしたが、番のツバメが日中ひっきりなしに土と枯草を運び、アッという間に建物で言うところの基礎部分が完成しました(写真①)。
それから3日後の6月26日(木)の朝には、基礎の上に住居となる外壁が広がり、土も乾いて完成間近という感じがしていました(写真②)。この間もずっと、職員玄関付近には居住者である番のツバメが激しく往来し、せっせと新築工事に励んでいました。
本日6月29日(日)の朝には、既に新居はほぼ完成し、中には1羽のツバメが羽を休めていました(写真③)。私がポケットからスマホを取り出して撮影していると、巣に向かうツバメが自分たちを脅かす敵の存在を確認し、巣の安全を守るための中継地となっている玄関先の手すりに、巣で羽を休めるツバメの伴侶と思われる1羽のツバメが待機し、ピーピーと鳴いて、玄関先に立ち止まった私に向かって「ここは俺たちの場所だ、早く中に入れ」と訴えているようでした(写真④)。
玄関の中からツバメたちを刺激しないように観察していると、この巣には、どうやら番の2羽のほかにもう1羽のツバメが関わっているようで、合計3羽が巣のまわりを飛び交っているのが確認できました。もしかしたら、崩落してしまった以前の巣で生まれた雛鳥で、親子3羽で転居のための巣を新築したのかもしれません。
このツバメたちが、先日巣だったと思われるツバメたちであるかどうかの真偽を確認することはできませんが、兎にも角にも本校の軒先に幾度となくツバメが巣を作っているということは、時に天敵から身を守ってくれる役割を果たす人間との共存を好むツバメたちにとって、本校が安住の地であるということに疑いの余地がないのだと思います。
そうした意味では、本校は、近隣に建つ大型商業施設のおかげで乗降客の非常に多い大人気の越谷レイクタウンから間近で、なお且つ子育て世代の家族が多く居住する新興住宅街に囲まれ、小さな子供たちの声が絶えることのない賑やかな土地柄ではありますが、本校に在籍する生徒たちや教職員に対してはもとより、近隣にお住まいになる地域の皆さまや様々な理由でこの地を訪れる方々に対しても、そしてこの地に住まう様々な野生動物たちに対しても、安心と安全を担保できる、まさにオアシスのような存在でありたいと改めて強く感じています。
ツバメの新たな巣作りが確認されて以降、職員が玄関ドアに張り紙を掲示して、ツバメの巣作りを保護するとともに、本校に更なる繁栄をもたらしてくれるであろう新たな来客たちをあたたかな目で見守る雰囲気が教職員の共通認識となっています。
彼ら(ツバメたち)も、やがて本校を巣立つ時期がやってくるとは思いますが、その時まで安心して暮らせるよう見守るとともに、来年以降も永遠に「繁栄の使者」であるツバメが飛来してくれるよう願う毎日でございます。
皆さまにおかれましては、ご来校の際には、職員玄関付近を飛び交うツバメにご注意いただくとともに、あたたかな目で見守っていただければ幸甚に存じます。よろしくお願いいたします。
ようこそ、ツバメたち!
写真①
写真②
写真③
写真④
「桜」1年ぶりの帰校(美術部昨年度県展高校生最優秀作品)
本日6月25日(水)、本校昨年度卒業生の豊島礼芽さん(美術部)が描いた絵画作品「桜」が、約1年ぶりに本校に帰校しました。
この作品は、プロを含めた一般芸術家が多く出展する県内最高峰の美術展覧会である昨年度の「県展」において、高校生奨励賞(高校生世代の作品で最も優れた作品賞)を獲得し、県教育委員会からの依頼を受けて、昨年7月から1年間、県教育委員会の顔とも言える県庁の教育委員会室に展示されていたものです。
豊島さんは入学直後からこの作品を手掛け、2年以上の歳月を費やして、この1点の作品に全身全霊を賭けて描いた高校美術部活動の集大成であり、ディテールに拘り抜いて細部まで丁寧かつ繊細に描くことで、美しさと迫力の双方を兼ね備えたリアリティーの高い作品を追求するとともに、自然な形で自分の感情や思考を作品に落とし込みながら完成度の高い作品に仕上げたことを高く評価していただいたものとなっています。
作品の制作にあたっては、今どきの生徒らしく、自分で撮影した写真をスマートフォンやタブレットなどの画面上で拡大して、細かな部分を確認しながら描いていたことが印象的で、単に仕事や生活、教育活動などの利便性や効率性の向上のためだけでなく、アナログが重視されると思われる芸術の分野にもICTの普及は大きな影響を与えているのだと感じました。
ただ一方で、作者である豊島さんの中では、この作品はいまだ未完成のものであり、高校生奨励賞を受賞したことで昨年5月にテレ玉の取材を受けた際にも、機会があれば、更に描き足していきたいとも言っていました。その言葉に、バルセロナ(スペイン)のシンボルとも言われ、着工後140年以上を経過してもなお未完成であるアントニオ・ガウディ設計のサグラダ・ファミリアを思い浮かべながら、豊島さんがディテールに拘り、作品を深く追求する探究心を強く感じたことを今でもはっきりと記憶しています。
