校長室より

校長室より

生徒の活動を支える皆さまの存在(PTA・後援会総会)

 昨日5月10日(土)本校生徒ホール(食堂)にて、令和7年度PTA後援会総会が開催されました。

 お忙しい中、また朝から小雨の降る足元の悪い中、役員の皆さまをはじめ、多くの保護者の皆さまにご出席を賜り、心より感謝申し上げます。

 PTA後援会総会は、本校生徒の学びの質や環境の向上と保護者の皆さまの研修・親睦・情報共有・教育活動への参画などを目的として、全校生徒の保護者及び本校教職員から成るPTAと本校卒業生の保護者を中心とした後援会の皆さまが、前年度の取組を振り返るとともに、当年度の取組について協議し、会員となるすべての皆さまの総意によって本年度の活動について意思決定するものです。

 総会に先立って行われた本部会では、新旧の役員の皆さまによって総会の進行に係る役割分担と一つひとつの議事について入念な確認が行われ、午後2時から行われた総会に万全の準備で臨みました。

 総会は多くの保護者の皆さまが出席しやすい土曜日に設定されましたが、一言にすべての在校生徒の保護者と言っても、お仕事やご家庭の都合などにより出席が叶わない方も多く、そうした方々には、議事を総会の決定に委ねる委任状をご提出いただき、会員総数1,132名に対して参加者と委任状提出者の総数1,072名となり、会則で定める全体の3分の2の参加が認められ、無事に総会を開催することができました。

 本部会では、提案事項に対して多くの質問が出され、総会にご出席いただく皆さま対して、より適切で分かりやすい内容となるよう調整が行われました。そうした参加者目線に立った事前の準備により、総会ではすべての議案が円滑に審議され、本部や事務局の提案のとおり承認・可決されましたことをご報告いたします。

 ご都合により総会へのご出席が叶わなかった皆さまにおかれましては、学校ホームページの保護者ルームに掲載した議案書をご参照いただき、すべての議事が提案のとおり可決・承認されましたので、ご確認いただきたく存じます。また、議案書につきましては、このあと生徒を通じてすべてのご家庭に配布いたしますので、併せてご承知おきいただけますようお願いいたします。

 近年学校のPTA活動については、全国組織の役員による不祥事や役員の負担の大きさなどから全国・地域・県の組織からの脱退やPTA非加入者の増加など、各学校現場ではPTA組織の在り方について大きな転換点を迎えています。一方で、小中学校などの義務教育諸学校が加盟する日P連と高等学校が加盟する高P連では、母体となる組織が異なるだけでなく、各校におけるPTAの在り方や役員の皆さまの活動内容なども大きく異なるとともに、PTAと並行して組織される後援会を含めた財政的支援は、在籍生徒への充実した学びの環境を提供する上で、欠かせない組織であることも事実であります。

 本校においても、多くの生徒が青春を賭して謳歌する部活動への支援や教育環境の整備などのうち、公費で賄いきれない部分を強力にご支援いただいており、本校生徒たちが、日々充実した学びに向かえるのも、PTA後援会の皆さまの存在のおかげであり、心より感謝を申し上げる次第でございます。

 学校といたしましては、保護者の皆さまの諸活動に対する負担を可能な限り削減するとともに、保護者の皆さま同士のつながりや教職員との情報交換、そして大切なお子様の学校生活を身近に感じていただく場として、無理のない範囲で上手にご活用いただければと考えております。

 今後とも、生徒の学びの環境の充実と自己実現のために、格別のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

雨中の激闘に散る(サッカー部インターハイ地区代表決定戦)

 本日5月6日(火)三郷市のセナリオハウスフィールドにて全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)埼玉県東部支部代表決定戦が開催され、本校サッカー部が出場しました。

 この大会はインターハ予選の県大会に出場する支部代表を決定する大会で、東部支部からは5チームが県大会の切符を手にするレギュレーションとなっています。

 本日は1月に行われた東部支部新人戦3位決定戦で同じく雨の中死闘を演じ3位を分け合った宿敵三郷北高校との再戦となりました。

 三郷北高校は、地元三郷市近辺を拠点とする複数の強豪クラブチームとの連携が深く、過去には県3位入賞という輝かしい実績を持つチームで、毎年ポテンシャルの高い選手が多数在籍する東部地区有数のテクニカルなチームです。

 本日は、天気予報どおり朝から冷たい雨が降り、底冷えするようなあいにくの気候となりましたが、本日の会場は、地盤の固さが気になるものの奇麗な人工芝が敷き詰められたピッチで、雨によるスリッピーな点を除けば全く問題なくプレーできる環境でした。近年は、こうして人工芝ピッチが普及し、多くの公式戦が芝のピッチで戦えるようになり、Jリーグ百年構想のとおり、技術の進歩とサッカーの普及を強く感じられる時代となりました。

 試合は予定どおり午前10時ちょうどに本校のキックオフで始まりました。実際に試合が始まってみると、相手選手たちの技術スキルはかなり高く、ワンタッチのコントロールや次のプレーを意識したボディーアングル、ボールインパクトの強さなどに加え、ボディーサイズも一回り大きくフィジカルな面でも相手が数段上回っており、専門的な目線で客観的に見れば大きな差を感じざるを得ない状況でした。

 対して本校は、フィジカルやボールコントロールでは及ばないものの、高い集中力と献身的なチームカラー、泥臭く闘う粘り強さやチームの一体感では相手を大きく上回っており、こうしたスポーツに最も重要な本質の部分ではどのチームにも負けない素晴らしいスキルを持っているのが本校最大の強みとなっています。大きく点が動くスポーツではないサッカーにおいては、柔道の「柔よく剛を制す」のとおり、往々にして技術の差を凌駕してメンタルの充実したチームが勝利を手にすることがあることも事実です。

 試合は、開始直後からボールを支配されて劣勢が続く中、前半5分にはボールを繋がれ左45度から強烈なミドルシュートを浴びましたが、ボールはゴール右ポストをかすめて事なきを得ます。

 本校も徐々に相手のスピードやタッチに慣れてきてボールを跳ね返すことができ始め、前半9分には右サイドでワンツーから抜け出しクロスを入れるビッグチャンスを作ります。直後の10分にはバイタルエリア中央でボールを拾った本校選手が右足を一閃、目の覚めるようなミドルを放ちますが相手GKのスーパーセーブでゴールネットを揺らすことができません。

 これを機に徐々に本校がリズムを握り、前半15分には再びビッグチャンスが訪れます。左サイドでボールを受けた本校ストライカーが中央に走り込んだゲームメーカーに見事なパスを通し、ゴール正面から強烈なシュートを放つも枠を捉えきれません。

 前半20分には左スローインから2本の横パスを繋いで角度のないところからループシュートを放つも僅かにクロスバーを越えてしまいました。

 とどめは右ミドルゾーンで得たフリーキックを右サイドに展開し、奇麗な弧を描くクロスボールにストライカーがヘディングで飛び込むも、無情にもボールはクロスバーの上を超えてしまいました。約20分にわたり本校が怒涛の波状攻撃を仕掛け、完全にゲームを掌握しながら幾度となくビッグチャンスを迎えましたが、あと一歩のところで得点に結びつけられない展開が続きます。

 すると前半残り10分を切ったところで試合の流れが変わります。相手は縦へのフィードパスを受けた選手が前を向き、本校センターバックとサイドバックの間に走り込むトップの選手に絶妙なスルーパスを送ります。本校GKが果敢に飛び出しセーブするも、そこに飛び込んできた相手選手と交錯し顔面を強打します。倒れ込んだGKに会場内は騒然としましたが、本校GKは気力で立ち上がり、プレーを続けます。

 続く35分にはミドルゾーンで本校が与えた左フリーキックがクロス気味にゴール前にボールが入りピンチを迎えますが、本校GKが勇気を持ったパンチングで凌ぎます。更に前半アディショナルタイム(40+1)には右サイドを突破されてゴール前に入れられたセンタリングを本校GKがはじいたところを詰められて強烈なシュートを打たれますが、本校守備陣が体を張ってCK(コーナーキック)に逃れます。

