校長室より

校長室より

【校長室】引き継がれる越南サウンド(吹奏楽部ウィンターコンサート)

 本日12月26日(木)午後4時から、三郷市文化会館大ホールにて、第23回吹奏楽部ウィンターコンサートが実施されました。

 本コンサートは、毎年3年生が引退し、新たに編成された新チームの最初の公式戦となるアンサンブルコンテストの県予選が終わったところで、1年の締めくくりとして、日頃ご支援をいただいているご家族の皆さま、応援してくださっている関係各所の皆さま、OB・OGの皆さま及び本校吹奏楽部に関心を持ってくださる中学生などに対して、心を込めて現段階で奏でられる精一杯の音楽をご披露することにより、吹奏楽部の現在位置をご覧いただくとともに、日頃のご支援に対する感謝の気持ちをお伝えするコンサートとなっています。

 部員たちは、この日のために、日々遅くまで楽器と向き合い、少しでも心に届く音楽が奏でられるよう、演奏スキルの向上に努めてきました。

 2学期末には、学校全体をインフルエンザの猛威が襲い、学級閉鎖などにより全体での音合わせも十分にできない中、それでも前を向き「最高の音楽を全員で」の部訓のもと、今自分たちができる最高の準備を積み重ねて本日のステージに立ちました。

 コンサートは定刻に顧問の岡田教諭が登場して始まり、第1部はコンクール仕様の重厚で迫力のあるクラシックステージで、演目は2012年度の課題曲である行進曲「希望の空」で始まり、2001年度の課題曲である式典のための行進曲「栄光をたたえて」、そして11月の全日本高等学校吹奏楽大会in横浜で演奏した新チームの看板曲で、パーカッションの存在感が光る「エル・カミーノ・レアル」が次々と演奏されました。特に「エル・カミーノ・レアル」は、20世紀を代表する音楽家アルフレッド・リードが作曲した吹奏楽曲でアメリカ空軍の軍楽隊が演奏したことから、いきなり打楽器の大音量演奏から始まり、「度肝を抜かれた」という感じで会場を圧倒するド迫力の楽曲でした。

 当初予定していた交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」は都合により変更となりましたが、どの曲も迫力があり、会場全体が一気に引き込まれました。

 第1部の終了後20分間の休憩を挟んで始まった第2部は、前半で過日行われたアンサンブルコンテスト参加チームのステージから始まり、金賞を受賞し西関東大会出場を決めた打楽器8重奏の「Gate to Heaven」が披露され、両手に持ったバチ遣いの余りの速さと正確性、「静」と「動」の音のコントラストに圧倒されました。続いて銅賞を受賞した金管8重奏の「火天の舞」が披露され、こちらも高音と低音の金管楽器特有の美しい音色が心地よいアンサンブルを奏でていました。最後は11月10日(日)に行われた「吹奏楽の日in埼玉」に出場した金管5重奏の「Quintet No3」が披露され、5人がほとんどソロ演奏の緊張感の中での演奏となりました。

 後半は明るく楽しい雰囲気で、音楽に乗ってついつい踊りだしたくなるようなリズム感の楽曲を集めたポップスステージで、クリスマスメドレーから始まり、吹奏楽部の隠し球であるシンフォニー戦隊ビートファイターが登場して笑いを誘いながら観客と一体となる振り付けで会場を一気に盛り上げ、極めつけは保護者世代のハートを鷲掴みにする昭和アイドルの楽曲をキュートな部員たちが歌って踊る素敵なステージが披露されました。昭和生まれの私も、まさかのトップアイドル5組(国生さゆり、キャンディーズ、松本伊代、山口百恵、松田聖子)の登場に若かりし頃を思い出し、見事に心を射抜かれて、まるで当時の紅白歌合戦を観ている気分でした。

 続いてアナ雪と銀河鉄道999のアニメメドレーでは、アナとエルサ、オラフに扮した3人の寸劇を交えた見どころ満点のステージで、3人はそれぞれの衣装のまま、最後まで演奏していたのが印象的でした。

 フィナーレを前に部を代表して部長の岩田さんの挨拶がありましたが、先代の柴田部長に劣らぬ流暢で丁寧な挨拶で、新チームの活動状況と日頃感じている感謝の気持ちを会場の皆さまにお伝えする立派な姿に感心しました。

 フィナーレは、色とりどりのポンチョを身に纏い、吹奏楽部十八番の「宝島」で会場が一体となって、楽しかったコンサートが、あっという間にエンディングを迎えました。

 終演後は部員全員が退場する来場者をホワイエで出迎え、一人一人の部員たちが改めて感謝の気持ちを直接伝える姿がありました。

 本日は遠方にもかかわらず、また年末のご多忙の折、たくさんの保護者やご家族の皆さま、関係の皆さまにご来場いただきますとともに、あたたかな拍手で部員たちを励ましていただき、心より感謝申し上げます。

 こうして部員たちが大好きな音楽に真剣に向き合い、聴く人の心に響く音楽を一心に追求できるのも、皆さまのあたたかなご支援があればこそのことであると強く感じております。

 おかげさまで、部員たちは音楽に青春を賭け、思い切り没頭しながら、夢である全国の舞台を目指して邁進し続けています。

 来夏には、皆さまのご期待に応えるとともに、自分たちの目標を必ずや実現できるよう、部員及び顧問一同心を一つにして精進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!