私も、「県展」を見に行って、実際の作品を目の前にしたときに、作品から放たれる圧倒的な迫力に思わず飲み込まれて、釘付けになってしまうほど感情を揺さぶられたことを思い出します。もちろん、県内最高峰の展覧会だけあって、他の作品の中にも同様に心揺さぶられるような素晴らしい作品がいくつか見受けられましたが、この「桜」を描いたのが本校生徒の豊島さんであったこともあり、私の中では、数多展示された作品の中で、この作品が最も印象深く目に焼き付いています。
巷では、よく「スポーツには、人の心を動かす力がある」などと言われます。スポーツを愛し、スポーツの世界で生きてきた私にとって、とても共感できる素敵なフレーズではありますが、一方で、かつて自分がかかわってきた生徒たちが目をキラキラさせながら文化的活動に情熱を傾ける姿を見守っているうちに、そうした情動はスポーツだけでなく、情熱を持って直向きに挑戦し続けるあらゆる活動に同様のことが言えるのであって、こうした文化的活動も、観る人の心を動かす力がある奥の深い活動なのだと感じています。
素人ながらの浅はかな想いではありますが、そうした意味でも、この作品は一見の価値があるものだと思います。
本校は、美術部だけでなく、吹奏楽部、書道部、写真部、演劇部、放送部など、多くの文化部でたくさんの生徒たちがまさに青春を賭した活動に取り組んでいます。スポーツと比較すると、一見派手さの少ない活動ですが、そこに賭ける生徒たちの想いは運動部活動の部員たちと同様に熱く、本物です。こうして、努力の成果として皆さんに目に留まり、より多くの皆さんに見ていただけることが、活動に取り組む生徒たちにとって何よりのご褒美なのだと強く感じます。
文化部活動に所属する生徒の皆さんには、こうした作品に刺激を受けて、より一層情熱を持ってそれぞれが志す活動に打ち込んでほしいと願います。活動に没頭すればするほど、その活動の奥深さを学ぶことができ、真摯に奥深さを追求する日々の積み重ねが皆さんの自己肯定感を高め、やがて眩しいほどの輝きを放つことにつながるはずです。次は、あなたの作品が輝きを放つ番です。そうした日を迎えられることを心から信じています。
「桜」は、このあとしばらくの間、校内に展示したいと考えています。皆さまも、本校にご来校の際には、是非ご鑑賞いただければ幸甚でございます。
頑張れ、越南生!頑張れ、美術部!
旅立ちの日(玄関のツバメと留学生のレニ)
本日6月23日(月)の朝、いつもと変わらずに出勤し、毎朝のルーティンとなっていた職員玄関の軒下にあるツバメの巣を見上げると、驚愕の異変が・・・。
毎年春になると番いのツバメがやってきて産卵し、かいがいしくせっせと子育てをするのが本校の一つの風物詩になっていることは4月16日のブログにてお伝えしていましたが、あれから2か月余り、仲睦まじく雛鳥を育て、餌を運ぶ姿を、毎日ほのぼのとした気持ちで見守ってきました。
しかし、お別れの日はあまりにも突然にやってきました。今朝、いつものように出勤した時にツバメの巣を見上げると・・・。
なんと、先週末まであったはずの巣が崩落しているではありませんか。ビックリして巣の下の植え込みに目を移すと、巣の中にあったであろう枯草のベッドがポツンと落ちており、親鳥の姿も雛鳥の姿も確認することができませんでした。先週末には、親鳥が巣にいることも見ていたのに・・・。地面に落ちた巣を見て、我が子がいなくなるがごとく、とても寂しく心配な気持ちになりました。
考えられることは2つ。一つは週末から今朝にかけて吹いていた風やその他何らかの原因で巣が崩落してしまったケース。もう一つは、無事に雛が成長し、親鳥とともに巣立って、必要なくなった巣が自然と壊れたケース。
ツバメの巣立ちは孵化してから1か月余りだと言われています。本校にツバメの飛来が確認されてから2か月余り。いつ巣立ちの日が来ても不思議ではありません。ですから、私は、後者であると信じています。
ツバメの巣立ちは、古くから縁起の良いこととされており、ツバメが巣を作る家は幸運が訪れると言われています。また、ツバメが人間の生活圏内で巣を作ることから、人間とツバメが共存し、共に繁栄するという伝承もあります。
折しも、昨年の9月から約10か月間に及ぶ本校での留学生活を終えたドイツ人留学生のレニが本校での留学生活の最後の日を迎えたのもちょうど先週末でした。明朗で気さくで愛嬌があり、熱心に学び、礼儀正しく日本人よりも日本人らしい一面を持ったレニは、本校生徒たちに愛され、多くの学びをもたらしてくれたとても素敵な生徒でした。
留学最終日となった6月22日(金)の夕方、レニを校長室に招き、留学の修了証と学習成果の証明書を授与して、お別れの挨拶をしたばかりでした。レニは、本校での留学生活が相当に楽しかったようで、心から名残惜しそうにしていましたが、きっと今頃は、本校を巣立っていったツバメたちのように、母国ドイツに戻って、力強く新たなチャレンジを始めているに違いありません。
そしてきっと、レニの帰国とツバメの巣立ちが本校や本校生徒たちに更なる繁栄をもたらしてくれることだと信じたいと思います。そして、またいつか元気な姿で本校に戻ってきてくれることを皆さんとともに楽しみに待ちたいと思います。
ありがとう、レニ!さようなら、ツバメたち!
