校長室より
【校長室】お詫びと御礼(第7回学校説明会)
昨日11月16日(土)本校外国語科棟及び生徒ホール食堂にて第7回学校説明会を開催しました。
この時期、多くの高校で盛んに学校説明会が行われる中、本校の説明会に200組400名を超える中学生及び保護者の皆さまにご参加いただき、誠にありがとうございました。
当初の予定では、外国語科棟において2部制で実施する予定でございましたが、受付開始後に多数の皆さまからのお申し込みがあり、短期間で定員に達する状況がございました。
中学3年生にとっては、この時期は志望校を決定する上で最も重要な時期でもあり、10月末に発表された各校の志願倍率などを参考にしながら、候補となる学校を絞り込んでいく最終段階となる時期でもあります。こうした状況を踏まえ、本校への受検をご検討いただいているすべての受検生に参加していただけるよう、急遽会場を増やし、3部制での実施といたしました。これに伴い、生徒ホール(食堂)での実施となり、快適な環境を十分にご提供することができない状況がございましたことを心よりお詫び申し上げます。
一方で、高校入学後にお弁当ではなく食堂で昼食を摂らせたいとお考えの保護者の皆さまには、食堂の提供メニューや金額などもご確認いただけたのではないかと考えております。他校では、業者の撤退等により食堂の営業がない学校が増加している中、本校の食堂は、本校卒業生である経営者が母校の生徒たちに対する熱い想いを持って営業していただいており、定期考査期間を除いて毎日営業し、ボリューム満点で美味しいメニューが提供されており、食欲旺盛な成長期の生徒たちの胃袋を満足させています。私をはじめ、多くの教職員も毎日利用しています。
本日参加された皆さまには、冒頭のご挨拶の中で、受検生自身やご家族が納得できる志望校選びをしていただきたいとお話しさせていただきました。高等学校は義務教育と違い、学習指導要領に則った教育内容を担保しつつ、各校が特色ある教育活動に取り組むことが求められており、同じ普通科の学校でも、提供されている教育方針や教育内容は全く異なるものであり、その学校の教育方針や教育内容に納得して入学することが、生徒にとって有意義で満足できる3年間を送ることにつながると考えており、受検される皆さんには、どの高校に入学するにせよ、入学後に有意義な高校生活を送ってほしいと願っているからです。そうした意味では、納得できる学校が本校ではないと考える方がいても、本校としては残念ではありますが、それはやむを得ないことであるとも考えています。
本校は、「文武両道」を校訓に掲げ、自己実現に向けた勉学に励みつつ、部活動に青春を賭け、自主自立を促しながら人間的な成長を強く求める教育活動に取り組んでいます。高校3年間、勉強も部活動も決して諦めない高い志と日々の地道な努力の積み重ねが生徒を大人へと成長させ、やがては心に描く自己実現を達成することにつながると信じて、ほとんどの生徒が「自走」しながら勉学にも部活動にも熱心に取り組んでいます。
また、本校の生徒は、学校のキャッチフレーズである「南の風」にプライドを持っています。「南の風」とは、主体的に勉学や部活動に取り組むとともに、共助の精神を持って、ともに高め合い、助け合い、誰一人欠けることなく全員で高いレベルのゴールを目指す精神を表したもので、本校の生徒と教職員の一体感を具現化した言葉です。どの部活動の生徒たちも、この「南の風」を吹かせるべく、強い一体感を意識しながら活動しているのが本校の大きな特徴の一つです。
本校では、「勉強だけ」とか「部活動だけ」でなく、どちらも諦めずにチャレンジすることを強く生徒に求めており、こうした校風に共感できる生徒の皆さんの入学を期待しています。
本日の説明会に参加し、本校の校風や教育活動への理解を深めていただいたことで、今後、様々な学校の特色と比較検討しつつ、最終的には、本校の校風にご納得いただき、皆さんが大切な高校3年間を「南の風」の一員として過ごすために本校を志望校に選んでいただくことにつながれば、本校としてはこの上ないことであると考えています。
なお、本日の説明会は1時間程度の短時間でのご対応となりましたため、理解を十分に深めていただくことができなかった方もいらっしゃると拝察いたします。ご不明な点等ございましたら、遠慮なく本校教頭あてにお問合せいただければ幸甚に存じます。
本校では、教職員生徒一同、皆さまのご入学をお待ちしています。
頑張れ、受検生!