 立て続けにピンチを迎えたタイミングで与えたセットプレー、そしてアディショナルタイムも僅か。前半ラストプレーになるであろうCKに胸騒ぎがしましたが、案の定左CKがGKの頭上を越えてフォーポストまで深く入り、ポスト際に飛び込んだ相手選手にヘディングで押し込まれ、痛恨の先制点を許してしまいました。前半の多くの時間をゲームプランどおり優位に進めていた本校にとって、まさに一瞬の悪夢で、悔やまれる失点となりました。その後キックオフとともに前半が終了し、なんとももったいない展開となりました。

 ベンチに引き上げてきた選手たちは一様に悔しさを見せていましたが、全く心は折れていませんでした。むしろ追いかける立場となったことで、前半以上にアドレナリンが出ているようで、監督からの分析と指示を冷静にインプットしたのち、気合十分でピッチに飛び出していきました。

 後半開始とともに前線を1人替えた本校は、開始直後から相手に襲い掛かります。前線や中盤の選手が激しいプレスをかけボールを奪いますが、相手のプレッシャーも厳しくスペースへの展開には至りません。そうした中、後半10分に左CKを得ますがゴール正面で合わせたヘディングは枠の外へはずれます。

 相手は後半17分、本校ゴール前でディフェンダーがクリアをもたついている間に2人でプレスをかけ、こぼれ球から強烈なシュートを打たれます。誰もが完全にやられたと思いましたが、幸運にもボールはクロスバーを越えて事なきを得ました。

 対する本校は後半18分にスローインからショートパスを2本繋いで中央からシュートを放ちますが相手ディフェンダーに当たってしまいます。

 残り15分を切ったところで本校はフレッシュなメンバーを2人投入し、ゲームの活性化を図ります。直後には更に2人のメンバーを交代し、スペースを狙った戦術を徹底します。しかし、残り時間を意識して逃げ切りを意識し始めた相手はシンプルなプレーに徹し、リスクを冒しません。後半38分にはメンバーチェンジで時間を稼ぎ、時計を進めます。

 本校は、前線へのフィードを狙いますが、相手も縦への展開を警戒したポジショニングで跳ね返し、ボールが運べません。ついにアディショナルタイムを迎え、運営本部から2分がコールされました。

 本校選手たちは、一矢を報いるべく最後までバイタルエリアにボールを送ろうと試みますが、最後まで相手の牙城を崩し切れず、0-1で無念のホイッスルを聴くこととなりました。

 新人戦に続いて雨の中死闘を演じた両チームのイレブンたち。残念ながら今回は相手に押し切られる形での敗戦となりましたが、テクニックやボディーサイズでは劣るものの、集中力や組織力、闘志や献身性などの点でははるかに本校選手の方が勝っていました。だからこそ拮抗した試合展開に持ち込めたのであり、スポーツの本質として最も大切な部分をしっかりと体現してくれました。特に今大会では新人戦の頃に比べ、空中戦での勝率や全体のスプリント数、セカンドボールの回収率などは格段に良くなっていました。走力に加え、ボールを見る力、展開を読む力がついてきた証であると感じました。

 残念ながら、本校のインターハイは終わりを告げましたが、9月には高校生最大の大会である選手権大会があります。また、それまでの期間には1部昇格を目指すリーグ戦もあります。部員たちには、今大会で得られた課題や反省に目を向けつつも、気持ちを切り替えて更なる高みを目指してほしいと願います。

 また、夏に向けてチームは一旦リセットされることになります。今回ピッチに立つことができなかった選手たちも、ベンチや応援に甘んじることなく、公式戦のピッチに立つことを目指して切磋琢磨してほしいと願います。そうしたし烈なポジション争いがチームの成長を加速していくのです。選手権ではチーム全員でリベンジを果たして必ずや2次予選の切符を手にしましょう。

 本日は、雨の中、しかも連休最終日にもかかわらず大勢の保護者の皆さまにご来場いただきますとともに、ピッチサイドから熱いご声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら勝利を手にすることはできませんでしたが、ご覧いただきましたとおり、選手たちは全力を出し切って戦うことができました。今後は、個々人のスキルアップと更なるチーム戦術の熟成を目指して鍛錬を積んでくれることだと思います。そして、9月には皆さまとともに喜びを分かち合える日が来ることを楽しみにしたいと思います。今後とも、変らぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!

進化した越南サウンド(吹奏楽部定期演奏会)

 本日5月5日(月)越谷サンシティホールにて本校吹奏楽部による第39回定期演奏会が開催されました。

 この定期演奏会は、部員たちのご家族の皆さまや様々な形で本校をご支援いただいている皆さまに対して感謝の意を込めて日頃の鍛錬の成果を披露する演奏会で、ご来場いただく皆さまに存分に楽しんでいただけるよう、12月に開催したウィンターコンサート以降、大会の合間を縫って実行委員長を中心に企画の熟考を重ねてきたものです。

 また、越南サウンドに憧れて新たに入部した37名の1年生を加え、3学年総勢118名が揃って開催する初めての演奏会で、夏の吹奏楽コンクールに向けてのスタートとなる大切な節目でもあります。

 更に、今年度からの新たな取組として、地域の子どもたちに気軽に音楽に触れて楽しんでいただくために、通常の定期演奏会とは別に、これまでリハーサルに当てていた午前中の時間を活用して未就学児や小学生でも聴いて踊って楽しめる音楽を中心としたファミリーコンサートを併催しました。多くのお子様連れの方々にご来場いただき、賑やかにお楽しみいただくとともに、部員たちもチビッコたちからたくさんの笑顔とエネルギーを受けて、改めて音楽の楽しさを実感したようでした。

 午後から開催された定期演奏会では、1,600名の座席数を誇る同ホールがご家族の皆さまやご支援いただいている関係の方々、本校生徒を含む多くの中高生たちにご来場いただいたおかげで2階席まで満席となり、これ以上ない最高の舞台が整いました。

 今回の演奏会は3部構成となっており、第1部が2,3年生全員による本年度のコンクール課題曲を含むクラシックステージ、第2部は同様に本年度コンクール課題曲を含むクラシックに1年生のデビューステージやゲーム音楽を混じえたリズミカルで楽しめるステージ、そして第3部が会場を一つにして盛り上がるポップスステージとなっています。

 定刻の午後2時30分にトランペットとトロンボーンのファンファーレとともに第1部のクラシックステージが開演し、最初の楽曲「アルセナール」が演奏されました。僅か3分という短い楽曲ですが、会場の雰囲気を一変させ、聴く者の耳を一気にひきつけるプロローグでした。 

 続く2曲目では、本年度夏のコンクールの課題曲の一つ「祝い酒と踊り唄による幻想曲」で、本年度着任した副顧問が指揮を振り、祭りの賑やかさを想像させる「和」テイストの楽曲を披露しました。

 3曲目は誰もが知る交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」を別の副顧問の指揮により演奏しました。映画で良く耳にするサウンドだけでなく、組曲として幽艷なサウンドから壮大な空間を思わせるスケールの大きい楽曲で、様々な楽器が力強くハーモニーを奏でる没入感の強い演奏となりました。

 第1部最後の楽曲は再び主顧問がタクトを振り、J.バーンズ作曲の「交響曲第3番より第三章、第四章」を演奏しました。この曲は、4部構成となっており、その内の後半2章16分間のロングステージで、鉄琴を弦でひいたり複数のソロパートが見られたり、かと思えば力強く迫力満点の場面があったりと変化の激しい聴きどころ満載の楽曲となりました。

 15分間の休憩を挟んで始まった第2部は、ニューフェイスの1年生37名がオレンジ色の揃いのTシャツを着てステージに上りました。司会の2年生がインタビューをすると緊張感MAXで上手く言葉が出てこないシーンもあり、初々しさを感じました。1年生のデビューステージに用意された楽曲は、越南吹部最初の登竜門「100%勇気」です。ステージに立った1年生の中には、高校生になって初めて楽器を持った部員も複数いましたが、僅か1ヶ月の間の猛特訓の成果が実を結び、素人がいるとは全く感じられない4分間の立派なステージとなりました。

