校長室より

校長室より

自分を信じろ。結果は必ずついてくる。(共通テストに挑む3年生諸君へ)

 今週末の1月18日(土)と19日(日)の2日間にわたり、大学一般受験の本番となる大学入学共通テストが全国各地で一斉に行われます。これに伴い、本校3年生は本日から午前授業となり、午後は入試に向けた準備に集中する時間となりました。きっと、多くの3年生が共テや個別入試に向けてラストスパートをかけていることでしょう。

 本年度の高校3年生は高校で学ぶ学習指導要領においても新課程が施行された年代であり、これまで知識力中心であった出題傾向から、読解力、分析力、思考力、表現力など多様な観点を踏まえた出題へと大きな変更がなされました。加えて教科情報が出題科目に追加され、5教科7科目から6教科8科目へと受験生の負担が増す改革元年となります。

 こうした学習指導要領の改訂や大学共通テストの変更は、本校が読解力向上のために「PISAタイム」に取り組んでいるのと同じように、OECD(経済協力開発機構)の示す学習到達度調査の結果をもとにした日本の児童生徒の学力における国際競争力の向上を目的としています。

 実際に生徒が受験する科目数は、受験する大学や学部・学科等によって差があるとともに、2月以降には各大学の個別試験も課されることとなりますが、ほとんどの大学が共通テスト受験を課していることを踏まえれば、やはり受験生にとっては最初の難関であり、このテストの出来によって受験先の再検討が迫られることになるのだと言えます。

 3年生の皆さんは、共通テスト本番を今週末に控え、言いようのない不安と恐怖を感じている生徒がたくさんいるのではないでしょうか。人生を賭けた一発勝負となる大学入試の合否でこの先の人生の方向性が決まると捉えれば、当然そうした不安や恐怖に押しつぶされそうになるのは無理もありません。

 でも、大丈夫です。そう思っているのは決してあなただけではありません。目指す大学の学部・学科や難易度等に関わらず、試験当日に会場で顔を合わすであろうすべての受験生が、今、あなたと同じように大きな不安と恐怖を感じているはずです。

 条件は、みな同じです。戦うのは周りの誰かではなく、自分自身。あとは持てる力をすべて出し切れた者が、望む結果を手にすることができるだということです。

 共通テストは、皆さんにとっては今後の人生を左右する大きな勝負なのでしょう。だとすれば、勝負事は昔から、「『良い準備をした者』と『想いの強い者』が最後に勝つ」と決まっているのです。皆さんは、今日まで自分ができる最善の準備はしてきたはずです。これからできる準備は、心と身体のコンディションを整えて、試験会場に無事に辿りつくこと。そして、座席に座ったら「最後に勝つのは俺だ!」と信じて、熱い心で、そして冷静に問題に向き合うこと。

 大丈夫、今まで頑張ってきた皆さんなら、きっとベストを尽くせるはず。そして「南の風」がそっと皆さんの背中を押してくれるはずです。

 全力でチェレンジした先には、きっと素晴らしい結果が待っています。自分の力を信じ、自信を持って、持てる力を存分に発揮してきてください。

 なお、1,2年生は、共通テストの日を1年後2年後に控え、1月18日(土)にプレ共通テストとなる総合学力模試を受験します。1,2年生も来るべき勝負の日に備えて、自分の現在位置をしっかりと確認し、良い準備を重ねてほしいと願います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、3年生!

「良い準備」と「想いの強さ」(サッカー部トレーニングマッチ)

 本日1月12日(日)雲に覆われ寒さの厳しい本校グラウンドでは、東部地区新人大会を1週間後に控えたサッカー部が、大会前最後のトレーニングマッチを実施しました。

 サッカー部の公式戦は、年間を通じて行われるリーグ戦の他に、インターハイ予選、全国高校サッカー選手権大会予選、そして新人大会の3つの大会で構成されています。この他、新人大会地区予選のシード校を決めるための支部大会と新人大会の上位校のみが出場できる関東大会予選の2つの大会が公式戦として位置付けられています。

 本校は、新チームとなって初めての大会となる11月の東部支部大会で3戦全勝したことで、今回行われる東部地区新人大会はシード権を持って出場することとなります。

 昨今の高等学校スポーツは、教職員の働き方改革に伴う部活動の在り方の見直しや地域移行に加え、コロナ禍による活動制限が重くのしかかり、特に公立高校ではそうした国の意向が大きな影響を及ぼしている現状があります。一方で、公立高校に比べると国や県の制約を受けにくい私立高校が、充実した施設設備や柔軟な入試制度を活用して台頭し、あらゆる競技で優位な立場にいる傾向が強くなっています。

 こうした中で、本校をはじめとする公立高等学校の役割は、チャンピオンシップスポーツであるからこそ勝利を追求することはもちろんですが、同時にスポーツの本質である競技の特性に触れながらスキルアップを目指し、生涯にわたって楽しむ素地を育むことや、スポーツを通じて自己肯定感を高め、健全で豊かな人格の育成を目指すことであると言えます。

 本校の目指す「高いレベルでの文武両道」による自己実現は、まさにそうした公立高等学校の在り方を具現化するものであり、引退後の人生を豊かなものにするためにも、部活動だけに偏らない全人教育を目指すものでもあります。