【校長室】県大会準優勝、外国語科の輝き!(埼玉県高等学校英語スピーチコンテスト)
昨日11月11日(木)さいたま市立浦和高等学校において第75回埼玉県高等学校英語スピーチコンテストが開催され、過日行われた校内予選を勝ち抜いた伊藤笑理菜さん(2年:外国語科)が本校代表として出場しました。
この大会は、高校生の英語力向上と県内高等学校の英語教育の充実を目指すとともに、生徒のグローバルな活躍を期待するもので、本年度は県内の公立高校及び私立高校34校から代表者1名、計34名が参加しました。
午前9時からコンテストが始まり、発表者は段上に設置された演台の前に立って審査員の視線を一斉に浴び、強烈な緊張感に包まれながら順にスピーチに臨みました。
スピーチのテーマや内容は、発表者自身が決定し、自身の経験や知識をもとに考察した自身の考えや想いを聴衆に発信し、その内容と英語力、情熱や伝達力などを基準として審査が行われました。
伊藤さんは全体の28番目に登場し、校内選考時に発表した「How to Overcome Your Hidden Fear」を披露しました。スピーチの内容は中学校時代の自分から脱却し、自身の望む高校生活を送るために進学先となる高校を選び、周囲の反応に対する恐怖心を乗り越えて自己実現を果たしつつあるという本人の実体験を題材にした人生ストーリーで、これまでに直面した苦悩や決断などの場面で本人が感じた想いについて熱意を持って語りました。伊藤さんの渾身のスピーチに、会場からは大きな拍手が沸き上がるとともに、聞いていた審査員の心にも大きく響く内容となりました。
全参加者の発表が終了後、審査結果が発表され、伊藤さんは審査員の皆さまからも高い評価をいただき、ネイティブスピーカーがたくさん出場する中で見事に準優勝に輝きました。
県大会で準優勝という快挙は、本校史上最も優れた成績であり、伊藤さんの高いスピーチスキルと実体験に基づいた聴く人の心を動かす内容が認められたものと言えます。
ネイティブスピーカーとして出場した伊藤さんは、優勝者が同じくネイティブスピーカーであったため、2名とされている関東大会への出場枠のうちネイティブスピーカー枠の推薦者は1名とするという大会規定により、残念ながら関東大会への出場を逃すこととなりました。伊藤さんにとっては、準優勝という評価をポジティブに受け入れつつも、同時に悔しさも感じていることと思いますが、他の外国語科設置校をはじめ強豪校がひしめく中で手にした準優勝は十分称賛に値するものであり、胸を張って良いものだと感じています。
我が国では、今後少子化が急激に進むとともにインバウンドによる外国人訪日者や定住者が拡大し、必然的に外国の方々と接する機会が拡大していくことになります。そうした社会を生きる皆さんには、外国の方々と議論できる程度に英語力を向上し、外国の方々と接することにコンプレックスや恐怖心を持たずに、グローバルな視点で物事を考え対処できるような生徒が増えることを願います。
頑張れ、越南生!
【校長室】「備えあれば患いなし」(心肺蘇生法講習会)
2日後に長距離大会を控えた本日11月11日(月)の放課後、本校体育館において、越谷市消防局から2名の消防隊員の方をお迎えして、生徒と教職員約50名が心肺蘇生法と心臓マッサージに関する実技講習を受講しました。
こうした知識や体験は、実際に必要とされる場面に遭遇しないことが一番だと思いますが、いつ、どんな時に必要とされる場面に遭遇するかわかりません。万が一そうした場面に遭遇した時に知識や経験を有しているかどうかは、患者を目の前にして、勇気をもって一歩を踏み出して対応できるかどうかの分岐点になるのだと思います。
本日は、約1時間という限られた時間の中での実技講習のため、簡易キットを利用した基礎的なものとなりましたが、講師としてお越しいただいた2人の消防の方は、患者の発見から救急隊に引き渡すまでの一連の対応の流れについて、実演を踏まえながら丁寧に説明していただくとともに、心臓マッサージや人工呼吸に加え、AEDの使い方に至るまで全方位を網羅した心肺蘇生法の基本となる知識と対処方法をご教示いただきました。最後は、参加した生徒によるお礼の言葉で締めくくり、約1時間20分にわたる講習会が終了しました。
参加した生徒も先生方も、終始真剣な表情で講師の方のお話しを傾聴し、実技演習では額に汗しながら心臓マッサージに取り組むなど、とても充実した経験ができたのではないでしょうか。
本日は公務ご多忙の中、ご指導いただきました越谷市消防局の皆さまには、心より感謝申し上げます。
実際には、本日学んだことを生かす場面が起きないことを切に願いますが、「備えあれば患いなし」というとおり、有事の際に必要となるリスクマネジメントを想定しながら、万全の態勢で当日を迎えたいと思います。
生徒の皆さんは、食事や睡眠、休養といった体調管理だけでなく、メンタルな部分のコンディションの調整も含めて良い状態で大会に臨んでほしいと思います。そして、本番当日は、自分の持てる力を十分に発揮し、満足感や達成感を味わいながら笑顔でゴールしてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、先生方!
