校長室より
【校長室】引き継がれる越南サウンド(吹奏楽部ウィンターコンサート)
本日12月26日(木)午後4時から、三郷市文化会館大ホールにて、第23回吹奏楽部ウィンターコンサートが実施されました。
本コンサートは、毎年3年生が引退し、新たに編成された新チームの最初の公式戦となるアンサンブルコンテストの県予選が終わったところで、1年の締めくくりとして、日頃ご支援をいただいているご家族の皆さま、応援してくださっている関係各所の皆さま、OB・OGの皆さま及び本校吹奏楽部に関心を持ってくださる中学生などに対して、心を込めて現段階で奏でられる精一杯の音楽をご披露することにより、吹奏楽部の現在位置をご覧いただくとともに、日頃のご支援に対する感謝の気持ちをお伝えするコンサートとなっています。
部員たちは、この日のために、日々遅くまで楽器と向き合い、少しでも心に届く音楽が奏でられるよう、演奏スキルの向上に努めてきました。
2学期末には、学校全体をインフルエンザの猛威が襲い、学級閉鎖などにより全体での音合わせも十分にできない中、それでも前を向き「最高の音楽を全員で」の部訓のもと、今自分たちができる最高の準備を積み重ねて本日のステージに立ちました。
コンサートは定刻に顧問の岡田教諭が登場して始まり、第1部はコンクール仕様の重厚で迫力のあるクラシックステージで、演目は2012年度の課題曲である行進曲「希望の空」で始まり、2001年度の課題曲である式典のための行進曲「栄光をたたえて」、そして11月の全日本高等学校吹奏楽大会in横浜で演奏した新チームの看板曲で、パーカッションの存在感が光る「エル・カミーノ・レアル」が次々と演奏されました。特に「エル・カミーノ・レアル」は、20世紀を代表する音楽家アルフレッド・リードが作曲した吹奏楽曲でアメリカ空軍の軍楽隊が演奏したことから、いきなり打楽器の大音量演奏から始まり、「度肝を抜かれた」という感じで会場を圧倒するド迫力の楽曲でした。
当初予定していた交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」は都合により変更となりましたが、どの曲も迫力があり、会場全体が一気に引き込まれました。
第1部の終了後20分間の休憩を挟んで始まった第2部は、前半で過日行われたアンサンブルコンテスト参加チームのステージから始まり、金賞を受賞し西関東大会出場を決めた打楽器8重奏の「Gate to Heaven」が披露され、両手に持ったバチ遣いの余りの速さと正確性、「静」と「動」の音のコントラストに圧倒されました。続いて銅賞を受賞した金管8重奏の「火天の舞」が披露され、こちらも高音と低音の金管楽器特有の美しい音色が心地よいアンサンブルを奏でていました。最後は11月10日(日)に行われた「吹奏楽の日in埼玉」に出場した金管5重奏の「Quintet No3」が披露され、5人がほとんどソロ演奏の緊張感の中での演奏となりました。
後半は明るく楽しい雰囲気で、音楽に乗ってついつい踊りだしたくなるようなリズム感の楽曲を集めたポップスステージで、クリスマスメドレーから始まり、吹奏楽部の隠し球であるシンフォニー戦隊ビートファイターが登場して笑いを誘いながら観客と一体となる振り付けで会場を一気に盛り上げ、極めつけは保護者世代のハートを鷲掴みにする昭和アイドルの楽曲をキュートな部員たちが歌って踊る素敵なステージが披露されました。昭和生まれの私も、まさかのトップアイドル5組(国生さゆり、キャンディーズ、松本伊代、山口百恵、松田聖子)の登場に若かりし頃を思い出し、見事に心を射抜かれて、まるで当時の紅白歌合戦を観ている気分でした。
続いてアナ雪と銀河鉄道999のアニメメドレーでは、アナとエルサ、オラフに扮した3人の寸劇を交えた見どころ満点のステージで、3人はそれぞれの衣装のまま、最後まで演奏していたのが印象的でした。
フィナーレを前に部を代表して部長の岩田さんの挨拶がありましたが、先代の柴田部長に劣らぬ流暢で丁寧な挨拶で、新チームの活動状況と日頃感じている感謝の気持ちを会場の皆さまにお伝えする立派な姿に感心しました。
フィナーレは、色とりどりのポンチョを身に纏い、吹奏楽部十八番の「宝島」で会場が一体となって、楽しかったコンサートが、あっという間にエンディングを迎えました。
終演後は部員全員が退場する来場者をホワイエで出迎え、一人一人の部員たちが改めて感謝の気持ちを直接伝える姿がありました。
本日は遠方にもかかわらず、また年末のご多忙の折、たくさんの保護者やご家族の皆さま、関係の皆さまにご来場いただきますとともに、あたたかな拍手で部員たちを励ましていただき、心より感謝申し上げます。
こうして部員たちが大好きな音楽に真剣に向き合い、聴く人の心に響く音楽を一心に追求できるのも、皆さまのあたたかなご支援があればこそのことであると強く感じております。
おかげさまで、部員たちは音楽に青春を賭け、思い切り没頭しながら、夢である全国の舞台を目指して邁進し続けています。
来夏には、皆さまのご期待に応えるとともに、自分たちの目標を必ずや実現できるよう、部員及び顧問一同心を一つにして精進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!