 本日は、大会前の最後のチーム戦術の確認の場として、南部地区の川口北高校とのトレーニングマッチに臨みました。対戦相手となった川口北高校は本校と創立年度を共にし、同じように「文武両道」による人格の育成を軸とする学校で、校風や生徒たちの様子など本校と似たような傾向が強く、どちらの選手も素直で真面目であり、直向きに努力するチームカラーが特徴のチーム同士の対戦となりました。

 試合は、前述のとおり同じようなチームカラーであるが故に、目指している戦い方も重なるものがあり、お互いに気持ちのこもった気迫あるプレーの連続となりました。ただ、グループ戦術の浸透レベルや個々の技術レベルでは、僅かに相手が上回っており、セカンドボールの回収率や各エリアでのポゼッション率は相手に一日の長があり、本校にとっては劣勢な試合展開となりました。

 相手が大切にボールを保持し、ショートパスをシンプルにつないで打開を図る展開が多くみられる中、本校は守備のブロックを形成してボールの奪いどころを絞って対応を試みましたが、相手の推進力を止めることができずに2失点し、大会前最後の試合を勝利で飾ることはできませんでした。

 試合後には、公式戦を想定してPK戦(ペナルティ・キック)を行いました。PK戦は相手の心理に読み勝つ力と、平常心で正確にコントロールする力の戦いですが、実戦さながらの緊張感の中、本校のGK(ゴールキーパー)が2本のスーパーセーブを見せ、見事に6-5で勝利しました。

 第2試合では、分析班の生徒を中心に戦術の確認を行い、第1試合でのビハインドを取り返すべく試合に臨みましたが、相手も集中力の高いクレバーなチームで、1試合目同様に一進一退の攻防となりました。前半左サイドの展開からボールがつながり、ペナルティアリア付近の左45度からのミドルシュートが決まり先制しましたが、自陣ペナルティーエリア内でのGKと相手との交錯からのこぼれ球を押し込まれ、同点のままハーフタイムを迎えました。

 トップチーム同士のゲームでは、残念ながら勝利を手にして気持ちよく大会に向かうというプランは崩れたものの、逆に自分たちの修正すべき点や戦術面での綻びなどを再確認する良い機会となったのではないでしょうか。また、PK戦ではGKの大活躍など、プレッシャーのかかる実戦の中で結果を残したことは、多くの選手の自信につながったのではないでしょうか。

 東部地区新人大会では、上位2チームに県大会への、上位6チームに関東大会予選への出場権が与えられます。まずは1戦1戦集中してチーム全員が一つとなって勝利を目指すことを大切にし、結果的に関東大会予選出場権の獲得につながれば良いのではないかと思います。そうした積み重ねの先に県大会出場などの未来が待っているのだと思います。

 部員たちには、日頃から自分たちが熱い想いを持って取り組んでいることにプライドを持ち、そして監督やコーチからどのようなことを求められているのかを再確認して、大会までのあと1週間「良い準備」を重ね、「強い想い」を持って大会に臨んで大きな「南の風」を吹かしてきてほしいと願います。

 本校の1回戦は1月18日(土)の本校第2グラウンドにおいて午前10時にキックオフとなります。対戦相手は吉川美南高校と松栄学園高校の合同チームとなっています。保護者の皆さまをはじめ、お時間の許す方は、ぜひ会場にて部員たちに熱い声援をいただけますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!

受検生と保護者の皆さまへ

 昨日1月9日(木)に県内中学3年生の12月15日時点での進路希望状況調査の結果が発表され、本日1月10日(金)の新聞紙面にて報道がなされました。

 校長といたしましては、本校を第1志望校とする受検生の状況は、とても気になっておりましたが、おかげさまで多くの受検生の皆さんから第1志望校として希望していただき、安堵するとともに、希望していただいた受検生の皆さんの未来を充実したものにするべく、より一層学びの環境を整えなければならないと、決意を新たにしたところでございます。

 併せて、本校を希望される受検生はもとより、すべての受検生の皆さんには、それぞれの希望が叶うよう応援していますので、最後まで諦めることなく、自分の力を信じてベストを尽くしてほしいと願っています。

 また、今回発表となった各校の倍率などを見て、不安な気持ちを抱いている受検生もたくさんいるのではないでしょうか。特に本校の場合は、多くの皆さんに希望していただいたおかげで高い倍率をいただくこととなりました。例年の状況を踏まえると、実際の出願時には、もう少し落ち着いた状況となることが見込まれますが、自分の人生を賭した高校受検ですから、誰もが不安な気持ちになることは当たり前のことであると思います。

 ただ、一つはっきりしていることは、「最終的に皆さんが決断して入学した学校で皆さんは高校3年間を過ごすことになる」ということです。

 学校説明会の場でもお話ししましたが、高等学校は中学校と違い、それぞれが特色ある教育活動に取り組んでいます。言い換えれば、学校によって、生徒に対して提供される教育内容や求められる理想像が異なるということです。だからこそ、自身が考える「夢」や「目標」に情熱を持ってチャレンジするためには、皆さんが抱く未来への想いと、入学する高校の校風や教育方針、学びの環境などがマッチしていることが大切な条件となるのではないでしょうか。

 本校の校長としては、すべての受検生が希望する進路を実現できることを心から願っていますが、一方で各受検生にはそれぞれが抱える様々な事情があることも十分承知しています。だからこそ、保護者の方やご家族の皆さん、中学校の先生方などと十分に検討を重ねた上で、最終的には自分自身が納得できる志望校を選んでほしいと願っています。

 今後、志望校の最終決定の時期を迎えますが、どの高校を志望校とするにせよ、春から新生活をスタートさせる学校が、可能な限り皆さんが「夢」や「目標」の実現にチャレンジできる環境であることを願っています。そして、越谷南高校は、そうした環境をしっかりと整え、本校を第1志望校とする皆さんの高校生活を全力で支えていく準備ができています。最終的に皆さんが決断した志望校が越谷南高校であることを心から期待しています。

 「南の風」の一員として、一緒に「夢」の実現に挑戦しましょう。

 頑張れ、受検生!