【校長室】読書のススメ(1学年POP展示)
四季折々の気候の変化や、祭りやイベントなどの季節に応じた様々な活動を楽しむことができることが我が国の大きな魅力であることは、皆さんも感じていることと思います。
しかし今年は、観測史上最も暑い夏と言われ、本来快適で過ごしやすく最も行楽に向いているとされる「秋」が訪れたと思ったら、アッという間に気温が下がり、冬の訪れを感じずにはいられない状況となり、日本の大切な魅力が無くなってしまうのではという危機感を感じました。
本来「秋」は何をするのにも適切な時期であることから、「食欲の秋」「スポーツの秋」「味覚の秋」「芸術の秋」などと言われますが、こと学問的に考えると「読書の秋」も見過ごせないワードの一つです。こうした気候の良い時期に、時間を確保して、じっくりと読書に耽るのも、我が国ならではの文化なのではないでしょうか。
近年デジタル書籍が普及し、紙の本を手にする機会が急激に減少する中、本校1年生は、紙を媒体とした現代の文学作品と向き合い、「本」を読むことから得られる学びを大切にし、読書への志向を高めるために、夏季休業中に1冊の文庫本を読み、自分が感じたその本の魅力を他者に伝えるための「POP」の制作に挑戦しました。
「POP」とは「Point of purchase advertising」を略したもので、「ポップ」あるいは「ピーオーピー」と呼ばれ、紙や布、ボードなどに名称や価格、セールスポイントや説明文などを記して陳列された品物の魅力を伝えるもので、私たちも、日常生活で立ち寄るスーパーや飲食店などで良く目にする広報媒体のことを示します。
POPは、単に品物の情報を伝えるのではなく、いかに消費者や利用者の目を引き、その品物への興味を掻き立てられるかを目的とするもので、品物の魅力を端的かつインパクトのある表現で伝え、購買意欲や利用意欲を高める効果が求められます。
生徒たちは、それぞれ興味のある本を1冊選び、じっくりとその内容を鑑賞したのちに、どんなPOPを作れば自分が感じたその本の魅力を他の生徒と共有し手に取ってもらえるのかを工夫し、A5版という限られた紙面に表現しました。
それぞれが作成したPOPは、9月にクラス内で生徒同士による予備審査が行われ、その後、優秀な作品が生徒昇降口の掲示板に展示され、1学年の生徒全員の投票による最終審査が行われました。
展示された作品は、どれも丁寧に描かれ、それぞれに個性があり、同じ本をテーマとしたPOPでも全く違う雰囲気の作品に仕上がっていました。また、色遣いや挿絵の構図、フォントの形状や大きさなどに拘りがあり、個性的なインパクトを放つとともに上手にその本の魅力をアピールするものばかりで、私自身も「この本はどんな本なんだろう」と興味を掻き立てられました。
10月中旬には審査結果がまとまり、最優秀賞に「姜尚中と読む夏目漱石(姜尚中)」のPOPを作成した1年1組の久保田絢香さん、優秀賞には「女の子はどう生きるか、教えて上野先生!(上野千鶴子)」のPOPを作成した1年1組の阿部莉音さん、学年主任賞には「『お客様』がやかましい(森真一)」のPOPを作成した1年2組の島崎実穂さんが選ばれました。また、私が最も興味を惹かれた作品として1年7組の柴良枝さんの作品「その情報、本当ですか?(塚田祐之)」に校長賞を贈りました。
生徒たちが作成したPOPは、現在それぞれのテーマとなった本とともに図書室に展示されています。2学期末までの展示期間となっていますので、1年生だけでなく上級生を含めた多くの生徒たちに見に行ってほしいと思います。
また、こうしたPOPの作成や、展示作品の見学をきっかけに29,900冊の蔵書を誇る図書室に足を運び、自分の趣味や趣向にあった本を探してみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、偶然手に取った1冊には、皆さんのこの先の人生に大きく影響するような刺激的なことが書かれているかもしれません。
【校長室】個性と感性の輝き(写真部高校写真展)
本日11月9日(土)さいたま市の埼玉会館第3展示室で行われている第41回埼玉県高等学校総合文化祭高校写真展に行ってきました。