 2曲目は本年度のコンクール課題曲Ⅲ、マーチ「メモリーズ・リフレイン」で、行進曲の名のとおり、リズミカルで明るいサウンドから始まり、トランペットやトロンボーンが際立つ場面もあるなど、軽快で聴き心地の良い演奏となりました。

 3曲目は、子どもから大人まで誰もが知っているゲームのテーマ曲、ドラゴンクエストⅢの組曲で、おなじみのサウンドから始まり、リズムや雰囲気の異なる7つの曲を組み合わせた25分間の超大作となりました。曲が進むにつれて荘厳さや疾走感が高まり、最後は広大な大地を旅しているかのような壮大な空間を思い浮かべる重みと深みのあるサウンドで、最初に感じたゲーム音楽の楽しさから自然と奥深い世界観に引き込まれてしまいました。

 再び15分間の休憩を挟んで、いよいよお楽しみの第3部ポップスステージの始まりです。今年のポップスステージは、これまで以上に様々な工夫と見どころが散りばめられていました。生徒指揮者がタクトを振り、気が付くと主顧問が生徒に混じって最後列に陣取りトランペットパートに加わって演奏していました。驚きとともに始まったステージのテーマは越南吹部伝統のキャラクターであるシンフォニー戦隊ビートファイターの誕生秘話で、AI技術の進化が加速して音楽が存在しない1,000年後の未来から偶然2025年の現代にタイムスリップしてやってきた4人の幼馴染が、音楽によって幸せになることを嫌う女王様とその一味によって大切な音楽を消されそうになる越南吹部のピンチに出くわし、女王様一味を倒すために正義の味方シンフォニー戦隊ビートファイターとなって闘うというストーリーで、キャストたちの言動とともに様々な音楽が演奏されたり、音楽に乗ってキャストが踊ったりと、さながらミュージカルを見ているかのように錯覚してしまいそうでした。

 登場するキャストたちもそれぞれ個性的で、アイドルソングとともに登場した3人組は、まるでアイドルコンサートのようにフリフリ衣装を纏ってキュートな笑顔と踊りで会場を盛り上げました。中でも「音消し」の術で越南吹部の活動を邪魔する女王様と子分の演技と掛け合いは秀逸で、悪役になりきってピンチを演出し、その大ピンチからビートファイターが誕生して越南吹部と音楽を救うというハッピーエンドのストーリーも、よく考えられた作品だと本当に感心しました。

 エンディングでは、118人の部員を代表して部長の挨拶があり、ご家族やご支援をいただく関係の皆さまに対する感謝の意と自分たちが目指す「最高の音楽」に対する熱い思いを語りました。

 その後、部員全員が自分の体の一部である楽器を置いて美しい声によりハーモニーを奏でる大合唱、そしてラストは十八番の「宝島」でステージと会場が一体となって盛り上がったところでフィナーレを迎えました。

 今の御時世、限られた活動時間の中で、演奏の練習だけでも精一杯のはずなのに、毎日のインスタ配信に加えて、こうした台本や演出を企画し、小道具や衣装を準備したり、ましてたくさんの踊りを覚えて合わせたりと、いつやっているのだろうかと考えてしまうほど大変だったに違いありません。時には、上手くいかなくてストレスを抱えたこともあるはずです。

 しかし、吹奏楽部の皆さんは、素晴らしいホスピタリティを発揮し、いつも最終的にそうした壁を乗り越えて最高の音楽とともに最高のステージにしてしまうのだから、その順応性と情熱は本当に素晴らしいものだと感じます。

 そんな吹奏楽部のみなさんだからこそ、幾多の困難を乗り越えて吹奏楽強豪校として君臨し、「全国」というワードに本気で口にし、そしてチャレンジできるのだと思います。

 これから夏のコンクールに向けて吹奏楽部の皆さんにとって1年間の集大成となる大切な時期を迎えます。普段から音楽に没頭し音楽に青春を捧げている皆さんなら、少し先に見え隠れする「全国」の舞台に今年こそ立てるはずだと信じています。焦らず地道に、そして着実に前進し、真夏のステージに向かってほしいと願います。皆さんなら必ずできると信じています。

 本日は、たくさんの保護者の皆さま、ご家族の皆さま、そしてご支援をいただいいている関係各所の皆さまにご来場を賜り、心より感謝申し上げます。部員たちは、皆さまの温かなご支援のお陰で大好きな音楽に没頭し、夢の実現に向かうことができています。今年の夏は、必ずや皆さまとともに夢を実現する部員たちの姿が見られることを楽しみにしたいと思います。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、吹奏楽部!

チームの成長に裏付けられた勝利(サッカー部インターハイ地区予選)

 本日5月4日(日)宮代高校にて全国高等学校総合体育大会埼玉県東部支部予選の2回戦が開催され、本校サッカー部が出場しました。

 この大会は、7月26日(土)から1週間にわたり福島県のJヴィレッジほかで行われる全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)の埼玉県代表を決める大会の支部予選で、東部地区からは5チームが県大会の切符を手にし、県大会を制したチームにインターハイの出場権が与えられるレギュレーションとなっています。

 本校は1月に行われた東部支部の新人戦で見事3位となりましたが、抽選により、その試合で死闘を演じ、同点引き分けで両校3位となった三郷北高校と同じブロックとなりました。

 本日の対戦相手は蓮田松韻高校との1回戦を7-0の大差で勝ち上がってきた宮代高校で、相手はプレーし慣れた自校で戦えるアドバンテージがある中、相手校のホームに乗り込んでの戦いとなりました。宮代高校は東部地区北部の田畑の多い地域に立地していますが、駅からわずか徒歩8分のアクセスの良さから代々部活動が盛んな学校で、毎年ポテンシャルの高い選手が数人在籍する侮れないチームです。

 試合は予定どおり午前10時ちょうどに相手のキックオフで始まりました。開始早々から、相手はトップギアでボールに対して直線的なアプローチを仕掛け、ファーストコントロールでボールを落ち着かせられない本校選手との間で球際の激しい攻防が繰り広げられました。また、相手はポゼッションするよりワンタッチで縦に大きく蹴りだし、キック&ラッシュの戦術を優先するため、繋ごうとする本校の僅かなミスも容赦なく蹴り出され、なかなか敵陣深く攻め込むことができない状況が続きました。

 試合前に監督から中央突破で直線的にゴールに向かうのではなく、相手をいなしてサイドを有効に使うよう指示が出ていた中、前半14分にビッグチャンスが訪れます。ミドルゾーン中央から左サイドに展開した本校は、1年生アタッカーが縦に仕掛け、早めのタイミングでクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだエースストライカーがドンピシャでヘディングを合わせ、待望の先制点を奪いました。

 このストライカーは、決してテクニックに秀でたプレーが多いわけではありませんが、攻守にわたりスプリントを繰り返す献身的な姿勢と身体を張った泥臭いプレー、そしてチームを鼓舞する強烈なキャプテンシーが身上で、どんな試合でも計算以上の活躍が期待できる堅実性が持ち味であり、かつての日本代表岡崎慎司選手を彷彿させるチームで最も頼れる唯一無二のストライカーです。

 このゴールで一気に「南の風」を掴んだ本校は、縦に急ぐ相手に苦しみながらも手を緩めることなく敵陣に攻め込み、前半20分に再びビッグチャンスを迎えます。ミドルゾーン右からゴール前に放り込んだ縦パスをペナルティエリア中央で相手ディフェンダーとヘディングで競り合うと、こぼれたセカンドボールの落下点に待っていたのは、またしても本校エースストライカー。これを再びヘディングでゴールに叩き込み、追加点を奪取しました。