【校長室】「成功」の反対とは…(第2学期終業式)
本日12月24日(火)巷ではクリスマスムード一色に染まる中、本校では第2学期の最終日を迎え、終業式を実施しました。今回は、先週インフルエンザの罹患者が急増したことで学級閉鎖を実施したことから、感染症拡大防止対策の観点からオンラインでの実施としました。
学校社会では、2学期は期間が最も長く1年間の中心的な学期であり、本校においても文化祭や修学旅行などの大きな学校行事に加え、各部活動の新人大会などの大会が盛んに行われ、それぞれのステージで輝く生徒たちの姿をたくさん見ることができました。
本校の生徒たちを見ていると、本当に真面目で素直な生徒が多いと感じます。例えば、授業を見に行くと、廊下ですれ違ったり、私が教室に入った途端すぐに明るく爽やかな笑顔で挨拶してくれる姿があり、授業が始まれば一気に教室の雰囲気が変わり、真剣な眼差しで教師を見つめ「話を目で聴く」生徒たちの姿があります。この「人の話を目で聴く」ことは、物事に対する集中力、執着力の表れであり、学びの質の高さの尺度には欠かせないことで、これはどの学校の生徒にもできることではないと感じており、越南生の持つ特に素晴らしい資質の一つであると強く感じます。
一方で放課後になれば、校内の至るところで賑やかな声とともに活発に部活動に勤しむ姿があります。本校生徒の部活動加入率は90%を超えており、これも他校には真似できない驚異的な姿であると言えます。しかも、その取組は学習活動以上に熱を帯び、生徒一人一人が見せるその姿は常に真剣そのものであるのも大きな特徴です。
ことさら感じるのは、生徒たちが指導者である顧問を信頼し、指導者から受ける様々な助言を素直な気持ちで受け入れ、純粋な思考で目標の実現にトライしていることです。部活動に関わらずどのような場面でも、「他者の言うことを素直に受け入れる力」があるということは、他者に認められ、成功するために最も重要なスキルであると言えます。
とりわけ高校生年代ともなると、ある程度身についた知識や経験と精神的自立から自我が強くなり、指導者の意見を素直に受け入れられなかったり、時には反発したりする姿が見られるものですが、本校生徒たちからは、ほとんどそのような姿を見ることはありません。こうした素直で実直な姿勢が生徒たちの成長を加速させ、効率よく高みへと導いているのだと強く感じます。
そんな生徒たちに向けて、終業式では「成功と失敗の捉え方」についてお話ししました。大谷翔平選手をはじめ、松下幸之助やトーマスエジソンなどの著名な成功者の言葉や生き様を紹介しながら、人生を輝かせるために必要なのは、成功者に共通した考え方である「成功の反対は失敗ではなく、諦めることである」と伝えました。
上手くいかない場面や失敗した場面に遭遇した時に、その次の場面でどのようなアクションを取るのかにより成功者となるのか失敗者となるのかが決まるのであり、例え上手くいかなくとも、簡単に諦めずに「上手くいかない方法を見つけた」とポジティブに捉え、失敗の原因を熟考し手法を変えた上で何度も挑戦を繰り返すことこそ成功者への必須条件であると伝えました。
Z世代と呼ばれる現代の若者たちは、大学卒業後の就職先も転職することを前提で選ぶと言われています。事実20代前半の3年以内離職率は34.9%とされ、実に3人に1人が3年以内に離職している現状があります。しかも、その傾向は年々加速しています。自分の考えや能力に自信を持つことは大切である一方で、転職=キャリアアップと捉える安易な思考をはじめとした見極めや諦めの早いZ世代の生き方に一抹の危うさを感じる人も多いのではないでしょうか。Z世代の真っ只中で生きる現代の高校生たちには、人生のどこかの場面で「なりたい自分」を実現し、自分自身が成功者となるためにも、自身の意に反する場面や困難に直面した場面で簡単に諦めることなく、ある程度の忍耐力を持って成功するまで挑戦し続けるタフさ(強さ)を身に付けてほしいと強く感じます。