この展示会は、埼玉県高等学校文化連盟写真専門部が主催する秋の大会(11月展)で、「セカイの一瞬をつかまえろ」を今年のテーマとして各校1,2年生の高校生フォトグラファーたちが、一夏を越えて磨きをかけた撮影スキルを駆使して、自分の感性を表現できる被写体を定め、構図や色調、露出やピントなどを調節しながら、四角いファインダーから見える一瞬の景色に想いを馳せた最高の1枚を出展しています。
展示会には県内73校から985点の作品が出展され、その中から審査を通過した581点の作品が展示されました。
本校からは写真部の部員27人が春から夏にかけて撮影した写真の中から、それぞれ想いの詰まった渾身の1枚を出展し、その中から審査を通過した13人の作品が会場に展示されました。
展示された13人の作品は、構図も被写体も個性豊かで、見る者に対するメッセージも全く異なりますが、展示会のテーマのとおり、日常の生活の中で自分自身が感性を揺さぶられた「一瞬」を切り取った1枚であることは変わりありません。どの作品も色調やシャッタースピード、露出などに工夫が見られ、それぞれの感性や個性がしっかりと表現されていました。
その中から、強烈なオーラを発しながら教室の床に座り無表情でファインダーを見つめる男子生徒を被写体にした矢島史悠くん(2年)の作品「剛(ごう)」と、無数に輝く光の軌跡を捕え「動」を表現した濱田輝くん(1年)の作品「霹靂閃電(へきれきせんでん)」が優良賞を、また、3体並ぶダルマのうち眉間に「進路」と書かれた1体だけが異なる方向を向く場面を捕えた朴珍さん(2年)の作品「こっち向いてほい」が奨励賞を受賞しました。
展示された本校生徒の作品を鑑賞していると、背後から突然「こんにちは」と声を掛けられ、驚いて振り向くと、優良賞を獲得した矢島くんたち2年生の男子3人が鑑賞に来ていました。彼らも他校の生徒の作品を鑑賞して大きな刺激を受けたようで、更なる撮影スキルの向上に意欲を掻き立てられていました。
展示された作品を観ながら、かつて自分も生徒たちの自然な笑顔に魅了され、幸せな瞬間を生徒たちと共有し一体感を持った教育活動をしたいとの想いから、一瞬を捕えた写真の魅力にハマり、生徒たちを被写体に撮影した写真で教室の一面を飾ったり、フォトムービーにしてプレゼントしたりしていた頃を思い出し、改めて写真の魅力は無限だと感じました。
写真は、動画とともに今その瞬間に目の前で起っている事実を画像として記録する手段でありますが、動画と違って、その一瞬の表情や現象とともに、その瞬間に感じた撮影者や被写体の感情や風情を逃さずに切り取ってありのままの姿で表現し記録できる最高の技術であると言えます。その特性は、時間軸の長い動画よりも「想い」が凝縮され、深く記憶に刻まれる思い出の1シーンとなる大切な媒体であり、そうした「想い」を巧みな技術でより際立たせるスキルは奥深く、それ故に観る者に大きな感動や情動を与える作品が生まれるのだと思います。
近年はデジタル技術が飛躍的に進歩し、コストを気にしながら撮影していたフィルムカメラの時代から、デジタルカメラの出現によりコストを気にせず多数の撮影が可能となり、画像をメディアに撮りため、その場で確認・消去できるお手軽な時代となりました。更に、誰もがスマートフォンを持つことが当たり前の時代を迎え、動画も静止画も何時でも何処でも気軽に高画質の画像が撮影できるとともに、手元の端末で簡単にエフェクトできる環境となりました。一方で、解像度の低い昔のデジカメで撮れる写真が「エモい」とされ、若者を中心に流行りとなるレトロ回帰の風潮もある中、一眼レフを駆使してファインダーから覗く一コマに青春をかける写真部の皆さんの活動は、人としての感性を磨くとても素晴らしいものです。
皆さんには、今回の展示会での評価に関わらず、これからも撮影スキルを向上し、ファインダーから見える景色に映る様々な被写体を捕えた一瞬に想いを馳せ、それぞれの個性や感性を磨いてほしいと願います。
展示会は明日10日(日)まで開催されています。お時間の許す方は、会場にてご鑑賞いただけますと幸甚に存じます。また、校内では東西の渡り廊下にすべての出展作品が展示されていますので、学校にお越しの際は、是非ご鑑賞ください。
頑張れ越南生!頑張れ写真部!