 ここから更に本校が攻勢を仕掛け、敵陣内でプレーする時間が長くなりました。両軍とも球際の攻防は激しいものの、縦に急ぎすぎるゲーム展開から大味なサッカーになる中、本校は少しずつスペースを意識したサイドアタックが見られ始め、迎えた前半35分にはアタッキングサードに入れた縦パスからボールを繋いで右サイドに展開し、ドリブルでゴールライン際まで深くえぐる理想的な攻撃から、最後はマイナス気味のセンタリングにヘディングで飛び込んだのは三度頼れるストライカー。ゴール正面から豪快にヘディングでたたき込み、前半だけでハットトリックを達成する快挙を成し遂げました。

 一発逆転のないサッカーでは、俗に3点差がセイフティリードと言われますが、3点のビハインドでも全く落ち込む様子もなく変らず全力でプレーする相手は、高校生らしく素晴らしいチームだと感じていましたが、続く前半39分には次なるチャンスが訪れます。ペナルティエリア内に放り込まれたボールをクリアしようと敵味方が混戦となる中、こぼれたボールを拾って右足を一閃したのは本校のトップ下に君臨するボールコントロールに秀でたゲームメーカー。振り抜いた足から放たれたシュートはゴール右に吸い込まれ、豪快にネットを揺らしました。直後に前半終了のホイッスルが吹かれ、4-0のリードを奪って折り返しを迎えることとなりました。

 ハーフタイムには、監督やコーチから称賛される場面もありましたが、高みを目指す本校は、点を重ねながらもビルドアップの点で克服できていない課題の指摘を受け、気を引き締め直して後半のピッチに飛び出していきました。

 試合開始直後から容赦なく太陽が照り付け、気温が上がる中、選手の消耗状況を勘案して、後半は飲水タイムが設けられることとなり、真夏の大会に向けたトーナメントにふさわしく消耗戦になる予感がしました。

 点差は4点ながら、相手守備網を崩し切って奪った得点は3点目の1点だけであったことに加え、相手は点差を気にせず愚直にプレーする好チーム。しかも攻撃陣のポテンシャルは決して低くなく、一瞬でも気を抜けば突破を許してしまうであろうリスクは試合開始直後と変わらない状況で後半がスタートしました。

 後半開始直後の50分、自陣左サイドでファールを受けた本校サイドバックが、クイックスタートでGK(ゴールキーパー)に横パスし、GKがコントロールをもたつく間に相手2人の攻撃陣に囲まれてゴール左30m付近でボールを失うと、こぼれ球を無人のゴールに向かってシュートされ、ボールは一直線に本校のゴールに。誰もが「やられた」と思ったその瞬間、僅かにゴールポスト右側にボールが反れ、幸運にも絶体絶命の大ピンチを切り抜けることができました。ここから一気に勢い付き攻勢を強める相手に対して、本校は受け身に回ったプレーが目立ち、相手に押し込まれる時間が長くなりました。

 更なる追加点を奪って試合を決定づけたい本校は、後半開始10分が経ったところで膠着状態を打破するための2枚替えに踏み切りました。

 フレッシュな2人を加えた本校は、前半の課題であったワンタッチの展開とサイドのスペースの活用を意識しますが、球際に厳しい相手のプレッシャーを上手くいなせない中、時間ばかりが過ぎ、アップダウンの激しい展開に徐々に消耗が激しくなってきました。

 後半も半分以上が過ぎたころ、本校は大活躍だったエースストライカーなど先発の2人に代えて更にフレッシュな2人を投入し、運動量を確保した局面の打開を図りますが、少しずつサイドアタックを意識した展開が増えるものの、ファーストコントロールが落ち着かずにボールを失う場面が連続し、効果的な攻撃に転じることができません。

 残り5分余りとなったところで、勝利を確信した本校は、チームの心臓ともいえるゲームメーカーをお役御免とし、更にフレッシュなメンバーを追加して、攻撃のギアを上げようと試みました。しかし単発のチャンスは作るものの、相手チームも全く集中力を切らさず、後半だけ見れば、どちらが勝っているチームかわからないような時間が過ぎていきました。

 後半途中でハイボールの競り合いの場面で相手選手が痛み、ゲームが止まったことから5分間のアディショナルタイム(追加時間)が設定されました。暑さに両軍とも激しい消耗の中、集中を切らさずに戦い続け、相互に何度かチャンスを迎えたものの、ゴールに結びつけることができずにタイムアップのホイッスルを聴きました。

 終わってみれば4-0の完勝ともいうべき結果ですが、後半は押し込まれる時間が長く、選手たちは勝った気がしない幕切れとなりました。それでも本校選手たちは、相手以上に集中力を高く保ち、苦しい展開が続く時間もチーム全体でボールにアプローチして無失点に抑えて勝利に繋げたことは高く評価できる収穫であったと思います。

 また、新戦力として1年生3人がスターティングメンバーに名を連ねたことや、エースストライカーが確実にチャンスを得点に繋げたこと、10番を背負うゲームメーカーは、ヘディングの際のジャンプのタイミングを掴んだようで、小柄ながらも高い打点で競り勝つ場面が多く見られたこと、ベンチ外となった部員たちの一体感のある素晴らしい応援など、少しずつ自信とともに成長が感じられ、多くの課題はあるものの、強豪チームへの階段を登り始めた兆しの感じられるゲームとなりました。特に羞恥心を乗り越えて、大きな声を張り上げて盛り上げる応援団もピッチと同じように戦っているようで、そのおかげで選手たちは力強い「南の風」を感じることができたのではないでしょうか。

 次戦は、県大会への切符を賭けて明後日5月6日(火)、三郷市のセナリオハウスフィールドで行われる地区代表決定戦に臨むこととなります。相手は本日の試合を5-0で完封勝利した因縁の三郷北高校となります。新人戦の3位決定戦の再戦となり、決着を付けるためにも敗けられない試合となります。

 本校部員たちには、本日素晴らしい応援を見せてくれた部員たちや、いつも献身的に選手をサポートしてくれているマネージャー、そして毎回応援に駆けつけてくださる保護者やOBの皆さまの想いを背負って、必ずや県大会の切符を手にしてほしいと願います。日頃から地道に努力を積み重ねている皆さんなら、必ず成し遂げられると信じています。

 本日も多数の保護者の皆さまにご来場いただき、ご声援を賜りましたことに、心から感謝申し上げます。こうしてご家族の皆さまにご声援をいただけることが、部活動として本物となっていく必須条件であると感じています。後半は難しい展開となりましたが、本日の勝利は、ご家庭でのご理解とご支援のおかげであると感じています。今後とも、変らぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、サッカー部!

 

悔しさのその先には必ず…(男女ハンドボール部関東大会県予選)

 本日5月3日(土)三郷市総合体育館にて関東高等学校ハンドボール大会県予選が最終日を迎え、本校の男女ハンドボール部が揃って3位決定戦に臨みました。

 この大会は、5月30日(金)から6月2日(月)までの期間、群馬県の富岡市で行われる関東大会の埼玉県代表を決定する大会で、男子が上位4チーム、女子が上位3チームに出場権が与えられるレギュレーションとなっており、ともにベスト4進出を決めた本校は、男子が既に昨年のリベンジを果たして出場権を獲得し、女子が5年連続6回目の関東大会出場を目指して本日の試合に臨みました。

 先に試合があったのは女子で、対戦相手はこれまで幾度となくチームを全国や関東の舞台に導いた実績を持つ敏腕指導者が率いる古豪川口北高校で、百戦錬磨の策士が本校相手にどんな戦術を繰り出すのかと想像すると、難しい試合になりそうな予感がしました。

 試合は10時ちょうどにブザーが鳴りスローオフしましたが、直後に相手チームのスタートメンバーの再確認のために試合を止める笛が鳴り、出鼻をくじかれた感じがしました。数分後に確認が終わり、そのままのメンバーでゲームが再開しましたが、スタートから気持ちの切り替えが難しい雰囲気でした。

 相手は、本校よりも平均身長が高く、特に中央の3枚は力のある選手が揃っていました。また、集中力も高くチームとしての戦い方に自信をもって試合に臨んでいる感じがしました。

 試合前の想像どおり、相手は本校のエースフローターを徹底的に封じ込めるべく中央の3枚を中心に執拗なマークとブロックを敷いてきたため、本校はアウトサイドではボールを回せるものの7mライン付近での攻撃のスイッチを入れることができませんでした。