併せて、生徒たちには、年末年始を迎えるに当たり自分自身の今年1年を客観的に振り返り、「なりたい自分」をいつかきっと現実のものとするために、次の1年で飛躍することを目指して、新たな「目的」や「目標」を固めてほしいとも伝えました。
3学期の始業式の朝、元気に登校する生徒たちの顔が、晴れやかな笑顔とともに新たな決意に満ち溢れていることを願って2025年を迎えたいと思います。
筆末となりますが、保護者の皆さまにおかれましては、日ごろから本校の教育諸活動に対しまして格別のご理解、ご協力、そしてご支援を賜り、心より深く感謝申し上げます。生徒たちが本校での高校生活を謳歌し、様々な場面で輝いたり素敵な笑顔が見られるのも、偏に保護者の皆さまやご家族の皆さまが、生徒たちをあたたかく見守るとともに、本校の教育活動を力強く後押ししていただいているお陰であると強く感じています。今年1年の皆さまのご支援に改めて感謝申し上げますとともに、2025年も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
皆さまにとって2025年が良い年となりますことをご祈念申し上げます。
頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!
【校長室】「南の風」ついに世界へ!(外国語科1年和田青依さん)
「アジアの中の日本」を意識し、グローバル・ローカルの視点から、発信力・交渉力・論理的思考力を鍛え、未来のグローバル日本社会を創造するリーダーの育成を図るために埼玉県教育委員会が取り組んでいる県立学校グローバルリーダー育成プロジェクトに和田青依さん(外国語科1年)が選ばれ、本日12月23日(月)、年明けに西関東大会に出場する吹奏楽部と関東大会に作品を出展する写真部の生徒たちとともに壮行会を行いました。
このプロジェクトは平成23年度から埼玉県教育委員会が主導して開始され、グローバル化が進む現代社会の中で、将来グローバルリーダーとして世界の様々な舞台で活躍しうる人材を育成することを目的に、県内の高校生の中からわずか40名を選考して、国内研修を積ませた上で、実際に海外に派遣して様々な体験をさせるプログラムで、これまでは選考試験の難易度の高さから埼玉県を代表するような名だたる進学校の生徒たちが選ばれることが慣例となっていました。
本校は、平成6年度入学生から外国語科を設置し、オーストラリア短期留学をはじめとした独自の学習プログラムを実施しながら国際理解教育や生徒の英語力向上に取り組んできましたが、これまで本プロジェクトに本校生徒が選ばれたのはわずか数名であり、本校としては久しぶりの快挙となりました。
これは、和田さん自身の語学力や学習に対する努力の成果、そして保護者の方の子育てに関する考え方やご指導の賜物であることは言うまでもありませんが、同時に、これまで本校の国際理解教育に携わってきた外国語科教諭をはじめとした本校教育活動の成果であるとも言えます。
和田さんは、今年7月上旬に派遣が決定して以来、派遣国であるシンガポールとのオンライン交流会や国際連合関連機関での模擬研修、港区にあるシンガポール大使館への訪問などの10回にわたる国内研修に参加してきましたが、いよいよ来月、埼玉県の代表として1月18日(土)から8日間シンガポール共和国及びマレーシアに派遣され、大使館やシンガポール国立大学などを舞台に行われる様々な学習プログラムに参加することになっています。
和田さんには、選ばれし者のみが経験することができるこの貴重な機会に、未知なる体験の連続となると思いますが、臆することなく積極的に、そして全力でチャレンジしてきてほしいと思います。
また、切磋琢磨しながら高いレベルでの自己実現を目指す「南の風」の一員として、自信とプライドを持って、思い切り自身の肌で「世界」を感じてきてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、外国語科!