【校長室】更なる飛躍のために(女子バレーボール部県大会)
本日11月4日(月)さいたま市のサイデン化学アリーナにて令和6年度第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会埼玉県予選会県大会が開催され、本校女子バレーボール部が出場しました。
私は、バレーボールは専門種目ではありませんが、ボールを落としてはいけない、ボールを持ったり連続してプレーすることができないなどのルールから、その競技性は数あるスポーツの中でも特に難しく、個人の技術以上にチームワークが大きく勝敗を左右するスポーツだと感じており、故に見るのもプレーするのも自分の専門種目と同じくらい大好きなスポーツのひとつです。
女子バレーボール部の生徒たちは、明るく元気で、いつも爽やかな挨拶をしてくれる好感度の高い生徒たちばかりですが、関東大会に出場したりインターハイ予選で県3位となった男子バレーボール部の蔭で、あまり目立った活躍が見せられずにいました。それでも体育館に行くと、いつも部員同士でしっかりと声を掛け合い、基礎基本を大切にしながら地道な練習を辛抱強く続けている姿がとても印象的でした。
過日行われた東部地区大会ではそうした日々の努力が実り、準決勝で越ヶ谷高校に惜敗したものの、初戦から危なげなく順当に勝ち上がり地区ベスト4に進出して、地区予選を免除されていた男子バレーボール部と共に県大会出場を決めていました。
今大会の対戦相手は、インターハイ予選のエイトシード校でスポーツ推薦を活用して選手を集める私立の強豪国際学院高校で、実績では相手の方が一枚も二枚も上であり、戦前から厳しい闘いになることが想定されましたが、本校は持ち前のチームワークと粘り強い守備で、泥臭く喰らいついて勝利を目指す闘いとなりました。
試合はサブコードの第3試合で正午過ぎに始まりました。相手はスタートメンバーのほとんどが170cmを超す大柄な選手ばかりで、レフトもライトも高い打点から強烈なアタックを打ち、開始から7連続失点を許して一気に試合の流れを掴まれてしまいました。
本校はそれでも粘り強くボールを繋いで相手のミスを誘い、3点を返した頃から相手の攻撃パターンが変化し、アウトサイド攻撃よりもミドルのクイックを多用し始めると、本校はブロックすることができず失点を重ねる展開となりました。本校もタイムアウトで監督の指示を受け、仕切り直しをしながら必死に喰らいついて行きましたが、流れを掴んだ相手に力で押し切られ7-25で第1セットを失いました。
セット間の休憩では、監督を中心に円陣を組んで改めて作戦を共有するとともに、選手同士が積極的に声を掛け合い、相手の攻撃に対する対策を確認しました。
コートチェンジの後、メンバーチェンジなく第2セットが始まると、本校もボールを拾ってレフト攻撃を仕掛ける場面が連続して見られ、ドキドキする試合展開となりましたが、相手のブロックは高く、本校のアタックはことごとく跳ね返されてしまいました。高いブロックを避けてコースを狙ったアタックは、しっかりとカバーに入られて、なかなか決めきることができない中、中盤からは変化するサーブとミドルからのクイックを決められ、終始リードを許す厳しい展開となりました。
本校の選手たちはそれでも諦めずにボールを拾い、怯むことなく闘い続けましたが、最後も強烈なアタックを決められて6-25で第2セットを奪われ、セットカウント0-2での敗退となりました。
残念ながら試合には敗れたものの、苦しい場面でもしっかりと声を掛け合い、全力を尽くして闘う姿はとても素晴らしいものでした。何より、厳しい闘いの中でも終始笑顔で仲間のミスをカバーし、自分たちが持てる力をすべて発揮しようとする姿が印象的でした。そうした意味では、強豪校との真剣勝負は彼女たちにとって貴重な体験となったはずです。
試合後に部員たちが集合してくれたので声を掛けると、部員たちの顔には悔しさの中にも充実感を感じるものがあり、今回の敗戦を糧に更に鍛錬を重ね、春にはきっとまた一歩成長した姿が見られると確信しました。
部員たちには、東部地区の代表として県大会で闘ったことに自信を持って、これまでどおり基礎基本を大切にしながら、自分たちが目指す目標に向かって精進を重ねてほしいと願います。
また、本日はご多忙の中、多数の保護者の皆さまにご来場いただくとともに、あたたかなご声援を賜り心より感謝申し上げます。皆さまのご声援は生徒たちにとって大きな勇気となったはずです。生徒たちがこうして全力で部活動に取り組めるのも、ご家族の皆さまのご支援があってこそのことと考えています。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ越南生!頑張れ女子バレーボール部!