 両チームがそれぞれ素晴らしい守備を見せて点が動かない中、先制したのは相手チームでした。本校もすぐさま反撃し、サイドから飛び込んで1点をもぎ取り、直後に立て続けに2点目を決めて逆転に成功しました。

 その後は互いに有効な攻撃がなかなかできず、両軍得点は重ねるもののロースコアのまま試合が進み、5-5となった前半中盤に本校の右フローターがコート中央でシュート態勢に入ったところで相手と顔面同士がぶつかり、顎をカットするアクシデントに見舞われてしまいました。

 出血した本校選手は急遽一時退場してテープで止血をしましたが、治療の間にメンバーチェンジしたことを契機に、本校は準備してきたセットプレーに挑戦して勝負を仕掛けました。しかし、これがはまらずにミスからボールを失いシュートまで行けない場面が連続し、これでリズムを崩した本校は、ここぞとばかりに攻撃のギアをあげた相手に翻弄され、一気に4連続失点を喫し、ロースコアのゲームで4点のビハインドとなりました。

 本校は、堪らずタイムアウトを取って流れを切ろうとしますが、一度失った流れはなかなか取り戻せません。エースが完全に抑えられて攻め手を失った本校は、相手の猛攻に耐えつつ僅かな隙をついて反撃の糸口を探します。そうした中、途中出場した小柄な選手が、タイトな相手のマークをかいくぐり、股下からポストにパスする超絶ファインプレーを見せ、1点を返したところで前半終了のブザーが鳴り、6-9の3点ビハインドで後半を迎えることとなりました。

 ハーフタイムには、ハードワークした身体をしっかりと休めながら監督の指示を確認し、反撃の狼煙を上げるために選手同士が声を掛け合い、気持ちを引き締め直してコートに飛び出していきました。

 迎えた後半も苦しい展開は変わらず、開始直後から一進一退の攻防が続きました。本校エースフローターに対する徹底した守備は変わらず、なかなか攻撃の糸口が見いだせない中、中央突破ではなくサイドが飛び込んでシュートする場面もありましたが、前半から本校の攻撃の前に壁のように立ちはだかって、ことごとくシュートをブロックしてきた相手GK(ゴールキーパー)の神がかり的なセーブにあい、思うように得点することができません。

 8-13と5点差となったところでタイムアウトを取り、再度攻撃の戦術を確認して、昨年はエースフローターだったポストプレーヤーをフローターに据えたことで相手のマークが甘くなり、新旧エースフローターの強引な突破から4連続得点を挙げて12-14の2点差に追い上げ、一気に流れを引き寄せて会場はこの日一番の盛り上がりを見せました。

 しかし相手監督も経験豊かなだけあって、本校ペースになりかけたタイミングでタイムアウトを取って試合の流れを分断し、浮足立った相手選手たちを落ち着かせます。

 すると、息を吹き返した相手は、前に出てプレッシャーを強め、本校のミスを誘ってボールを奪ってカウンターから3連続失点を喫してしまいました。

 後のない本校は、カウントダウンを始めるタイマーを横目にオールコートプレスでボールを奪いに行きますが、最後は相手に逃げ切られ、試合終了のブザーを聴きました。

 歓喜に湧く相手とは対照的に大粒の涙を瞳に溜め、歯を食いしばる本校の選手たち。天と地ほどの差の中で、言いようのない悔しさと手に掴みかけた関東大会の切符を逃したショックはスタンドで見ていた私たち以上に選手たちが感じているはずです。

 しかし、勝負事には勝者がいれば敗者もいるのです。ここまで順当に、そしてどの試合も大差で勝ち上がってきた本校に対して、厳しい試合を苦しみながら勝ち上がってきた相手の方が勝負に徹した良いゲームをしたということです。

 本校の選手たちは、決して技術的に劣っていたわけではないと感じましたが、本日の試合では相手の対策の前にストロングポイントを出し切ることができませんでした。そうした対戦相手に対する対策を徹底した相手が本校の強みを消し、少ないチャンスを確実に得点に結びつけたことで試合を制したということです。また、本校もこれまで幾度となくGKのスーパープレーに救われてきましたが、相手GKのビッグセーブの連続が相手チームを勇気付け、試合の流れを引き寄せたのだと感じました。本日のMVPは間違いなく相手GKだと言っていいでしょう。

 残念ながら、本日の試合には敗れましたが、そこには敗戦した理由が必ずあるはずです。本校選手たちには、次なる戦いの場であるインターハイ予選でリベンジするためにも、その理由から目をそらさずに糧として更なる成長を目指してほしいと願います。

 続いて行われた男子の試合は、強豪埼玉栄との対戦となりました。両チームとも既に関東大会出場権を獲得しており、どちらが3位を獲得するかというプライドを賭けた試合となりました。

 本校のスローオフで始まった試合は序盤から本校が流れを掴み、2枚看板の本校エースフローターを中心のスローなボール回しから一気にギアをあげてスイッチを入れる攻撃パターンがはまり、一気に5-1とリードを広げました。

 しかし、相手は全く動揺することなくパワフルなポストプレーや小気味よいステップからの中央突破などアジリティー(俊敏性)とパワーにものを言わせた豪快な攻撃で反撃に出ます。受け身に回った本校は一気にギアを上げた相手について行くことができずに失点を重ね、前半中盤には5連続失点を含み10-13とリードを許す苦しい展開となりました。

 追いかける本校はサイド攻撃に活路を見出しますが、これがことごとくゴールポストに跳ね返されて得点できません。そうした中、12-17と5点のビハインドとなったところでポストプレーやアウトサイドからのロングシュートが決まり、5連続得点で1点差に迫ります。しかし相手もパワフル且つスピーディーな攻撃で応戦します。前半残り2分を切ったところで相手が悪質なファールで2分間の退場となり、本校は1人多いパワープレーを仕掛けますが、執拗なマークに相手を振り切れずそのまま前半終了のブザーを聴きました。

 仕切り直して始まった後半は、開始直後から相手が一気にギアを上げて猛攻を仕掛け、勝負を決めにきました。その勢いに押され、本校は必死に喰らいつこうとするも突破され、8連続失点を喫してしまいました。その後1点返すも更に3失点し19-31と大量リードを許す厳しい試合運びとなりました。後半中盤からは相手の勢いも下がり、一進一退の攻防となりましたが、時計だけは無情にもどんどん進んでいきます。

 残り5分となったところで本校はオールコートプレスに切り替え、積極的にボールを奪いに前に出ます。しかし、相手も冷静な対応で、大きく空いた背後のスペースに走り込まれ、次々とGKとの1対1に持ち込まれます。

 試合の行方が決まった27分過ぎには、両軍がメンバーチェンジをしてサブメンバー中心の戦いとなり、それぞれが得点を重ねたところで試合終了のブザーとなりました。結果としては、女子の敗戦に続き、男子も29-41の大差で敗れ、男女ともにこの大会を4位で幕を閉じることとなりました。

 本日は大敗を喫しましたが、男子選手たちには関東大会の出場権が与えられています。本県第4代表とはなりますが、県の代表であることに変わりはありません。胸を張って1年越しにリベンジを果たした関東の舞台に向かってほしいと願います。

 本日は、残念ながら三郷市界隈では「南の風」を感じることができず、男女とも勝利を収めることができませんでした。しかし、順当に準決勝までコマを進めるとともに、本気モードの厳しい試合を経験し、自分たちの現在位置を確認することができたはずです。そして、更なる精進を重ねなければ、自分たちが描いている目標に到達することができないこともその肌で感じたはずです。負けた試合には負けた理由が必ずある。そうした自分たちに足りない部分に目を向け、これまで以上に地道な鍛錬を積み重ねることで、更なる成長を果たして、次なる戦いに挑んでほしいと願います。皆さんなら、必ず実現できるはずです。

 本日は、GWの大切なお休みにもかかわらず、多数の保護者の皆さまにご来場いただくとともに、大声援を賜り、心より感謝申し上げます。残念ながら男女とも勝利を手にすることはできませんでしたが、必ずやこの悔しさを晴らす日が訪れると信じています。その日を皆さんとともに楽しみにしたいと思います。本日は、誠にありがとうございました。

 頑張れ、越南生!頑張れ、男女ハンドボール部!