【校長室】「光陰矢の如し」関東高等学校写真展出展へ!(写真部)
本年度埼玉県高等学校写真連盟が主催した埼玉県高等学校写真展6月写真展と11月写真展の入選作品の中から、来夏に香川県で行われる全国高等学校総合文化祭と来年2月に千葉県で行われる関東地区高等学校写真展への出展作品の選考が行われ、本校から春の6月写真展で優秀賞を受賞していた富田陽優君(3年)の作品「光陰矢の如し」が見事に関東地区高等学校写真展への出展作品に選ばれました。
富田君の作品は以前も紹介しましたが、本人が大の鉄道ファンだということで、4枚1組の作品のすべての被写体を電車車両などの鉄道写真とし、独自の構図と撮影スキルで無機物にメッセージを吹き込みました。
様々な写真展を鑑賞していると、一瞬を切り取った1枚の写真を題材とする作品が圧倒的に多く、撮影者が感じた感性をその1枚にすべて託すというのが一般的ですが、富田君は、あえて4枚組の写真を採用して、その4枚それぞれに込めた想いを1つのストーリーとしてメッセージを吹き込んでおり、そうした作品が上位展覧会の出展作品に選考されることは、とても難しいことであると感じています。
第31回関東地区高等学校写真展千葉大会は令和7年2月4日(火)から2月9日(日)の期間に千葉県千葉市にある千葉県立美術館第5展示室にて開催されます。富田くんには、受験本番真只中ではありますが、自身の作品を自信を持って出展するとともに、他県を代表する高校生写真家たちの作品を鑑賞しながら、更なるスキルアップに繋げてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、写真部!
【校長室】打楽器8重奏(Percussion octet)西関東の舞台へ!(吹奏楽部)
去る12月16日(月)久喜総合文化会館にて行われた第48回埼玉県アンサンブルコンテスト高等学校部門の県大会に本校吹奏楽部の2チームが出場しました。県大会は11月に5日間かけて行われた選考会を勝ち抜いた40チームが出場し、金賞を獲得したチームのうち10チームが西関東大会への出場権を獲得するレギュレーションとなっています。
アンサンブルコンテストは本校吹奏楽部が夏に西関東大会出場を決めた高等学校吹奏楽コンクールとともに、関東大会(本県代表は西関東大会)及び全国大会へと続く高校吹奏楽界では2大大会とされている権威ある大会です。
また、多様な種類の楽器によりハーモニーを奏でる吹奏楽仕様とは異なり、単一種類の楽器のみの重奏によるアンサンブルの美しさを競うコンテストで、より個々の演奏スキルや各演奏者の奏でる音色の一体感が重視される技術コンテスト的な要素を強く持った大会となっています。
本校からは、金管楽器パートと打楽器パートの2チームが出場し、他校チームが3重奏や4重奏など少人数でのチーム構成とする中、2チームとも最難関の8重奏(8人による重奏)に挑戦しました。
吹奏楽部は、日頃から仲間たちと地道な練習を積み重ね、ひたむきに演奏スキルを磨いている姿が印象的であり、その取組姿勢は文武両道を高いレベルで実現することを目指す本校の象徴的な部活動のひとつであることはこれまでもお伝えしてきましたが、「最高の音楽を全員で」を合言葉とする部員たちが、様々な舞台で輝かしい成果を上げ続けられる根拠が、実直に個々のスキルアップに取り組む部員全員の共通した姿勢にあるのだと感じています。
だからこそ、個々のスキルに審査の重きが置かれるアンサンブルでは、より困難度の高い多人数での重奏に挑戦することは、どの学校でもできることではなく、日頃の鍛錬の成果を実感するためにも、とても価値あるものであるとも感じています。
そうした中で、西関東大会への出場権獲得を目指して出場した金管楽器パートと打楽器パートでしたが、金管楽器部門は実力を十分に発揮することができず銅賞の受賞に、打楽器部門では並み居る強豪校が打楽器で勝負する中で見事に金賞を受賞するとともに西関東大会への出場権を獲得しました。
西関東大会は令和7年1月26日(日)に山梨県甲府市のYCC県民文化ホールにて行われます。打楽器パートの8名には夏の西関東大会での悔しさを晴らすべく、部員全員の想いを胸に、自信を持って演奏してきてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!