【校長室】会心の舞台「俺、勇者になります」(演劇部草加フェア)
本日11月3日(日)草加市立中央公民館において「2024演劇fair in そうか(草加フェア)」の1日目が開催され、本校演劇部が出場しました。
「草加フェア」は9月に行われた東部南地区秋季大会の上位7校が参加する地区最終予選的な要素を持ち、今大会の最優秀作品に選ばれた作品が彩の国さいたま芸術劇場で行われる中央大会(県大会)に出場する権利を獲得することとなっています。
また「草加フェア」は、草加市青少年健全育成市民会議の皆さまと埼玉県高等学校演劇連盟東部南支部の共催による発表会となっており、地域の学校の演劇活動を通じて青少年の健全育成を図ることを目的としており、今年は埼葛地区の強豪春日部女子高校と地元の草加市立瀬崎中学校を招いて計9校の演劇部が参加しました。
本校の上演の直前に行われた春日部女子高校の作品も鑑賞しましたが、部員数も多く多彩な役どころを見事に演じていました。演目も「トイレのはなこさん」という学校の怪談を、いじめや人間関係をテーマにしたシリアスな課題を描く作品に仕上げ、教育者として考えさせられる素晴らしい内容でした。
休憩時間を挟んで15時に幕を開けた本校演劇部の作品「俺、勇者になる」は、部長の和多田夏鈴さん(2年)が描いたオリジナル作品で、何をやっても上手くいかない男子高校生とその息子の成長を願う母親、そして生徒に寄り添う情熱溢れる担任の3者による人間ドラマを、今どきの高校生らしくRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の世界感で描いており、リアルとバーチャルの世界を上手にマッチングさせた興味深い作品となっています。
劇中では、生徒と担任がバーチャル学習教材の開発に携わる母親の仕組んだプログラムに没入し、どこかとぼけて愛嬌のある魔王を倒すために孤軍奮闘する中で、互いの信頼を深め成長する姿は、リアルな学校生活の中で生徒たちが求める本来の教師と生徒の在り方なのではないかと感じられるストーリーでした。
しかも、バーチャルな世界から帰還した後のエンディングは、ダメダメな生徒が寄り添う担任の想いを受け入れ、厚生していくハッピーエンドな筋書きで、教師である私にとっては感情を揺さぶられるとてもリアリティのある作品でした。
今回上演された本校の作品は9月の地区大会で一度鑑賞していましたが、それから一月余りの間に大きくブラッシュアップされ、格段に完成度が向上しており、同じストーリーでも全く別物の作品に感じられるほど細部に拘って作り上げられていました。
もともとの台詞の間に新たな台詞を加えたり、表情やアクションを変えることでコメディタッチな場面が増え、それが絶妙なタイミングで表現されることで見事に観客の笑いを誘い、知らず知らずのうちにストーリーへの没入感を高めていました。特に生徒と担任とのやり取りは、半ば掛け合いの様なシーンがたくさんあり、見る人の心をがっちりと掴むとともに、この一月余りの部員たちの努力がはっきりと伝わるとても素晴らしい作品となりました。
60分間の上演終了後に部員たちに声を掛けると、演者として舞台に立った生徒も、音響や照明などの裏方で演者を支えた生徒も、全ての部員が満遍の笑顔で挨拶をしてくれたので、生徒たちなりにも大きな満足感と達成感があったのだと思います。
そうした感情が得られるのは、幾多の壁に真摯に向き合い、相応の悩みや苦労を乗り越えてきた証しであり、チームとして一つの作品の完成に心を一つにして向き合ってきた成果であると言えます。こうした体験が生徒を大人にする部活動の醍醐味なのであり、本校をはじめ多くの学校が部活動を推奨する理由なのだと思います。部員たちには、ここで満足せず、更なる高みを目指して精進を重ねてほしいと願います。
また、本日は休日にも関わらず、多くのご家族の皆さまにご来場いただき心より感謝申し上げます。生徒たちの本日の笑顔は、日頃のご家族の皆さまのあたたかなご支援の賜物と考えております。今後とも変わらねご支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ越南生!頑張れ演劇部!