敗けられない闘いへの挑戦(男子バレーボール部関東大会県予選)

 昨日4月30日(水)関東高等学校バレーボール大会県予選の抽選会があり、5月7日(水)及び9日(金)に行われる県大会の組み合わせが決まりました。

 この大会は5月30日(金)から6月1日(日)にかけて男子は茨城県、女子は埼玉県で行われる高等学校バレーボール2025春季関東大会に出場する県代表校を決定するトーナメント戦で、埼玉県からは上位6校が関東大会への出場権を獲得するレギュレーションとなっています。

 本校男子バレーボール部は、昨年、一昨年と2年連続で春季関東大会に出場しており、今年は3年連続6回目の出場を目指しています。過日行われた東部地区予選では、苦戦する場面はありつつも、昨年度県3位の貫禄を見せつけ、順当に大会を制覇して東部地区優勝校として県大会に臨むことになりました。

 36校が出場する県大会の組み合わせは、シード校の配置の他は厳正な抽選となりましたが、本校を含め、強豪校とされるチームの多くがAゾーンに抽選された印象があり、同じくAゾーンとなった本校は1回戦の伊奈学園総合高校戦から代表権を獲得するまで、「毎日が決勝戦」のように、すべての試合が厳しい試合となることが予想される結果となりました。

 本校男子バレーボール部は、昨年度までチームを牽引していた絶対的エースが卒業したため、本年度は個の力で相手をねじ伏せるというよりも、チーム全体のコンビネーションと集中した守備でボールを拾って多彩な攻撃に繋げるチームスタイルとなり、その分選手同士の共通理解と正確なボールコントロール、タイミングなどがより重要性を増し、勝利の方程式を解くための生命線となっています。新チーム発足以降、こうしたコンビネーションを高めるために基礎から徹底的に取り組み、地道にトレーニングを積み重ねることにより闘うチームを作り上げてきました。

 そうした先輩たちの姿に憧れて、多くの新入部員たちも入部し50名の大所帯になった現在も、1つのコートで全員が一緒にトレーニングに取り組むことは、こうした選手同士のつながりを深め、相互に刺激を与えあって切磋琢磨できる集団作りにつながっています。

 本校の1回戦は彩の国くまがやドーム体育館にて5月7日(水)第5試合で行われます。目指すところは勿論関東大会出場権の獲得ではありますが、まずは初戦から1戦1戦全力で闘い、最終的にいばらの道を制して関東大会という舞台に辿り着いてほしいと願います。

 本校選手たちには、そこに辿り着くための自信とプライド、そしてこれまでの経験という大きなアドバンテージがあります。必ずや負けられない戦いを制し、関東の舞台に立ってくれると信じています。これまで皆さんを支えてきた「南の風」の誇りを忘れずに、越南旋風を吹かしてきてください。

 保護者の皆さまや本校を応援していただいている皆さまにおかれましては、日頃からご支援を賜り感謝申し上げます。大会はGW明けの平日開催となりますが、お時間の許す方は、ぜひ会場にお運びいただき、直接選手たちにご声援を賜ることができれば幸甚に存じます。今後とも、ご理解とご協力、御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、男子バレーボール部!

1年越しのリベンジ(ハンドボール部関東大会県予選)

 本日、4月29日(火)熊谷スポーツ文化公園体育館において、関東高等学校ハンドボール大会埼玉県予選が行われ、本校男女ハンドボール部が出場しました。

 この大会は、県内の男子46チーム、女子33チーム(ともに合同チームを含む)が出場し、男子は上位4チームが、女子は上位3チームが群馬県内で行われる関東大会への出場権を獲得するレギュレーションとなっています。県内高校ハンドボール界の現在の勢力図では、男子は浦和学院と浦和実業が、女子は埼玉栄と浦和実業が2強体制を形成しており、本校はこの2強に続く位置にいます。女子はこれまで5年連続で関東大会に出場、男子は昨年度の代表決定戦で敗れて連続出場を逃しているので、今年は何としても男女アベックで関東大会への出場権を獲得すべく気合十分で大会に臨んでいました。

 大会は、既に準決勝までが終了し、本校は男女とも順当に準決勝に進出したものの、4月27日に行われた準決勝でともに第2シードの浦和実業の前に屈し、敗者復活の代表決定トーナメントに出場していました。

 先に試合があったのは女子で、会場に着くとちょうど女子チームがウォーミングアップを終え、試合に向かうところでした。選手たちは肩の力が抜け、リラックスした雰囲気で、いつもどおり元気な笑顔で準備をしていました。

 試合の相手は本校選手たちを誰よりもよく知る前本校監督率いる宿敵三郷北高校で、相手に不足はありません。全力で戦って、成長を見せつけるとともに、関東大会につながる代表決定戦の権利をGETするのみです。選手たちは、新人戦以降ここまでポジションの変更や新たな戦術の落とし込みなど、打倒2強を目指して練習を積み重ねてきており、自信とプライドも相応に高まってきました。

 試合は開始早々から立て続けに本校が3点を取り、一方的な展開となりました。直後に不用意に打たれたシュートで1点を失いましたが、その後は相手のエースがでていなかったこともあり、鉄壁のディフェンスとGK(ゴールキーパー)のファインセーブなどで得点を与えず、前半終了時には12-1の大差となりました。

 この上ない展開で前半を終えた本校ですが、ハーフタイムには廊下に出て気を引き締め直すとともに、練習してきたセットプレーなどの指示を確認して、コートに散っていきました。

 後半開始早々のメンバーチェンジのミスから戦術がハマらずにバタバタしてしまい、隙をつかれて2失点しましたが、その後落ち着いて点を重ね、流れを引き戻しました。相手はたまらずにエースを登場させ打開を図りますが、本校もマンマークするなど対策を講じ、流れを渡しません。両者点を重ねる展開も、やがて相手は疲労が見えはじめてミスが多くなり、逆に本校は主力を温存してバックアップメンバーをコートに送り出す中、バックアップメンバーたちも臆することなくのびのびとプレーし、6連続得点で試合を締めくくりました。

 終わってみれば23-7の完勝といえる試合でしたが、後半チャレンジしたセットプレーでは改善の余地が感じられました。2強の牙城を崩したり、関東大会で結果を残すためには、こうした小さな隙も修正することが求められます。点差だけで試合を振り返るのではなく、更なる高みを目指してほしいと願います。女子は関東大会出場権が3チームとなっているため、5月3日(土)に行われる代表決定戦に勝利する必要があります。本日の結果に満足することなく、気を引き締め直して決戦に臨んでほしいと願います。

 続いて行われた男子の試合は、勝ったチームが関東大会出場を決める代表決定戦となりました。女子が作ってくれた最高の雰囲気の中で、女子に続いて勝利を獲得し、関東大会出場を決めるのみです。対戦相手は、敗者復活戦を勝ち上がってきた浦和西高校との対戦となりました。戦前の予想では、本校がやや有利とされていましたが、相手は士気も高く侮れません。ただ、試合前の選手の顔つきを見る限り、女子と同様に気負いすぎず適度なリラックスムードがあり、こちらも良いゲームができる予感がしました。

 試合開始のブザーとともに本校の選手たちが相手ゴールに迫り、幸先よく先制点をGETすることに成功しました。その後2点を返され、相手が一気に盛り上がりを見せますが、本校選手たちは全く動じず自分たちのプレーに徹していました。本校はフローターの2枚エースが華麗なステップと身のこなしで次々と得点を重ね、あっという間に6-2とリードを広げます。序盤は相手も勢いがあり3点を返されますが、その後は終始本校のペースで展開し、6人のフィールドプレーヤーが見事なフォーメーションを見せて得点を重ねます。時折強烈なロングシュートやトリックからのポストプレーなどで崩されますが、GKのファインセーブもあり前半を17-9で折り返します。