【校長室】英語劇「Matilda」の校内公演に挑戦!(2年生外国語科)
過日三芳町で行われ、本校外国語科2年生の生徒たちがクラス全員で参加した埼玉県高等学校英語劇発表大会出展作品の校内公演会が、本日12月17日(火)第5時限目を活用して本校体育館にて行われました。
演目は、主役の天才少女マチルダと子供の教育に興味の薄い両親、マチルダの友人たちや個性あふれる学校の先生たちとの人間模様を描いた「Matilda」で、全体のストーリーを7つのシーンに分け、それぞれのシーンに登場する登場人物とナレーションをクラス全員で分担して演じました。
シーンを7つに分けたことで、主役のマチルダをはじめ、ほとんどの登場人物を複数の生徒が演じる構成となっており、同じ役柄でも別の生徒が演じることで、その役柄の人物が醸し出す場の雰囲気や人柄に違いが見られ、とても興味深く鑑賞することができました。
また、マチルダとその友人たちが見せる子供らしい悪戯や、陰の主役とも言える気性が激しく悪名高い校長のトランチブル先生が人形を使って時折見せるコメディータッチの演出が会場に笑いを誘い、全編英語オンリーで進行する劇の中で、とても心温まるアクセントになっていました。
ここ数日発熱などによる欠席者が増加し、本来の演者が欠席のため急遽別の役柄までこなさなければならなくなった生徒も多数いて、代役として舞台に立つ生徒は、他の人のセリフや演出を急いでインプットし、しかも英語で表現するという荒業に挑戦することとなり、生徒たちにとっては、十分な完成度での公演ができずに悔しい思いもあったことと思います。
しかし、観ていた私たちには、そうしたアクシデントにも果敢に立ち向かい、居ない生徒の分の代役を担った生徒を中心にクラスみんなでカバーしながら一つの作品を演じきった皆さんの姿は、とても心に響くものがありました。そして、英語の不得手な私には、個性あふれる各役柄に真摯に向き合う皆さんの姿がとても大きく見えました。
私は、自分の経験上、英語力は知識や活舌ではなく羞恥心や劣等感との戦いだと考えています。どうしても上手な生徒や外国の方の前では自分の英語力に自信が持てず、ついつい引っ込み思案になってしまうことが、私を含め、島国であるが故に外国の方々との接点が少なく日常生活の中で英語の必要性を感じることが少ない日本人が英語力が上達しにくい最も大きな要因であると捉えています。
だからこそ、こうした英語劇を通して、人前で堂々と英語で表現する機会を持てたことは、発声や発音の上手下手に関わらず、外国語科すべての生徒にとってとても貴重な経験となったはずです。
これからの我が国は、インバウンドが増加し、身近な場面で外国の方々と接する機会が急激に増加していくはずです。外国の方々との共存共生が避けられない未来を生きる皆さんには、例えブロークンであっても、多少文法的に自信が持てなくても、臆することなく英語で表現し、外国の方々と対等な立場で会話できる力を身に付けてほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、外国語科!
【校長室】お詫びと御礼(第8回学校説明会)
昨日12月13日(金)本校外国語科棟及び生徒ホール(食堂)にて第8回学校説明会を開催しました。
出願まで1か月余りとなり、志望校選びも最終段階を迎える中、120組240名を超える中学生及び保護者の皆さまにご参加いただき、心より感謝申し上げます。
今回の説明会は、本校としては最終回となることから、他校との重複を避け、ご希望される皆さまに確実に参加していただくために、これまでと違って放課後の時間を活用して実施したことから、保護者の皆さまには、お仕事や家事などのご都合を調整していただいた上でご参加いただきましたこと、重ねて感謝申し上げます。
また、当初予定では、外国語科棟において1部制で実施する予定でございましたが、受付開始後にわずか数分で定員に達する状況となりました。
本校受検を検討されている中学3年生にとっては、今回の説明会が本校の教育活動を理解していただく上で最後のチャンスとなることから、ご希望されるすべての受検生に参加していただきたいとの思いで急遽定員及び会場を拡大し、2部制での実施といたしました。これに伴い、生徒ホール(学食)での実施となり、快適な環境を十分にご提供することができない状況がございましたことを心よりお詫び申し上げます。
一方で、高校入学後はお弁当ではなく学食で昼食を摂らせたいとお考えの保護者の皆さまには、本校学食の提供メニューや価格などもご確認いただけたのではないかと考えております。