生徒たちの学校生活を大公開(授業公開)
本日6月20日(金)は、午後の5,6限を活用して本校保護者向けの授業公開を実施しました。うだるような猛暑の中、3学年を合計して121組134名の皆さまにご来校いただき、心より感謝申し上げます。
本校では、6月期に保護者の皆さま向けの授業公開を、9月期には保護者の皆さまに加えて中学生やその保護者など一般向けの授業公開を実施し、学校で実際に行われている学習活動の様子や生徒たちの様子をご覧いただく機会を設けており、毎回多くの皆さまにご来校いただいています。
保護者の皆さまにおかれましては、生徒が本校に在籍する3年間のうちで、実際に生徒が学習活動に取り組んでいる様子をご覧いただける機会は限られており、学校生活の様子が分かりにくい状況があるものと拝察いたします。
本来であれば、こうした機会を拡充し、より多くの皆さまに学校での生徒たちの様子をご覧いただけるようすべきところでございますが、限られた中での公開となりますことをご容赦いただきたく存じます。
本日の授業公開は、ご来校いただく保護者の皆さまの個々のニーズにお応えできるよう、午後のすべての授業を公開し、教室内での参観も含め、自由にご覧いただく形式にて実施いたしました。
そうした中で、各学年とも、多数の保護者の皆さまにご来校いただき、生徒たちも普段と違い、たくさんの保護者の皆さまが見ている様子に、いつも以上に緊張感のある時間を過ごしている様子でした。授業そのものは本日のために特別なものを用意したわけではありませんが、生徒たちは、総じて「保護者の視線」という目に見えない刺激を受け、積極的に授業に臨めたのだと思います。
また、保護者の皆さまが見やすいよう、可能な限り廊下側の窓や扉を開けての授業とさせていただきましたので、ある程度お子様の様子をご覧いただけたのではないかと考えております。
一方で、本校は全館空調ではないため、特に廊下では暑さを解消することができず、過ごしやすい環境でお迎えすることができませんでしたこと、心よりお詫び申し上げます。
本日ご覧のとおり、本校ではどのクラスにおいても落ち着いた授業が展開され、安全安心のある生活空間の担保や主体的・対話的で深い学びを実現しています。
そうした中で、生徒たちがより一層意識高く学びに向かい、自身の成長を実感しながら次なるステージへとステップアップを果たしてほしいと考えています。私たち教職員は、そうした生徒たちが、意欲を持って学習活動に取り組めるよう全力で導くことが使命であると考えています。
今後とも、本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
学校の取組を多様な視点で斬る(学校評議員会、学校評価懇話会)
本日6月20日(金)本校応接室及び会議室において令和7年度第1回目の学校評議員会並びに学校評価懇話会を開催しました。
「学校評議員会」は、平成12年1月の学校教育法施行規則の改正に伴い、開かれた学校づくりの一環として国によって平成12年度以降学校に設置することが義務付けられた学校教育活動に対する第三者評価組織であり、地域の見識者など自校の教職員以外の方の視点で学校の取組を見た場合に感じる魅力や改善点などについて意見を頂戴し、学校運営の改善と地域に対して学校の取組に関する理解の拡充を図るものです。本校では、学校医1名、学識経験者4名(大学教授2、義務教育学校長2)の合計5名の皆さまに委員を委嘱し、年2回の評議員会を開催して忌憚のないご助言をいただいています。
本日の学校評議員会では、本校の教育活動の取組について以下の様なご意見を頂戴しました。
(1)前回も感じたが、授業は大変落ち着いていて、とても良い。
(2)生徒たちは、どの授業においてもとてもまじめに授業を受けており、感心した。
(3)自由度や自発性を失わないような工夫も必要ではないか。大学生や社会人になると自分の考えをまとめてプロジェクトにする力が求められる。
(4)教育文化、学習文化が生徒の人格形成に影響するため、生徒が自分の考えを自由に話せる教育環境を大切にしたい。
(5)人の前に一歩出てリードしようとする生徒が少ないが、それは今の若者世代の特徴であり、大学生も同様である。