 ハーフタイムに監督の指示を確認し意思統一を図った本校チームは、後半も手を緩めることなく多彩な攻撃を繰り返し、あっという間に10点以上の差が開きました。相手も闘志を剥き出しにして本校のゴールに襲いかかりますが、途中出場したGKが神がかったセーブを連発して相手の攻撃を阻止し、本校の勝利を決定付ける大活躍を見せました。この活躍でチームはさらに活気付き、その後は選手交代をしながら得点を重ね、終わってみれば36-22のセイフティリードを保ったまま関東大会出場を決めました。

 男子は、昨年のこの大会で敗れ、関東大会への連続出場を逃していたため、1年越しのリベンジを果たすことができました。また、本日の大切な1戦を男女とも完勝できたことは、本校選手たちの日頃の鍛錬の証であったと思います。更に、本校の強みは、男女とも素晴らしいGKがゴールを守っていることです。昨年も感じましたが、大事な場面でGKのファインセーブが見られ、試合の流れを維持することに大きく貢献していると感じます。

 見事に関東大会出場を決めた男子部員の皆さん、おめでとうございます。女子部員の皆さんは、男子に続いて次戦で関東大会出場権を獲得できることを願っています。

 次戦は男女とも3位決定戦に出場することとなります。試合は5月3日(土)三郷市総合体育館において女子が10時から、男子が11時30分からの開始となります。GW期間真っ只中の大切な休日となりますが、お時間の許す方は、ぜひ会場にてご声援を賜れれば幸甚に存じます。

 本日は、遠方にも関わらず多数の保護者の皆さまにご来場いただき誠にありがとうございました。皆さんの大声援のお陰で選手たちも自身を持って試合に望むことができました。女子は次戦が大一番となりますが、男子も女子も確実に3位の座を獲得して関東大会に向かってほしいと願います。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、ハンドボール部!

 

 

第1シードに惜敗(男子バスケットボール部関東大会地区予選)

 本日4月29日(火)蓮田松韻高校にて関東高等学校バスケットボール大会東部地区予選の代表決定戦が行われ、本校男子バスケットボール部が出場しました。

 この大会は、県大会に直接出場する昌平高校を除く東部地区の39チームが6ブロックに別れ、それぞれのブロックの勝者が東部地区代表として県大会への出場権を獲得するというレギュレーションとなっており、本校は昨年度の総体予選で県ベスト8に進出したものの、その後行われた新人大会で敗れ、シード権を失っていたため、今回は地区第1シードの春日部高校と対戦することとなりました。

 試合前に会場につくと、ウォーミングアップ中の生徒たちが丁寧に挨拶してくれましたが、その顔つきはにこやかな中にも秘めたる闘志が感じられ、良い試合ができそうな予感がしました。

 両軍のウォーミングアップを見る限り、本校の選手たちの動きは軽くコンディションは良さそうでしたが、身長はあまり変わらないものの、相手選手は一回り体格が良く、パワーがありそうで、シュート精度も高く感じました。

 試合開始のブザーとともにトスアップされたボールをキープした本校は、開始早々挨拶代わりに右45度からのスリーポイントを決め、幸先よくスタートを切りました。直後に相手にインサイドから2ゴールを許したものの、本校も小気味よいパス回しから2ゴールを返すなど序盤は終始リードする展開となりました。しかし、そこから立て続けに3ポイントを決められ一気に7点差まで広げられ、形勢逆転かと思われましたが、絶妙なタイミングでのタイムアウトからリズムを取り戻し、25-22と再逆転に成功。その後2ゴールを許すも、第1Q(クウォーター)は31-26で5点のリードを保ったまま終了する絶好の試合運びとなりました。

 2分の休憩後に始まった第2Qは、相手のゴールから始まりましたが、本校も直後に3ポイントを沈めて応戦します。その後相手に2ゴールを許し34-32に迫られたところでタイムアウトを要求して悪い流れを断ち切ります。しかし、タイムアウト明けに立て続けに3ポイントを決められるなど、一気に相手ペースの展開となり、あっという間に12点のビハインドまで離されてしまいました。その後、本校選手も果敢にゴールを狙うもことごとくリングに嫌われ、相手に渡った流れを取り戻すことができずに第2Q終了時点で46-67と21点のビハインドを背負うこととなりました。

 10分間のハーフタイムには、切り替えを図るために屋外の風で体を冷やしながら監督の指示を全員で確認しました。コートに戻ってきた選手たちの目には闘志が見られ、後半の巻き返しを誓って声を掛け合いながらコートに出ていきました。

 迎えた第3Qは、早く追いつきたい焦りからか前半はシュートが入らず、更に点差を広げられましたが、後半になると見違えるように3本の3ポイントをはじめ一気に11点を重ね、点差は68-90と21点差ではあるものの、第3Qだけでは22-23のイーブンの戦いを見せてくれました。

 運命の第4Qは、それまでほぼスタートメンバーが出ずっぱりであったため疲れが見え始め、フレッシュな選手をローテーションで出場させる相手のスピードについていけなくなる場面が増えたことに加え、5ファールで交代を余儀なくされるなど、終始苦しい展開の中で、再び点差を広げられてしまいました。本校選手たちも必死に喰らいつき、体を張ったプレーで応戦するも、相手のスピードが上回り、最後は84-131で試合終了のブザーを聞きました。

 十分な闘志とプライドを持って試合に臨んだ本校選手たちでしたが、残念ながら第1シードの前に屈するという結果となりました。それでも最後まで果敢に相手に立ち向かい、勝利を信じて戦い続けた選手たちは立派でした。また、ギャラリーから大きな声で選手たちに檄を飛ばし続けた応援部隊の部員たちも素晴らしかったと感じました。ただ、本日の試合を見る限り、判断スピード、プレースピード、シュートの精度などの面では、相手が勝っていたことも否めませんでした。

 関東予選では、残念ながら臨んだ結果につなげることはできませんでしたが、期間を開けずにすぐに総体予選が始まります。本日の敗戦とその理由をしっかりと受け止めるとともに、気持ちを切り替えて総体予選に向かってほしいと思います。そして、次こそはチームの目標を達成できるよう頑張ってほしいと願います。

 本日は、多数の保護者の皆さまに会場にてご声援を賜り、心より深く感謝申し上げます。本日は残念な結果となりましたが、チームは総体予選で必ずやリベンジを果たしてくれると思いますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、男子バスケットボール部!

 

引き込まれる没入感(演劇部春季演劇祭)

 本日4月27日(日)三郷市鷹野文化センターにて、東部南地区春季三郷演劇祭が開催され、本校演劇部が出演しました。

 この演劇祭は、県東南部の高校演劇部15校に加え、市民劇団のOASISさんを加えた16団体が出演し、3日間の公演期間のスケジュールで日頃の活動の成果を相互に発表、鑑賞するものです。

 本校演劇部は公演最終日となった本日の午後にスケジュールが組まれており、会場には各校の演劇部の生徒たちと顧問や施設スタッフに加え、保護者の皆さまなどが鑑賞する中での公演となりました。

 舞台入りする直前に大道具を舞台袖に運ぶ部員たちに廊下ですれ違った際に部員たちが私に気付いて明るく「こんにちは!、見に来てくれたんですね!」と声をかけてくれたので、「頑張れよ」と月並みな言葉をかけたものの、部員たちは万遍の笑顔で「はい!」と返してくれたので、不安なく舞台に立てそうだと感じました。

 その後私と同様に公演を見に来た本校の教頭と教員の3人で揃って座席につくと、程なくしてブザーが鳴り、開演予定時刻ちょうどに緞帳が上がりました。

 今回の演目はこさべあきひろ氏の「ダイイング・レッスン」という演目で、これまで多くの演劇部によって演じられてきた高校演劇部界隈では知られた演目に挑戦することとなりました。