年始早々の向かい風を乗り越えて(始業式)

 本日1月8日(水)2025年初の登校日となり、生徒たちが爽やかな笑顔とともに元気な姿で登校してきました。

 ところが、私が今朝出勤すると、校内が全館停電しており、原因も復旧の目途も不明であるとのことでした。急遽本日と万が一復旧しなかった場合の明日以降の日程や生徒対応などについて教職員に指示するとともに、業者への対応を依頼し、突然のアゲインスト(向かい風)の中であわただしい初日のスタートとなりました。

 生徒たちも、教室の電気もストーブも点かずチャイムも鳴らないなど異変を感じる中での始業式となりましたが、教職員以上に生徒たちは落ち着いており、当初の予定のとおり体育館において、予備バッテリーを使ってスライド投影をしながら始業式を実施しました。

 始業式の講話では、生徒たちに対して、年始に当たり自分が決意した新たな目標を達成するための「あたりまえ」の捉え方について大谷翔平選手や北口榛花選手の事例を踏まえてお話ししました。お話した内容の要点は以下のとおりです。

①   何事もスキルアップを果たし、望む結果を手にするためには、それ相応の鍛錬を可能とする環境に身を置き、それ相応の犠牲を払うことが必要であり、それを「あたりまえ」だと感じることができることが重要であること。

②   「あたりまえ」とすべき取組のレベルは、毎日のルーティンにできるレベルから始め、PDCAサイクルを回しながら徐々にレベルアップを目指すこと。

③   自己評価は、取り組んだ「時間や分量」ではなく「何ができるようになったか」にコミットすること。

④   自らに課す「あたりまえ」は、自らの意志で決めるものであるとともに、その目的は自分自身のためではなく大切な誰かのためであるべきであり、「なぜそれに取り組むのか」という目的をはっきりとさせること。

⑤   個々が「あたりまえ」とする価値観やレベルは異なるが、礼儀正しくきちんとした挨拶ができることがとても素晴らしい越南生の「あたりまえ」のレベルであるように、すべての越南生が「南の風」の一員であることにプライドを持って、越南スタンダードである「あたりまえ」のレベルを高め合い、競い合って「なりたい自分」の実現を目指すこと。

 生徒たちは、照明の点かない薄暗い体育館の中で、しっかりと顔を上げ、スライドに投影される画面と講話の内容を目と耳に焼き付けていました。そうした純粋な生徒たちの姿を目の当たりにして、改めて教職員が一丸となって全力で生徒たちの自己実現を支えていかなければならないと再確認したところでございます。

 校長講話の後には教頭から停電に関する状況と今後の見通しについての説明があり、万が一今日中に復旧のめどが立たない場合、水道が止まりトイレの確保ができないため、臨時休校の可能性もありうることと、今後の学校からの連絡を確認するよう指示しましたが、その後、業者による対応も迅速に行っていただくことができ、午前中のうちに修繕が終了し、無事に全面復旧を果たしました。

 生徒の皆さん並びに保護者の皆さまには、年始早々ご心配をおかけすることとなり心よりお詫び申し上げます。明日以降は、予定どおりの通常日程となりますので、併せてご報告いたします。

 頑張れ、越南生!

世界へ羽ばたく第一歩(外国語科1年生TGG体験)

 新春を迎え、いよいよ本校の2025年の教育活動が本格的に始動しました。

 3学期の始業式を翌日に控え、冬季休業期間の最終日となる本日1月7日(火)、本校外国語科1年生の生徒たちが、TGG(Tokyo Global Gateway)で一足早い語学研修に挑戦しました。

 TGGは、グローバル社会で活躍するための第一歩として、また海外研修の代替学習プランや国内での簡易留学体験の場として東京都教育委員会と株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAYが設立した体験型英語学習施設で、日常から離れ、海外をイメージして作られた非日常の設定の中でグローバルな世界感を体験し、効果的に英語学習に取り組める施設です。

 近年グローバル化が加速度的に進み、国内においても外国語での対応の必要性が急激に高まる中、これまで国内で英語漬けの体験学習ができる場所は、福島県にあるBritish Hillsに限られており、気軽に英語三昧の学習プログラムを体験できる施設は他にはありませんでした。

 そうした中、東京都のお台場という好立地(多くの生徒が幼少時代に行ったであろう日本科学未来館の隣)に、日帰りで英語漬けの学習が体験できる研修施設として都内の中高生向けに設立したのがTGGで、近県の国際理解教育に力を入れる学校の多くが体験学習を実施する英語学習施設となっています。