他校では、急激に進む少子化に伴う利用者の減少から業者が撤退するなど、学食の営業がない学校が多数を占める中、本校は、本校卒業生である経営者が母校の生徒たちに対する熱い想いを持って営業していただいており、定期考査期間を除いて毎日営業し、ボリューム満点で温かく美味しいメニューが提供されています。また、女子生徒向けの軽食などもリーズナブルな値段で品数も充実しており、食欲旺盛な成長期の生徒たちの心と身体を満足させています。私をはじめ、多くの教職員も毎日利用しています。
本日参加された皆さまには、冒頭のご挨拶の中で、受検生自身やご家族が納得できる志望校選びをしていただきたいとお話しさせていただきました。
高等学校は、設置者(市町村教育委員会)の教育方針に則り画一的な教育活動を行う義務教育と異なり、国の定めた学習指導要領に則った教育内容を担保しつつ、各校が特色ある教育活動に取り組むことが強く求められており、同等の学力レベルや同じ種別の学科を設置する学校でも、提供されている教育方針や教育内容は全く異なるものとなっています。
それ故に、教育方針や教育内容に納得できる学校に入学することが、生徒にとって有意義で満足できる3年間を送ることにつながると考えており、高校生活に夢や希望を抱く皆さんには、どの高校に入学するにせよ、有意義な高校生活を送ってほしいと願っているからです。
そうした意味では、本日お越しの皆さんの中に、納得できる学校が本校ではないと考える方がいたとしても、本校としては残念ではありますが、受検生の皆さんにとっては当然のことであるとも考えています。
本校は、「文武両道」を校訓に掲げ、自己実現に向けた勉学に励みつつ、部活動に青春を賭け、自主自立(本校では「自走」としています)を促しながら高いレベルでの人間的な成長を強く求める教育活動に取り組んでいます。「自走」は青春を賭して取り組む大切な部活動の時間をしっかりと確保するための手段であり、文武両道を高いレベルで実現するための必須条件であると考えています。部活動の活動日や時間は各部活動によって異なり、学習活動のための一斉指導は生徒にとって部活動を犠牲にすることにつながり、高いレベルでの文武両道の実現には不向きであると考えています。故に課外の学習活動においては生徒個人個人が可処分時間(隙間時間)を有効に活用することを軸とした個別指導と自学自習を基本とし、可処分時間に個別学習に取り組む生徒たちを教職員全体で手厚く支援しています。
高校3年間、学習活動も部活動も決して諦めない高い志と日々の地道な努力の積み重ねが生徒を大人へと成長させ、やがては心に描く自己実現を達成することにつながると信じて、ほとんどの生徒が「自走」しながら勉学にも部活動にも情熱を持って熱心に取り組んでいます。
そうした生徒たちの精神的自立と切磋琢磨の成果が、他校以上に全国大会や関東大会などハイレベルなステージで活躍できる生徒を多数輩出することができる根拠となっています。
また、本校の生徒たちは、母校である「越南」を愛し、学校のキャッチフレーズである「南の風」にプライドを持っています。
「南の風」とは、主体的に勉学や部活動に取り組むとともに、共助の精神を持って、ともに高め合い、助け合い、誰一人欠けることなく全員で高いレベルのゴールを目指す精神を表したもので、本校の生徒と教職員の一体感を具現化した言葉です。どの部活動の生徒たちも、この「南の風」を吹かせるべく、強い一体感を意識しながら活動しているのが本校の大きな特徴の一つです。
本校では、「勉強だけ」とか「部活動だけ」でなく、どちらも諦めずにチャレンジすることを強く生徒に求めており、こうした校風に共感できる生徒の皆さんの入学を期待しています。
本日の説明会に参加し、本校の校風や教育活動への理解を深めていただいたことで、今後、様々な学校の特色と比較検討しつつ、最終的には、本校の校風にご納得いただき、皆さんが大切な高校3年間を「南の風」の一員として過ごすために本校を志望校に選んでいただくことにつながれば、本校としてはこの上ないことであると考えています。
また、本日お越しの保護者の皆さまとともに、「南の風」の一員となられたお子様たちの高校生活を支えていくことができれば幸甚に存じます。
なお、本日の説明会は1時間程度の短時間でのご対応となりましたため、理解を十分に深めていただくことができなかった方もいらっしゃると拝察いたします。ご不明な点等ございましたら、遠慮なく本校教頭あてにお問合せくださるようお願い申し上げます。
本校では、教職員生徒一同、皆さまのご入学をお待ちしています。
頑張れ、受検生!