 ストーリーは、彼女にふられたことにこの世の絶望感を感じる本田が、自分の最後の場所として人気のない廃屋を選び、手製の爆弾で死のうとしたとき、売れない作家がやってきて、作品の構想に合わせて本田の自殺の気をそいだり、富豪の娘と勘違いされて誘拐された女性とともに誘拐犯が廃屋にやってきて、誘拐の一部始終を目撃した本田が誘拐犯から殺されそうになったりする中で、いつしか登場人物4名に共通する自分たちの心の闇の原因が、思い通りに日常生活が送れないことに対する不満であることに気づき、その不満から逃れるために4人が知恵を出し合って乗り越えてゆくという不思議なストーリーとなっています。

 ストーリーの軸は原作を忠実に描いているものの、細かなセリフや立ち回りはアドリブも含めオリジナリティーを豊富に盛り込んだ作品となっており、緞帳が上がってすぐに本田役の男子生徒が語り始める場面から、シリアスな演技の中の随所にボケやツッコミ的な要素が散りばめられ、会場からは自然と大きな笑い声が上がり、部員たちの絶妙な間合いやセリフなどの工夫が観客の心をしっかりと掴んでいました。

 前回の作品も異世界を舞台にした自然と引き込まれる作品でしたが、今回は新たなキャストを迎えながらも前回作以上に完成度の高い演技構成で、知らず知らずのうちに部員たちの演技に没入していくことができました。

 こうした完成度の高さは、演者だけでなく舞台監督や照明、音響などの裏方役の生徒も含め、部員全員が何度も練習を重ねてきた証だと思います。そうした意味では、演劇はスポーツで言うところの個人競技ではなくチーム競技なのだと強く感じます。たった一つのセリフや照明、音響の間合いのズレが演技全体の完成度に大きく影響するため、作品を仕上げるために繰り返し確認しながら息を合わせてきたのだと思います。

 演劇部の舞台を見ていつも感心するのは、約1時間に及ぶ舞台上でのセリフと演技をすべて記憶して演じきっていることです。やり直しの効かない緊張した舞台の上で役柄になりきって長時間の演技を演じきることは決して簡単ではありません。それを難なくこなす演劇部の生徒たちは、おそらく想像しがたい努力を積み重ねているのだと感じており、見るたびに感心します。

 終演後に会場を出ると部員たちがロビーに待っていてくれて声をかけることができました。どの部員たちにも笑顔が溢れ、満足できる舞台を作り上げられたという安堵感と達成感が感じられる表情が印象的でした。

 部員たちには、こうして好きなことに没頭できる喜びと、その中で仲間とともに試行錯誤しながら困難を克服していく達成感を感じながら自己肯定感を高めていってほしいと願います。

 本日は、ご多忙の中、多数の保護者の皆さまにご鑑賞いただき、心より感謝申し上げます。生徒たちが情熱を傾けて取り組む様々な部活動は、こうして保護者の皆さまをはじめとした誰かに見ていただけて、そして応援していただけて、初めて本物になっていくのだと感じています。本日のような舞台は、生徒たちにとって貴重な発表の場であり、鑑賞していただけたことが何よりの喜びとなったはずです。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、演劇部!

 

県ベスト8まであと一歩(バドミントン部関東大会県予選)

 本日4月26日(土)上尾運動公園体育館において関東高等学校バドミントン大会の県予選が行われ、本校男子バドミントン部が出場しました。

 この大会は、県大会へのシード校4校(男女とも埼玉栄、叡明、浦和北、鴻巣)に加え、各地区の代表8校の合計36校で争われ、上位5校が関東大会の出場権を獲得するレギュレーションとなっています。

 東部地区予選を6位で通過した本校は、抽選の結果2回戦からの登場となり、対戦相手は北部地区2位通過の桶川高校との対戦となりました。試合順が18番目の試合であったため、他校の試合が長引いたことで開始時刻が大幅にずれ込み、コンディション作りが難しい流れの中、午後1時すぎにやっとコールがかかり、第3コートで試合を迎えました。

 スタンドには団体戦で登録外となった部員たちが集結し、大きな声援を送る中で試合が始まりました。試合は2複1単制(ダブルス2組、シングルス1組)で複・単・複の順で試合が行われ2試合先勝で勝敗が決まります。また、1つの試合は21点先取の3セットマッチで2セット先取で勝敗が決する規定となっています。

 初戦の桶川高校戦に臨んだ本校は、先陣のダブルスで序盤こそミスから相手にリードを許したものの、ゲームが進むにつれて落ち着きを取り戻して第1ゲームを先取し、幸先の良い滑り出しを見せました。第2ゲームではミスから相手にペースを握られ、終始追いかける展開の中でゲームを失い、ゲームカウント1-1のタイで最終ゲームにもつれ込む緊迫した試合となりましたが、第3ゲームは劣勢から見事な反撃を見せて勝利し、チーム全体に良い流れ引き寄せました。

 続くシングルスでは、本校のエースが登場し、第1ゲーム、第2ゲームともに終始リードを奪う危なげない展開で勝利し、見事2-0のストレートで北部の強豪を撃破して県大会ベスト16進出を果たしました。

 準々決勝進出をかけた3回戦では、東部地区予選を1位で通過した強豪久喜北陽高校との対戦となりました。本校は、東部地区大会では久喜北陽高校の後塵を拝しており、リベンジを果たすべく気合十分で試合に望みました。

 第1試合のダブルスでは、初戦で出場機会のなかったペアが先陣を切りました。試合の序盤はミスの目立つ相手に対して、冷静に戦う本校ペアが着実に得点を重ね、リードを奪うシーンが続きましたが、中盤以降は徐々に流れを掴まれて逆転を許し、第1ゲームはそのまま押し切られてしまいました。続く第2ゲームでも流れは変わらず、終始追いかける展開の中で奮闘するも、終盤突き放されて第1試合のダブルスを落としてしまいました。

 後のない本校は、続くシングルスで再びエースが登場し、巻き返しを図りました。試合は序盤から一気に本校のペースとなり、相手が戦意を喪失するような素晴らしい展開で第1ゲームを先取しました。第2ゲームも勢いそのままに終始リードする展開となりましたが、試合終盤に相手の粘りにあい、19-19のもつれた中で、最後は実力の差を見せつけて2点を連取して試合カウント1-1のタイに持ち込みました。

 シングルスで良い波に乗った本校は、最後に登場したダブルスでも、勢いそのまま序盤からリードを重ねて第1ゲームを先取しました。このまま押し切れるかと思われましたが、流石に相手も東部地区チャンピオンだけあって簡単には崩れません。逆に本校の僅かな綻びを突いて反撃を繰り出し、畳みかけられるように逆転を許すと、その後は流れを引き戻すことができずに2ゲームを連取されゲームセット。健闘虚しく惜しくも準々決勝進出を逃す結果となりました。

 残念ながら、県ベスト8進出は果たせませんでしたが、試合内容としては決して技術的な部分で相手に劣っていたわけではなく、流れを読む力や苦しい展開のときに我慢する力に差があったように感じました。相手は東部地区チャンピオンとしての自覚や自信、プライドがあり、そうした精神的な強さがここ一番の厳しい状況の中でもピンチを跳ね返すエネルギーとなっていたように感じました。本校選手たちもこうした部分での成長ができれば、東部地区のチャンピオンを倒すことも、そして県のベスト8に進出することも決して夢ではないと感じられる試合でした。

 部員たちには、今回の敗戦の悔しさを忘れずにインターハイ予選でリベンジを果たしてほしいと思います。スポーツの世界では試合で感じた悔しさの受け止め方こそが次なる成長のエネルギーとなり、レベルアップするための必要条件であると言われます。今日の試合を見る限り、決して手の届かないことではないとその肌で感じられたはずです。今日の敗戦を糧に今後のさらなる飛躍を期待します。

 また本日は、お忙しい中、多数の保護者の皆さまに会場にてご声援を賜り、誠にありがとうございました。皆さまのご声援のおかげで、選手たちは全力で戦うことができました。今後とも、変わらぬご支援とご声援を賜わりますようお願い申し上げます。

 頑張れ、越南生!頑張れ、バドミントン部!