 施設内は、アトラクションエリアとアクティブイマージョンエリアで構成され、アトラクションエリアはホテル、エアポート、トラベル、キャンパスの4つのゾーンに区分されています。また、アクティブイマージョンエリアでは専門的なスタジオやブース、多目的な部屋などが多数設置され、各エリア・ゾーンごとに多彩なシチュエーションのプログラムが用意されており、端的に表現するなら、学生向け英語版キッザニアのように、海外で遭遇するであろう様々な体験をALL ENGLISHで行うことを軸とした英語学習プログラムとなっています。

 本校の生徒たちは、定刻の午前8時40分に現地施設前への集合を完了。担任から簡単なレクチャーを受けたあと、各班に1名ずつ配置された外国人スタッフが登場し、30分程度のアイスブレイクで生徒たちと一気に打ち解け、その後班ごとに設定された様々なプログラム会場に意気揚々と散っていきました。

 午前中のプログラムはエアポートゾーンでの飛行機搭乗体験、空港ショップでの買い物体験、レストランでの食事注文体験とメディアラボでのニュース番組の制作体験となりました。ニュース番組の制作体験では、班員全員がキャスターやレポーター、制作スタッフなどの役割を持ち、チームで1つの番組を制作して実際に放送映像として鑑賞しました。

 各プログラムでは、すべての生徒に個別のミッションが与えられ、生徒たちはそのミッションのクリアを目指してゲーム感覚で楽しみながら取り組めるのが大きな特徴です。

 昼食を挟んだ午後からは、アクティブイマージョンエリアでのプログラムとなり、無人島に漂着したシチュエーションで生き延びるためのサバイバル術の体験と、英語で役を演じる演劇に挑戦しました。

 サバイバル術では火起こしや飲み水の確保、寝床や生活拠点づくりに必要な紐結びなどについて、どうすれば上手くいくのかを班で協力して考えながら最適解を探していきました。英語劇では、人前で英語で演じることへの壁を取り除き、ペアでの寸劇を全員の前で披露することにトライしました。

 こういったプログラムでは、多くの生徒が受け身な活動となってしまうケースが多いのですが、そうした心配は全く不要だったようで、さすが外国語科の生徒たちだけあって、どの生徒も積極的に活動し、一言も日本語を聞かないまますべてのプログラムが終了しました。

 特に感心したのは、殆どの生徒が笑顔に溢れ、楽しみながら積極的にプログラムに参加していたこと。劣等感や羞恥心なるものは微塵も感じさせず、皆英語でのやり取りに何の違和感もなく没入し、本当に外国に居るのではないかと錯覚するようなパフォーマンスを見せてくれたことです。

 もちろんプログラムをコーディネートし、体験活動をリードしてくださった外国人スタッフの素晴らしいサポートが生徒たちの支えとなったことは言うまでもありませんが、それ以上に生徒たちのハイレベルなパフォーマンスに改めて感心するとともに、近い将来、実際に日本を飛び出して様々な国で実体験をしてほしいと強く感じました。

 技術革新によるアナログからデジタルへの変化と同様に、近年私たちの生活を取り巻く環境は大きく変化しています。社会構造のグローバル化はその最たるものであり、インバウンドの拡大とともに、現代の若者たちは、今後どのような生活をしても外国人との対応を避けて通ることができなくなる時代が、近い将来必ずやってきます。そうしたグローバル社会の中で「なりたい自分」を実現し、有意義な人生を送るための第一歩として、本日のプログラムは、貴重な体験となったはずです。

 本日、生徒たちをサポートしてくださったTGGのスタッフの皆さまに心より感謝申し上げますとともに、生徒たちには、本日見せてくれたパフォーマンスのように「自分が将来活躍すべきステージは国内だけではない」という広い視野と意識を持って、自身の将来の姿を想像してほしいと願います。

 頑張れ、越南生!頑張れ、外国語科!

 

2025年も皆さまとともに(投稿初め)

 本日1月1日(水)より2025年が始まりました。

 日頃より、本校の教育諸活動に対しまして、格別のご理解、ご協力、そしてご支援を賜っております皆さまに、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 本校は、開校以来これまで50年余りにわたり「文武両道、知・徳・体」を校訓に掲げ、学習活動及び部活動の両面に高い志を持って、全力で挑戦することを通じて自己実現を果たすことを目指す生徒の育成に取り組んでまいりました。

 かつて、レイクタウンという地名も駅もなく、学校の周辺には畑しかなかった昭和の時代から、平成、令和へと移り行く中で、それぞれの時代の生徒たちや保護者の方々、そして教職員の皆さまが、校訓の実現のために想いを一つにして、ブレずに地道な努力を積み重ねてきたことが、本校の素晴らしい伝統となり、魅力ある校風となって、現在の姿があるのだと考えております。

 そして、そうした皆さまが、長きにわたり妥協せずに高みを目指し続けてきたからこそ、「文武両道」を高いレベルで実現できる県内でも有数の学校として、様々な方面から確固たる評価をいただけていているのだと考えております。

 新年を迎えるにあたり、校長といたしましては、これまで本校の伝統を築いてこられた皆さまの意思をしっかりと引き継ぎ、この素晴らしい伝統を更に輝かせ、他校には真似のできない特色ある学校づくりに邁進してまいります。

 また、在校生や今後入学してくる生徒たちが、青春を賭して全力で「夢」の実現に向かい、自己肯定感を高めながら充実した学校生活を過ごせるよう、教職員一丸となって全力で支えていかなければならないと決意を新たにしたところでございます。