【校長室】旅の終わりに…(2年生修学旅行最終日)
本日12月11日(水)、2年生は修学旅行最終日となりました。
本日の行程は大阪・京都の歴史や文化を学ぶクラス別研修でした。生徒たちは3クラスずつ平等院から清水寺見学、大阪城から嵐山散策、金閣寺から嵐山散策の3コースに分かれて、それぞれの街並みや建造物の背景にある歴史と文化を肌で感じながら、古(いにしえ)の時代の人々の暮らしぶりを想像していました。
私は金閣寺と嵐山散策のコースに帯同しましたが、数十年ぶりに見た金閣寺は相変わらず絢爛豪華に輝いており、生徒たちもその煌びやかさと猛烈な残暑のおかげで今頃真っ赤に色付いた美しい紅葉に見惚れているようでした。
次に向かった嵐山では、名勝の渡月橋を背景にクラス写真を撮影しましたが、今夏の大雨で起こった氾濫の爪痕が生々しく、橋の下流では重機が入って川底の土砂の撤去作業が行われていました。ただ生徒たちは嵐山駅周辺の観光ストリートに並ぶ土産店を中心に仲の良い仲間たちと三々五々に散策を楽しみ、袋いっぱいのお土産を片手に笑顔でバスに戻って来ました。
その後は京都駅前の都ホテルで昼食を摂り、15時過ぎの新幹線に分乗して、一路東京駅に向け帰路につきました。
東京駅に到着後、改札を抜けたところで流れ解散となり、先ほど全員がそれぞれの帰路につきました。
今回の修学旅行を通じて感じたのは、生徒たちの自立、自律した思考と行動でした。もちろん些細な違反や忘れ物など指導を受ける場面は散見されましたが、総じて協調性や社会性を持った活動ができ、安心して引率を終えることができました。これは、日常生活を通じて皆さんが身に付けた財産であり、越南生の素晴らしい資質であると言えます。生徒たちは大人として成長するための貴重な経験ができたのではないかと考えています。
一方で、何名か体調不良により個別に対応する場面はありましたが、概ね安全・安心な旅行が実施できたのは、生徒たちの心掛けはもとより、ご家庭でのご指導のおかげであると考えており、心より感謝申し上げます。また、生徒たちを心良く送り出してくださった保護者の皆さまに重ねて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
生徒の皆さんには、明日1日ゆっくりと身体を休め、13日(金)にはリフレッシュして笑顔で登校してほしいと願います。そして、修学旅行の余韻を楽しみつつ、気持ちを切り替えて更なる飛躍に向かってほしいと願います。
頑張れ、越南生!頑張れ、2年生
【校長室】USJ三昧(2学年修学旅行3日目)
本日12月10日(火)修学旅行の3日目となり、旅行も後半戦となりました。本日の行程は、修学旅行のメインイベント、待望のUSJ班別自由行動です。生徒たちは、この日のためにアトラクションもショップもお土産も入念にチェックしてプランを立てており、昨日の夜から心が高鳴って眠れなかったのではないでしょうか。
パーク内で楽しむ時間をできるだけ確保するために、開園時刻から逆算して3グループに分かれてビュッフェスタイルで朝食を摂りました。大阪リーベルホテルは、朝夕ともにビュッフェスタイルですが、メインからデザートまで料理の品数も多く、食べ盛りの男子高校生がテンコ盛りに取り分けても十分な量が確保されており、施設だけでなく食事面でも満足度の高いホテルです。
朝食は、いつもよりちょっと早い6時30分から始まり心と身体をしっかりと目覚まし、早いクループは7時40分頃には徒歩15分ほど離れたUSJのエントランスに向かって元気よく出発していきました。開園時刻は8時30分でしたが、早朝にもかかわらず既に大勢の一般客が並んでおり、生徒たちもアッという間に行列の中に消えて行きました。
明日12月11日(水)に新エリアのドンキーコングが公開される前日だったので空いているんじゃないかと想像していましたが、さすがUSJだけあって、園内は来場者で溢れかえっており、どのアトラクションもアッという間に1時間以上の待ち時間が表示されていました。中には120分を超える待ち時間が発生したアトラクションも複数ありました。
生徒たちの一番人気はジュラシックパークエリアの大型ジェットコースターのフライング・ダイナソーです。新手の吊り下げ型シートにしがみつき、絶叫しながら青空を飛び回っていました。また、Harry PotterやThe Nintendo Worldなどが人気で、生徒たちにとっては待機時間もまた思い出のひとつになったことだと感じています。