学校評議員会終了後には、並行して保護者を対象に実施した学校公開の様子と実際に行われている授業の様子を見学していただきました。委員の皆さまからは、どの授業でも生徒たちがしっかりと学びに向き合い、積極的な姿が見られたとお褒めの言葉を頂戴しました。
また、放課後には、学校評価懇話会を開催しました。
「学校評価懇話会」は、学校評議員に加えて保護者の代表者と生徒の代表者を委員として委嘱し、主要な教職員を加えた上で、より幅広い視点での意見聴取を行うもので、校長の示す「目指す学校像」や「教育目標」「教育計画」「学校自己評価システム」などについて意見交換して学校経営の改善と学校教育力の向上を目指すとともに、その内容を公表することにより保護者や地域の皆さまに本校の取組を理解していただくものです。本校では、保護者の代表としてPTA会長と後援会長を、生徒の代表として生徒会長及び副会長を懇話会の委員として委嘱しています。
本日の懇話会でいただいたご意見等は以下のとおりです。
(1)昨年の議論を活かしてPDCAサイクルをしっかり整えながらブラッシュアップしていることが伝わる内容となっている。
(2)「授業第一」と位置付けていると言っていたが、本当に先生方が生徒と対話しながらすばらしい授業を実践している。ICT活用も進んでおり、生徒も効果的に活用している。
(3)進路指導室が充実し、資料や機材も豊富で丁寧な進路指導がなされている。
(4)部活動加入率が93%であることは他校では実現できない越谷南高校の大きな魅力・特色であり、これまで以上に勉強だけでなく部活動にも頑張ってほしい。
(5)スラックスを着用している女子生徒が複数いたが、どのような導入の仕方をしているのか。(➡女子生徒のニーズに対応してオプションとして導入しており、年々着用者が増えている)
(6)生徒や部活動が主体的に取り組むSNS(インスタグラム)による情報発信は、保護者にも情報が伝わりやすい。生徒がSNSで記事を発信する上で、どのような学校としては管理をしているのか。(学校公式のものも部活動ごとのものもすべて教員によるチェック機能があり、教員と生徒が協働して運営している)
(7)後輩生徒の活動を見守りつつリーダーシップを発揮して様々な行事を主体的に運営している生徒会の活動は素晴らしい。
(8)学校が推進している人材派遣や地域との連携は、具体的にどのような活動を行っているのか。(➡近隣保育園や小中学校などの教育機関との連携事業、イオンレイクタウンでのイベント開催、越谷市や越谷警察署などの行政機関の事業への生徒派遣など)
(9)海外の情報をどのように取り入れているのか。(➡海外留学生の積極的受け入れや本校生徒の海外留学後のフィードバック、外国人とのオンライン英会話、海外研修や語学研修など)
(10)クロームブックは利用できるソフトが限定しており、卒業後の活用性が低いため、値段が高くてもIpadを検討することはできないだろうか。(➡本校は他校に先駆けてタブレットを導入し、活用スタイルが確立している。大学ではより高機能で多様なソフトに対応できるPCを必要とする場合があるが、高校では破損等も多く、必要なソフトが利用でき、保障や価格の面で安定したものを採用している)
(11)社会ではAIが普及し、文系の学生でもAIを活用できる人材が求められているが、若者たちはこれからの将来をどのように考えているのか。(➡AIを活用することは便利だが、AIに頼らず自分で考えることを大切にしたい。AIを上手に活用するための情報リテラシーを身に付ける必要がある)
(12)近隣小中学校との連携事業(小学校:英語授業の学習支援、中学校:部活動の交流)は、小中学生にとってとても大きな刺激になっており、小中学生たちは高校生から様々なことを学んでいる。今後も連携した取組を継続してほしい。
上記のとおり、学校評議員会、学校評価懇話会ともに活発なご意見やご助言を頂戴し、校長としては、今後取り組まなければならないことが山積だと感じたところです。重要度や優先度が高い事案から一つひとつ丁寧に検討し、改善、実現していきたいと思います。
委員の皆さまには、公務ご多忙の中お時間を割いていただくとともに、様々なご意見ご助言を賜り、心より感謝申し上げます。今後とも、本校の発展と教育活動の充実のため、お力添えをいただければ幸甚に存じます。