 国では、学校の教育活動から部活動が切り離され、地域移行する方向で施策が検討されており、義務教育諸学校では、既にそうした動きが進んでいる現状があります。高等学校においてもこうした動きは例外ではなく、近い将来そうした風潮が高等学校教育にも強まっていくことが予想されます。

 しかし一方で、部活動は学校における「教育活動の一環としての部活動」であるからこそ意義があることでもあり、単に「興味ある活動に取り組む場」ではなく、「部活動を通じた豊かな人間形成の場」なのであり、上達することを主たる目的とする地域クラブ活動とは一線を画した、学校の教育活動全般を踏まえた上での活動だからこそ、偏りのない真の人格形成につながっていることも事実です。

 本校では、生徒や保護者の皆さまのニーズを十分に受け止めた上で、世の中の流れを理解しつつも、社会の変化に柔軟に対応しながら、本校が大切にしてきた教育理念(文武両道を通じた人間形成)をブレることなく貫き通してまいります。

 つきましては、保護者の皆さまにおかれましては、改めてこれまでのご理解、ご協力に感謝申し上げますとともに、本年も変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 本年が、皆さまにとって幸多き年となりますことを、ご祈念申し上げます。

 

 埼玉県立越谷南高等学校長 相原 博和

【校長室】1年の感謝を込めて(投稿納め)

 本日12月27日(金)大人の社会では、全国的に仕事納めとなる本日、学校におきましても教職員の仕事納めを迎えることとなりました。

 年の瀬を迎えるに当たり、日頃より、本校の教育諸活動に対しまして格別のご理解、ご協力、そしてご支援を賜っております保護者の皆さま、関係の皆さまに、本年の教育活動が無事に終了しますことをご報告いたしますとともに、今年1年のご厚情に心より深く感謝申し上げます。

 また、たくさんの方々が本校のホームページ及び各種ブログなどに関心を持ち、活躍する生徒たちの様子をはじめ、学校から発信する様々な情報をご覧いただき、重ねて感謝申し上げます。

 本校は、ご案内のとおり「文武両道」を校訓に掲げ、進学を中心とした学習面での自己実現と、部活動を中心とした人格形成面での自己実現を、共に高いレベルで実現することを追求する生徒の育成に取り組んでおり、実際に、多くの生徒たちが「自走」しながら、「勉学」と「部活動」の「二兎を追う」学校生活に、誇りと情熱を持って取り組んでいる姿があります。

 そうした生徒たちの中には、部活動に情熱を注ぎながらも難関大学への進学を実現したり、可処分時間を有効活用して勉学に励みつつ、部活動で全国大会や関東大会などのハイレベルなステージで輝きを見せる生徒たちもたくさん見られました。

 また、高いレベルでの自己実現を目指しながらも、わずかに目指す目標を手にできなかった生徒たちも、一様に本校での学校生活や部活動においての自分自身の成長に手ごたえを感じるとともに、高い自己肯定感を持ちながら日々の生活を送れていると感じています。

 校内の至るところで見られる生徒たちの活気ある声やエネルギッシュに活動する姿、キラキラと輝く笑顔を見るたびに、そうした生徒たちの心の内を垣間見ることができています。

 こうした生徒たちの姿は、生徒たち自身の学校生活に対するモチベーションと自己実現に対する高い意識レベル、そして様々な助言を素直に受け入れながら、真摯に努力を積み重ねられる人柄によるところが大きいことは言うまでもありませんが、それをあたたかく見守り、苦しい時や躓いた時にそっと手を差し伸べ、優しく背中を押してくださる保護者の皆さまをはじめとしたご家族の皆さま、そして、部活動などでお世話になっている関係の皆さまや本校の教育諸活動を快く受け入れてくださる地域の皆さまの存在なしには、生徒たちがこのような充実した学校生活を送ることはできないと考えております。

 校長といたしましては、そうした生徒たちの姿を見るたびに、生徒たちが心に秘める「なりたい自分」を実現させるべく、教職員一丸となって活動を支えるとともに、より良い学びの場を提供していかなければならないと、決意を新たにしているところでございます。

 一方で、生徒たちには、新年を迎えるに当たり、現在の自分に甘んじることなく、更なる高みを目指してほしいと強く願います。皆さんが今後経験するであろう様々なことは、そのレベルが高ければ高いほど、自分自身に対するリターンも大きなものとなります。誰でもが経験できることでないレベルの経験を手に入れ、少しでも豊かな人生を送るためにも、これまで以上に「学び」の質の向上を目指してほしいと願います。

 生徒たちを支える本校のキャッチフレーズ「南の風」は、そうした生徒たちと皆さまの力によって成り立ち、本校の生徒が拠り所としているものであると考えております。

 改めて、本校に関わる全ての皆さまの今年1年のご支援に深く感謝申し上げますとともに、学校といたしましても来年を更なる飛躍の年にするべく、生徒たちとともに全力を尽くしてまいりますので、2025年も変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 年末の寒さ厳しき折、ご自愛されますとともに、2025年が皆さまにとって素晴らしい年となりますようご祈念申し上げます。

【校長室】成長の手応え(サッカー部対外試合)