私もいくつかのアトラクションに参加しつつ、広い園内で導線が確保できないほどの混雑の中歩いていると、突然男子生徒が「校長先生」と声をかけてきて「一緒に写真を撮ってください」と言われました。校長になって以来、なかなか私に声をかけてくれる生徒が多くない状況でしたので、うれしい気持ちになりました。
340名を超える人数が園内に居たはずの本校生徒たちですが、圧倒的な人数の一般入場者の中では全く目立つこともなく、しかも、私服で見分けにくいだけでなく、ほとんどの生徒が長蛇の列に並んでいる時間が多かったせいか、あまり本校生徒の姿を見かけることができませんでした。それでも、やっぱり本校生徒たちは優秀で、午後5時45分に設定された帰宿時刻には両手にいっぱいのお土産と頭には被り物やカチューシャなどの装飾をして、次から次へと帰宿してきました。
さて、楽しい時間は過ぎていくのもアッという間で、明日12月11日(水)はいよいよ修学旅行最終日となります。明日は朝からバスで京都に向かい、金閣や清水寺、平等院鳳凰堂、嵐山などをクラス別に訪問します。
ここにきて旅の疲れが出てきた生徒も散見されますが、過ぎ去った3日間の想い出は心にしまって、残り1日を大切に過ごさせたいと思います。
いよいよ明日は修学旅行の最終日を迎えます。保護者の皆さまをはじめとしたご家族の皆さまには、明日の夜生徒が帰宅した際には、話したいことがたくさんあると思いますが、可能であれば本人の話に寄り添い、聞き上手な体制で帰宅をお迎えいただけると幸甚に存じます。
頑張れ、高校生!頑張れ、越南生!
【校長室】神戸と大阪を食べ尽くせ!(2年生修学旅行2日目)
本日12月9日(月)は修学旅行2日目となりました。本日は4日間の行程で唯一の班別自主研修の日でした。朝から暖かな日差しが降り注ぎ、心も身体も気持ちの良い1日となりました。
出発時間の都合で、3クラスずつの時間差となりましたが、生徒たちは元気な顔で朝食会場に現れ、しっかりと朝食を摂ったあと、大型の荷物をトラックに積み込み、クラス別にバスで広島駅に向かいました。団体旅行の特権で2列になって集団で改札を抜け、事前に班ごとに下調べをして計画した目的地となる神戸or大阪方面に向け、新幹線に乗り込んで、いざ出発となりました。
私は、新神戸グループに帯同しましたが、新幹線で新神戸駅到着後、駅ビル内で最後の確認を済ますと、生徒たちは三々五々に三ノ宮の街中に散っていきました。神戸グループの大きな目的は神戸牛を食することとポートタワーやメリケン波止場などの景勝地の散策のようで、JR三ノ宮駅周辺の飲食店や南京町の中華街で神戸グルメを堪能したようです。その後ベイエリアに移動してポートタワーに登り、眼下に広がる海と神戸の街並などの景色を鑑賞し、夕食は大阪市内で大阪のグルメも堪能する欲張りコースとなりました。
一方、大阪グループは、新大阪駅に降り立ち、一目散に大阪の台所“難波”に向かったようです。心斎橋や道頓堀周辺の喰い倒れの街を周遊し、食べ歩きをしながらリサーチしてきた飲食店に向かい、お好み焼きやたこ焼きなどの「粉もの」をはじめ、思い思いのグルメをじっくりと堪能したようです。
どちらのグループも、広島からの新幹線移動があったため、昼頃からの散策となりましたが、夜のホテル集合までの時間を逆算して、たっぷりと仲間たちとの至福の時間を楽しんだようです。
夕方以降に大阪環状線で発生した電車の遅延などのアクシデントもありましたが、無事に当初の目的を果たしてホテルに帰着した生徒たちは一様に満足した表情で、充実した1日となったようです。
また、本日の宿泊ホテルはUSJに隣接し、園内を眼下に臨める好立地の大阪リーベルホテル。しかも、昨日のヒルトン広島に劣らない超奇麗なホテルで、クリスマスに向けてイルミネーションでライトアップされたリッチなホテルに本日と明日の連泊となります。生徒たちにとっては、こちらの満足度も爆上がりで、旅を彩る良い思い出になったはずです。
明日は、いよいよ待望の終日USJ三昧の日です。疲れが見えはじめた生徒も散見されますが、一晩ぐっすりと寝てエネルギーを充電し、きっと明日の朝には、元気一杯な笑顔で現れてくれることでしょう。さあ、明日から修学旅行も後半戦、魅惑のUSJを思い切り楽しみ尽くして素敵な思い出を心に焼き付けましょう。
頑張れ、越南生!頑張れ、2年生!