【校長室】全国の舞台「書の甲子園」へ!(書道部)
去る10月11日(木)から10月13日(土)にかけて大阪府内にて第33回国際高校生選抜書展の審査が行われました。この大会は、別名「書の甲子園」と言われており、高校生の公募型書道展では国内最大規模かつ最も権威ある大会とされています。
全国の高校生書道家たちは、毎年8月に行われる全国高等学校総合文化祭とともに、この「書の甲子園」での入選を大きな目標としており、生徒たちにとっては、まさに高校生活の集大成を披露する場となっています。
展覧会には全国から1万635点(国内1万494点、海外141点)の応募があり、全国10の地区大会(本県は北関東地区大会)を勝ち抜いた作品が本大会に出展され、国内で入賞200点、入選1,800点、海外で入賞6点、入選21点の計入賞206点、入選1,821点が選ばれました。
本校からは、書道部の部員たちが日頃の成果と「書」に対する想いを込めた渾身の作品を出展しました。それぞれの作品には、日々の地道な活動で身に付けた「書」の知識や筆遣いなどのスキル、自らが題材として選んだ「書」に対する想いが詰まっており、まさに青春を賭して取り組んできた部活動の集大成ともいえる作品となっています。
過日行われた審査会の結果が発表され、本校からは秀作賞に塚本彩可さん(2年)が2年連続で選ばれました。また、入選作には村田優月さん(2年)、金安加穏さん(2年)、大久保心花さん(2年)、五十嵐穂乃さん(1年)の4名が選ばれました。
書道部の皆さんは、文化祭やイベントなどで行う書道パフォーマンスが華やかで活気ある印象がありますが、普段の活動の様子を見に行くと、いつもそれぞれが真剣なまなざしで「書」に向き合い、一筆一筆に想いを込めて、黙々と筆を滑らせている姿がとても印象的です。こうした基礎基本を大切にした地道な鍛錬の継続こそが、やがて実を結ぶということは、どの部活動でも同じなのだと感じています。
今回入賞や入選という形で評価をいただくことができた生徒も、今回は入賞や入選を逃すこととなった生徒も、他の部員たちと切磋琢磨しながら直向きに好きな活動に打ち込み共に成長することは、部活動でなければ味わうことのできない貴重な経験や財産となっているはずです。
また、生徒たちが日々部活動に情熱を持って没頭できるのも、保護者の方をはじめとしたご家族の皆さまのご理解とご協力があればこそのことであると感じています。生徒たちには日頃の活動を支えてくださる皆さまに感謝しつつ、今まで以上に精進を重ね、更なる飛躍を目指してほしいと願います。
入賞した塚本さんの作品は、令和7年2月5日(水)から2月9日(日)までの期間、兵庫県神戸市の原田の森ギャラリー(兵庫県立美術館王子分館)本館2階大展示室で開催される全国展覧会にて展示されることになっています。ご都合のつく方は、是非現地にてご鑑賞いただけますと幸甚に存じます。
頑張れ、越南生!頑張れ、書道部!
【校長室】タスキで繋ぐ「南の風」(陸上部)
本日10月30日(水)、熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場及び周辺道路を使った特設コースにて、令和6年度男子第75回・女子第36回全国高等学校駅伝競走大会埼玉県予選会が開催され、本校陸上部の男女が出場しました。
朝から小雨混じりで肌寒い天候でしたが、長距離ランナーにとっては、むしろ適度な湿度もあり走りやすいコンディションとなりました。
大会には、男子が68校(77チーム)が、女子は39校(45チーム)が出場し、それぞれ優勝したチームが12月に京都市内の都大路で開催される全国高等学校駅伝競走大会への出場権を獲得するとともに、上位6校が11月に群馬県で行われる北関東大会への出場権を獲得することとなっています。
午前10時にスタートした男子のレースは7区間42.195kmで、本校は大崎葵(1)、小若隆埜(2)、長尾謙(2)、小川槇士(1)、安岡讓伸(2)、浅井颯斗(1)、大矢陸(3)の7名が出場しました。レースは全員がベストを尽くしたものの、序盤からうまく波に乗ることができず終始60位から70位前後でタスキを繋ぐ厳しい展開となる中、アンカーの大矢君が意地の力走を見せ、総合順位57位でフィニッシュしました。
午後1時30分にスタートした女子のレースは5区間21.0975kmで本校は前島美桜 (1)、前田笑美子 (1)、東江咲良 (1)、渡邉彩菜 (1)、若林朋佳 (2)の5人が出場し、男子チームの悔しさをリベンジすべく意気込みを持ってレースに臨みましたが、男子同様に序盤からの遅れをなかなか取り戻すことができず、唯一の2年生でアンカーの若林さんが奮闘を見せたものの、総合順位は29位という結果となりました。
今回のレースでは、男女とも満足できる結果を手にすることはできませんでしたが、チーム全体で同じ目標を持って日々の精進に取り組むことは、スポーツの醍醐味とも言われる他者をリスペクトし共助するチームワークやスポーツマンシップを育むことにつながるものであり、上位進出を目指してベストを尽くした皆さんのレースは十分に意味があり称賛に値するものであったと考えています。
陸上部の皆さんには、今後のトラックやフィールドでのトレーニングで更なる精進を積み重ね、次なるレースの舞台でリベンジを目指してほしいと願います。
頑張れ越南生!頑張れ陸上部!