 本日12月27日(金)サッカー部が冬季休業を利用したフェスティバルに参加し本校第2グラウンドで試合をしていたので、久しぶりに見に行ってきました。

 本日の対戦相手は、西部地区の雄である県立川越高校です。川越高校は県内屈指の進学校で、国が主導するSSHをはじめ国際競争力の中で活躍できる人材を育成するハイレベルな教育活動に積極的に取り組み、探究学習を中心とする主体的な学びの最前線をいく学校です。部員は決して多くはありませんが、集中力が高く、堅実で侮れない印象のチームで、学力レベルには違いがあるものの、どことなく本校のスタイルに似た雰囲気を感じるチームでした。

 本校サッカー部は、長期休業中の試合期に選手たちに対して試合でのプレー時間を確保するため、東部地区の多くの学校が参加する別のカップ戦(ウィンターカップ)にも参加しており、本日はチームの半分の選手たちは松伏高校会場で別の試合に臨んでいました。

 本校会場での試合は、公式戦よりやや時間が短い30分ハーフ(B戦は25分ハーフ)で行われ、2試合の対戦となりました。

 私が見に行った時には、既に前半残り5分程度となっていましたが、本校の1点リードで進んでおり、内容もやや優勢で相手陣内でのプレーが多く見られました。

 ハーフタイムには、伊藤コーチから前半の修正点と後半に向けた戦術・戦略の確認があり、選手たちは元気にピッチに散っていきました。

 仕切り直して始まった後半は、相手も反省点を修正し、ともにアグレッシブなプレーが随所にみられるようになり、一進一退の緊迫した好ゲームとなりました。後半中盤からは、持久力に勝る本校選手に徐々に余裕が生まれ、相手陣内での展開が多くなるとともに、セカンドボールを回収できる場面が増え、少しずつポゼッションが向上しました。

 そうした中、ミドルゾーン左サイドで前を向いてルーズボールを拾った本校左サイドバックの選手が、絶妙なコントロールのあとにワンステップで左足を一閃。約30mはあろうかという目の覚めるような弾丸ライナーがゴール右上の隅に突き刺さる見事なゴールで追加点をもぎ取りました。その後も積極的なプレーでゲームを支配し、優勢に試合を勧めつつも追加点は奪えず、結局2-0での勝利となりました。

 本校の生徒たちは、もともと真面目で直向きであり、努力を惜しまない気質を持っており、ことサッカー部においてもそうした気質が大きな財産となっていましたが、試合を見ていて感じたのは、そうした生真面目さの中で「状況を見て、判断して、考えて、最善の選択をする」というプレーの意図が少しずつ感じられる場面が増えてきたことです。

 サッカーは、もともと足でプレーする競技性から、上手くいかないことやミスとなることが他の競技に比べて圧倒的に多く、だからこそ意図するプレーを形にすることも難しいスポーツと言われています。そうした中で、闇雲にボールを蹴るのではなく、考えて意図した形を作り出し、ボールやゴールを奪うことができるようになることがサッカーの醍醐味であり、選手たちの目指すところでもあります。コーチ陣からグループ戦術や個人戦術などの専門的な知識や技術のレクチャーを受け、日々のトレーニングの中で実践することで、少しずつサッカーIQの高まりを感じるとともに、自分たちでも手ごたえを感じつつあるのではないでしょうか。

 澤岡監督のご厚意で、2試合目に向かう前の選手たちに一言声をかける機会をいただいたので、「ミスは有りつつも意図が感じられるプレーが増えたこと」と「意図を形に変えるためには、味方と共有することが必要なのではないか」ということを伝えました。選手たちの眼はしっかりとこちらを見つめ、自分のものにしようとする意欲を強く感じました。

 直後に行われた2試合目は、全員ができるだけ均等にプレー時間を確保できるようメンバーやポジションをチェンジして行われました。両軍ともに疲労の色が見え始め、プレーが雑になりつつある中、本校選手たちはオフ・ザ・ボールでのポジショニングや体の向き、相手や味方との距離や位置関係、ファーストコントロールでボールを置く位置など様々なことに頭をフル回転させて意識しながらプレーしましたが、流石に相手も集中力が高く、シンプルにディフェンスラインの背後をつくパスを多用しながらゴールに迫り、一瞬のスキを突かれてついにゴール正面から強烈なシュートを叩き込まれて先制を許しました。

 しかし、ビハインドになっても気落ちしないのが本校選手の良いところ。その後も集中を保ちながら運動量を確保し、徐々に支配率を高めると、2ゴールを奪って試合をひっくり返し、そのままタイムアップとなりました。

 私もサッカーを愛する1人として、サッカー部員たちの動向は常に気になっており、なかなかグラウンドに見に行けない中でジレンマを感じていましたが、本日久しぶりに見た部員たちは、越南生伝統の泥臭い頑張りとともにインテリジェンスなプレーが随所にみられるようになり、大きな成長を感じた1日となりました。

 スポーツの世界では、よく「最後には『良い準備をした者』と『想いの強い者』が勝つ」と言われます。サッカー部の部員たちには、来月行われる新人大会で勝利につながるプレーをするための良い準備を重ね、部員全員が強い想いを持って関東大会予選出場権を獲得してほしいと願います。

 また、本日は、試合を観戦に来ていただいた保護者の方から部員たちにエナジーゼリーの差し入れを頂戴し、口にした選手たちは元気よくピッチを走り回っていました。年末のお忙しい中、平日にもかかわらず、ご支援ご観戦をいただき、心より感謝申し上げます。

 学校における部活動は、保護者やご家族の皆さまはもとより地域の方々など関係するすべての方々にその活動を認められ、応援していただいて初めてその価値が高まるものと考えています。日頃のご支援に重ねて感謝申し上げますとともに、今後とも本校サッカー部並びに本校の教育活動に対しまして、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れサッカー部!

【校長室】引き継がれる越南サウンド(吹奏楽部ウィンターコンサート)

 本日12月26日(木)午後4時から、三郷市文化会館大ホールにて、第23回吹奏楽部ウィンターコンサートが実施されました。

 本コンサートは、毎年3年生が引退し、新たに編成された新チームの最初の公式戦となるアンサンブルコンテストの県予選が終わったところで、1年の締めくくりとして、日頃ご支援をいただいているご家族の皆さま、応援してくださっている関係各所の皆さま、OB・OGの皆さま及び本校吹奏楽部に関心を持ってくださる中学生などに対して、心を込めて現段階で奏でられる精一杯の音楽をご披露することにより、吹奏楽部の現在位置をご覧いただくとともに、日頃のご支援に対する感謝の気持ちをお伝えするコンサートとなっています。

 部員たちは、この日のために、日々遅くまで楽器と向き合い、少しでも心に届く音楽が奏でられるよう、演奏スキルの向上に努めてきました。

 2学期末には、学校全体をインフルエンザの猛威が襲い、学級閉鎖などにより全体での音合わせも十分にできない中、それでも前を向き「最高の音楽を全員で」の部訓のもと、今自分たちができる最高の準備を積み重ねて本日のステージに立ちました。

 コンサートは定刻に顧問の岡田教諭が登場して始まり、第1部はコンクール仕様の重厚で迫力のあるクラシックステージで、演目は2012年度の課題曲である行進曲「希望の空」で始まり、2001年度の課題曲である式典のための行進曲「栄光をたたえて」、そして11月の全日本高等学校吹奏楽大会in横浜で演奏した新チームの看板曲で、パーカッションの存在感が光る「エル・カミーノ・レアル」が次々と演奏されました。特に「エル・カミーノ・レアル」は、20世紀を代表する音楽家アルフレッド・リードが作曲した吹奏楽曲でアメリカ空軍の軍楽隊が演奏したことから、いきなり打楽器の大音量演奏から始まり、「度肝を抜かれた」という感じで会場を圧倒するド迫力の楽曲でした。

 当初予定していた交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」は都合により変更となりましたが、どの曲も迫力があり、会場全体が一気に引き込まれました。

 第1部の終了後20分間の休憩を挟んで始まった第2部は、前半で過日行われたアンサンブルコンテスト参加チームのステージから始まり、金賞を受賞し西関東大会出場を決めた打楽器8重奏の「Gate to Heaven」が披露され、両手に持ったバチ遣いの余りの速さと正確性、「静」と「動」の音のコントラストに圧倒されました。続いて銅賞を受賞した金管8重奏の「火天の舞」が披露され、こちらも高音と低音の金管楽器特有の美しい音色が心地よいアンサンブルを奏でていました。最後は11月10日(日)に行われた「吹奏楽の日in埼玉」に出場した金管5重奏の「Quintet No3」が披露され、5人がほとんどソロ演奏の緊張感の中での演奏となりました。

 後半は明るく楽しい雰囲気で、音楽に乗ってついつい踊りだしたくなるようなリズム感の楽曲を集めたポップスステージで、クリスマスメドレーから始まり、吹奏楽部の隠し球であるシンフォニー戦隊ビートファイターが登場して笑いを誘いながら観客と一体となる振り付けで会場を一気に盛り上げ、極めつけは保護者世代のハートを鷲掴みにする昭和アイドルの楽曲をキュートな部員たちが歌って踊る素敵なステージが披露されました。昭和生まれの私も、まさかのトップアイドル5組(国生さゆり、キャンディーズ、松本伊代、山口百恵、松田聖子)の登場に若かりし頃を思い出し、見事に心を射抜かれて、まるで当時の紅白歌合戦を観ている気分でした。

 続いてアナ雪と銀河鉄道999のアニメメドレーでは、アナとエルサ、オラフに扮した3人の寸劇を交えた見どころ満点のステージで、3人はそれぞれの衣装のまま、最後まで演奏していたのが印象的でした。

 フィナーレを前に部を代表して部長の岩田さんの挨拶がありましたが、先代の柴田部長に劣らぬ流暢で丁寧な挨拶で、新チームの活動状況と日頃感じている感謝の気持ちを会場の皆さまにお伝えする立派な姿に感心しました。

 フィナーレは、色とりどりのポンチョを身に纏い、吹奏楽部十八番の「宝島」で会場が一体となって、楽しかったコンサートが、あっという間にエンディングを迎えました。

 終演後は部員全員が退場する来場者をホワイエで出迎え、一人一人の部員たちが改めて感謝の気持ちを直接伝える姿がありました。

 本日は遠方にもかかわらず、また年末のご多忙の折、たくさんの保護者やご家族の皆さま、関係の皆さまにご来場いただきますとともに、あたたかな拍手で部員たちを励ましていただき、心より感謝申し上げます。

 こうして部員たちが大好きな音楽に真剣に向き合い、聴く人の心に響く音楽を一心に追求できるのも、皆さまのあたたかなご支援があればこそのことであると強く感じております。

 おかげさまで、部員たちは音楽に青春を賭け、思い切り没頭しながら、夢である全国の舞台を目指して邁進し続けています。

 来夏には、皆さまのご期待に応えるとともに、自分たちの目標を必ずや実現できるよう、部員及び顧問一同心を一つにして精進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!