【校長室】「芸術の秋」到来!(文化部活躍の季節)
我が国は、国が位置する北緯や島国であること、東南には大きな海が広がっていることなどから、1年を通じて春夏秋冬の四季が存在し、季節ごとの気候変化が明確に感じられる世界でも類を見ない特徴ある国であり、先日の「越南ブログ」に紹介された地理総合の授業でも取り上げられていたケッペンの気候区分では、日本はほぼ温暖湿潤気候か湿潤大陸性気候に属するとされています。
こうした特徴に合わせて、我が国では古くから季節に応じた行事や風習、祭りやしきたりなど、風土に合わせた特色ある文化が各地で生まれ、大切な伝統として代々受け継がれてきました。近年のインバウンドにより世界中から我が国を訪れる外国人が、「日本」を目的地とする理由の一つが、この四季折々特有の風情や文化であるとされています。
私たち日本人にとっては日常であり、もはや特段の魅力も感じないほど当たり前となった四季ですが、外国人にとってはとても魅力的で興味深いものであり、我が国の安定した治安状況やインフラの利便性、環境衛生や「おもてなしの心」を持った国民性などと相まって、世界中の人々の「行ってみたい国」ナンバー1に選ばれる理由ともなっています。
さて、10月下旬と言えば暦の上では冬の到来を感じるべき季節のはずですが、今年は観測史上最も暑かった夏の余韻が未だ感じられる中、最近やっと長袖のシャツや上着が手放せなくなってきて、ようやく「秋がやってきたな」と本格的に感じています。
わが国では、「秋」は気候が安定し過ごしやすく、何をするにも適切な時期であるとされ、四季の中でも最も良い季節であるとされています。故に「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」「収穫の秋」「味覚の秋」など、「秋」に因んだ様々なワードが生まれ、それぞれの趣向に合わせた過ごし方をするのが一つの幸せの形となっています。
そうした中で、文武両道を校訓とし、勉学とともに部活動に情熱を注ぐ生徒たちが多い本校では、「芸術の秋」という言葉も見逃せないワードの一つであると考えています。
「芸術の秋」という言葉の由来は諸説あるとされていますが、一説にはある雑誌の記事がきっかけとなったといわれています。今から106年前の1918年に発行されたある雑誌の中で「美術の秋」という記載があったことから派生したことが「芸術の秋」の由来とされ、加えて、秋には日本を代表する各種展覧会が集中して開催されることからも「芸術の秋」といわれるようになったとされています。
学校の部活動というと、その活動のインパクトから、どうしても運動部活動の方が活発な活動に見られがちで、ことさら「スポーツの秋」を連想しがちですが、運動部の各競技において新人大会等の公式戦が盛んに開催される一方で、本校では文化部の生徒たちも運動部員たちに負けず劣らず熱心に活動し、輝かしい成果を上げ続けています。
文化部の活動は、その特性から自分の感性やスキルに向き合うことが求められ、スポーツの活動に比べて派手さはなく、自分以外に向けた外向きなエネルギーを感じにくい傾向がありますが、その作品の本質には、観る人聴く人に対する作者の熱いメッセージが込められており、制作背景や創造されたストーリーには、スポーツと同様に「人の心を動かす力」が確実に存在するものだと考えています。実際、演劇部や吹奏楽部などの公演を見に行くと、知らず知らずのうちに心をグラグラと動かされる場面に遭遇し、決まって涙腺が崩壊しそうになる自分と向き合うことになるのです。
そんな「芸術の秋」は、高校生文化部員たちにとってもやはり重要な発表の時期であるとされており、実際に様々な文化部活動の公式大会に相当する発表会や展示会が次々と行われます。この時期に開かれる発表会や展示会の多くは、次年度実施される全国高等学校総合文化祭(文化部のインターハイ)の県内選考会を兼ねたものが多く、生徒たちにとっては来夏の全国大会出場権を賭けた真剣勝負の場となっています。
本校文化部の部員たちも、下記のとおりそれぞれのステージで日頃の努力の成果である作品を出展・披露いたします。ご家族の皆さまや学校関係者に限らず、生徒たちが情熱をかけて作り上げた作品の数々を、一人でも多くの皆さまにご覧いただきたく存じます。そして、ご覧いただいた時に感じた素直な感想や生徒たちの活動に対する想いなどを直接伝えていただくことができれば幸甚に存じます。
各発表会や展示会では、皆さまのご来場をお待ちしております。
【演劇部】
大会名 2024演劇fair in そうか(草加フェア)
日 時 11月3日(日)※本校の作品上映は15時開演となります。
場 所 草加市立中央公民館ホール
【写真部】
大会名 第41回埼玉県高等学校写真展
期 間 令和6年11月6日(水)~11月10日(日)
場 所 埼玉会館
【書道部】
大会名 第63回埼玉県高等学校書道展
期 間 令和6年11月20日(水)~11月24日(日)
場 所 県立近代美術館
【美術部】
大会名 第67回埼玉県高等学校美術展
期 間 令和6年11月27日(水)~12月1日(日)
場 所 県立近代美術館