【校長室】「成功」の反対とは…(第2学期終業式)

 本日12月24日(火)巷ではクリスマスムード一色に染まる中、本校では第2学期の最終日を迎え、終業式を実施しました。今回は、先週インフルエンザの罹患者が急増したことで学級閉鎖を実施したことから、感染症拡大防止対策の観点からオンラインでの実施としました。

 学校社会では、2学期は期間が最も長く1年間の中心的な学期であり、本校においても文化祭や修学旅行などの大きな学校行事に加え、各部活動の新人大会などの大会が盛んに行われ、それぞれのステージで輝く生徒たちの姿をたくさん見ることができました。

 本校の生徒たちを見ていると、本当に真面目で素直な生徒が多いと感じます。例えば、授業を見に行くと、廊下ですれ違ったり、私が教室に入った途端すぐに明るく爽やかな笑顔で挨拶してくれる姿があり、授業が始まれば一気に教室の雰囲気が変わり、真剣な眼差しで教師を見つめ「話を目で聴く」生徒たちの姿があります。この「人の話を目で聴く」ことは、物事に対する集中力、執着力の表れであり、学びの質の高さの尺度には欠かせないことで、これはどの学校の生徒にもできることではないと感じており、越南生の持つ特に素晴らしい資質の一つであると強く感じます。

 一方で放課後になれば、校内の至るところで賑やかな声とともに活発に部活動に勤しむ姿があります。本校生徒の部活動加入率は90%を超えており、これも他校には真似できない驚異的な姿であると言えます。しかも、その取組は学習活動以上に熱を帯び、生徒一人一人が見せるその姿は常に真剣そのものであるのも大きな特徴です。

 ことさら感じるのは、生徒たちが指導者である顧問を信頼し、指導者から受ける様々な助言を素直な気持ちで受け入れ、純粋な思考で目標の実現にトライしていることです。部活動に関わらずどのような場面でも、「他者の言うことを素直に受け入れる力」があるということは、他者に認められ、成功するために最も重要なスキルであると言えます。

 とりわけ高校生年代ともなると、ある程度身についた知識や経験と精神的自立から自我が強くなり、指導者の意見を素直に受け入れられなかったり、時には反発したりする姿が見られるものですが、本校生徒たちからは、ほとんどそのような姿を見ることはありません。こうした素直で実直な姿勢が生徒たちの成長を加速させ、効率よく高みへと導いているのだと強く感じます。

 そんな生徒たちに向けて、終業式では「成功と失敗の捉え方」についてお話ししました。大谷翔平選手をはじめ、松下幸之助やトーマスエジソンなどの著名な成功者の言葉や生き様を紹介しながら、人生を輝かせるために必要なのは、成功者に共通した考え方である「成功の反対は失敗ではなく、諦めることである」と伝えました。

 上手くいかない場面や失敗した場面に遭遇した時に、その次の場面でどのようなアクションを取るのかにより成功者となるのか失敗者となるのかが決まるのであり、例え上手くいかなくとも、簡単に諦めずに「上手くいかない方法を見つけた」とポジティブに捉え、失敗の原因を熟考し手法を変えた上で何度も挑戦を繰り返すことこそ成功者への必須条件であると伝えました。

 Z世代と呼ばれる現代の若者たちは、大学卒業後の就職先も転職することを前提で選ぶと言われています。事実20代前半の3年以内離職率は34.9%とされ、実に3人に1人が3年以内に離職している現状があります。しかも、その傾向は年々加速しています。自分の考えや能力に自信を持つことは大切である一方で、転職=キャリアアップと捉える安易な思考をはじめとした見極めや諦めの早いZ世代の生き方に一抹の危うさを感じる人も多いのではないでしょうか。Z世代の真っ只中で生きる現代の高校生たちには、人生のどこかの場面で「なりたい自分」を実現し、自分自身が成功者となるためにも、自身の意に反する場面や困難に直面した場面で簡単に諦めることなく、ある程度の忍耐力を持って成功するまで挑戦し続けるタフさ(強さ)を身に付けてほしいと強く感じます。

 併せて、生徒たちには、年末年始を迎えるに当たり自分自身の今年1年を客観的に振り返り、「なりたい自分」をいつかきっと現実のものとするために、次の1年で飛躍することを目指して、新たな「目的」や「目標」を固めてほしいとも伝えました。

 3学期の始業式の朝、元気に登校する生徒たちの顔が、晴れやかな笑顔とともに新たな決意に満ち溢れていることを願って2025年を迎えたいと思います。

 筆末となりますが、保護者の皆さまにおかれましては、日ごろから本校の教育諸活動に対しまして格別のご理解、ご協力、そしてご支援を賜り、心より深く感謝申し上げます。生徒たちが本校での高校生活を謳歌し、様々な場面で輝いたり素敵な笑顔が見られるのも、偏に保護者の皆さまやご家族の皆さまが、生徒たちをあたたかく見守るとともに、本校の教育活動を力強く後押ししていただいているお陰であると強く感じています。今年1年の皆さまのご支援に改めて感謝申し上げますとともに、2025年も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 皆さまにとって2025年が良い年となりますことをご祈念申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、南の風!